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第六章 貴方が狩りゲーで重視するのはなんですか?

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午前の授業が終わりお昼。
僕達は食堂(兎君希望で)へ向かっていた。途中、ケーキ君と文ちゃんが合流して6人の大所帯。隣にくっついてきたケーキ君の2人で4人の背中を追う。
道中話すのはもちろん昇級試験のことだ。


「一週間前にチーム発表する意味って何がありますかね?」

「そりゃー仲良くしろってことだろ」

「つまりチーム戦ですか」

「当たり前だろ。逆にチーム内で争うとか考えてたのかよ」

「あの教師ならやるんじゃないですか?バトルロイヤル的な」

「それにしてはエグいチーム分けだな。もう勝ち上がる奴確定じゃねぇか。燈弥のところ」

「ふむ。ならやはりチームで協力して挑む試験ですね」

「だからそう言ってんだろ」


もうマヂ無理…
まだバトルロイヤルの方が良かった。サマ臣君と萩野君とか協力の文字似合わなさ過ぎて笑えるじゃん。

あー嫌だ。


「ケーキ君はいいですよね。文ちゃんと瀧ちゃんが居て」

「ラッキーだぜ」

「妬ましさで手が出そうです」

「怖ぇよ」

「はぁーーーーーー本当に誰k」

「と、燈弥!!!」

「ぐぇっ......!?」


急に後ろを向いて飛びついてきた兎君によろめく僕。急にどうしたの??ちょっと中身出そうだから腕を弛めて欲しい。


「あ、あ、あっ、あい.....!!」

「ん?」

「あー......燈弥、前見ろ」

「なん――今すぐ離れてください兎君!今ならまだ逃げれます!!」


前方から関わりたくない2人組が歩いてきているのが確認できた。
どういう組み合わせなのそれっ!?


「あっ、いたいた~!おーい、イッチ~」

「急に叫ぶな。耳が痛てぇだろ」


この学園で僕をイッチーと呼ぶのは1人しか居ない。彼は駆けてくるとその勢いのまま飛びつこうと腕を広げた。

ちょっと待って?

僕より身長があってガタイのいい君を受け止めれるほど僕に筋肉ないよ??それに今は兎君も居る!


「いっちー!」

「まっ!?」

「止まれ」


彼――ツギハギ人間と言えるような見た目をしている生徒会会計の萩野君はケーキ君のナイフ型の魂写棒を喉に突きつけられピタリと止まる。

ナイスだケーキ君。助かった。


「あっれー?俺を暗殺しようとした浪木 将翔君じゃん!そんな怖い顔してどしたのー?」

「何の用だ燈弥に」


そこにもう1人加わる。


「オレ達は来週の昇級試験のために親交を深めようと燈弥を飯に誘いに来たんだよ」


面白そうにニヤニヤと口を歪めるている戦闘狂、もといサマ臣君。

珍しい2人組だ。そして関わりたくない2人組でもある。

ふと、周りを見てみればにぎあっていた廊下は僕達以外誰もいなかった。瀧ちゃん、宮野君と文ちゃんは少し離れたとこでこちらの様子を見ていて、兎君はいつの間にかサマ臣君から隠れるように僕の背後に回っていた。


「燈弥だと?......おい、いつの間に戦闘狂と仲良くなったんだよ」


ケーキ君からジト目を向けれられ、咄嗟に目を逸らす。しょうがないじゃないか。仲良くなりたくてなったんじゃない。不可抗力だ。っていうかいつの間にか名前呼びされてるよ僕.....


「はぁ、昇級試験のための親睦と言うなら俺は何も言えねぇ。燈弥、俺たちは俺たちで食う。先行くな」

「え」


僕を置いてくの!?


「おいクソ会計。今度燈弥に何かやってみろ、マジで殺す」

「ぉ~怖っ」

「ほら湊都、行くぞ」


萩野君をひと睨みしたケーキ君は僕の背後に隠れる兎君を引きずり宮野君達と先へ行ってしまった。

残されたのは僕と萩野君とサマ臣君.....ぇ、置いてかないでよケーキ君!!!僕もそっちがいい!


「オレ達も食堂行こうぜ」

「賛成~お腹減った」

「君は兎君を追いかけなくていいんですか?」


せめて1人減らそうと、サマ臣君に餌をチラつかせる。


「あ?燈弥が居るだろ」


よく分からんが、餌は不発に終わった。
はぁ.....諦めるか。


「ねぇねぇー、雅っちとイッチーってどういう関係?仲良さそうに見えるけど」

「仲良さそう?......萩野君は眼科に行った方がいいですね」

「見えるじゃなくて、仲がいいんだよ」


うっそ、僕達って仲良いの??
思わずサマ臣君を凝視した。


「なんたって濃密な時間を過ごした仲だからなァ?」

「マジで!?そういう関係!?!?」

「どういう関係ですかそれ。言いますけどただゲームをした仲です」

「.....なーんだ。よかった~。てっきり情熱的なセックスを――ゴホン!ただならぬ関係だと思った」


それ言い直した意味ないよ.....。
はっきりセックス言ってるじゃん。


「なんでお前はそっち方面に考えるんだよ。それにセックスに情熱的もクソもねぇ。あれはただの発散行為だ」

「へぇ、意外ですね。僕と一緒で君も淡白派ですか」


てっきり獣のように貪るタイプだと思ってた。その言い方だと必要最低限しかしてなさそうだね。
彼への好感度がちょっと上がった。


「あーヤダヤダ。俺の周りは淡白な野郎ばっか~」

「話変わりますけど、サマ臣君と萩野君の関係は何ですか?まさかセックスフレンド?」

「お''っまえ!なんておぞましい想像を!!」

「ぶはー!イッチーって雅っちのことサマ臣なんて呼んでるのww」



萩野君はあんま動揺しないな......。
呼び方にツッコムなんて。うーん、やりにくい。


「こいつとは腐れ縁だ」

「へぇー」

「聞いといて興味なしかよ」

「イッチー、雅っちをサマ臣って呼ぶのやめた方がいいよ~。.........紛らわしいから」

「.....?」

「さ、ちゃっちゃと食堂行こ~!」


面白そうに笑いながら僕達の前を歩く彼に首を傾げる。紛らわしい?


「どういうことですか?サマ臣君」

「かっかっか!あいつの言うことは気にするな」





......変な人達だ。









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