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第五章 面倒事はいつも突然やってくる
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しおりを挟む風紀の業務終了後の数学準備室にて。
僕は約束通りモッチー先生とゲームをしていた。
「モッチー先生のざぁこ、ざぁこ♡」
「ぐぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
あっはっはっはっはっはっはwww
めっちゃくちゃ面白いw
昼食で嫌なことあったけど先生のおかげで元気いっぱいになれた。ゲームっていいね!特に『俺、上手いから手加減してやる』って言う偉そうな人をボコボコにするのは凄い良いっ!!
先生とゲームやるのは僕にとってマイナスだと思っていたけど、考えが変わった。
ゲームをし始めてからかれこれ2時間経つ。今では僕が先生をザコ呼びしているが、
初めはこんな感じだった。
↓
「お前は初心者だからな。まずは操作方法を――」
「大丈夫です。早速狩りに行きましょう。どのモンスターですか?」
「ふっふっふ。俺たちがやるのは競争だ。よーいドンでどちらが先にお題のモンスターを狩るのか競う」
「......それはこのゲームの本来の遊び方ではないですよね」
「お前に現実の厳しさを叩き込んでやろうと思ってな」
「何が現実ですか......ま、いいですよ。やりましょう。オンラインフィールドに一緒に入って一斉にGoということでいいですか?」
「OK!.......よし。じゃあ、よーいドン!」
1戦目
「.......はっ!?」
「遅かったですね。手加減しすぎでは?」
「そ、そそうだな。手加減し過ぎたわ、はははは。もう1回だ」
2戦目
「.....」
「......モッチー先生」
「もう1回だ。また手加減し過ぎたんだこれは」
3戦目
「じゃあ今度は弓を使わせてもらいますね」
「俺はこのままでいく」
「.....」
「.....」
「.....僕の勝ちですね」
「もう1回だ。今度は違うモンスターを設定するぞ」
8戦目くらい
「おかしいだろ!?何千時間俺がやりこんだゲームだと思ってる!?なんで俺が負けるんだよ!」
「何言ってるんですか。モッチー先生は僕に手加減なさってくれたんでしょう?そんな悔しがる演技までしてくださってありがとうございます」
「~っ、ぉう。お、お前が楽しそうでなによりだぜ。.....もう1回やろう」
「もちろんです」
そして最初のざぁこ♡発言に戻る。
どうしよう、眉をぴくぴくさせ顔を引き攣らせるモッチー先生に笑いが止まらない。
「お前強すぎねぇか!?このゲーム初心者なんて嘘だろ!」
「嘘じゃないですよ。先生がザコ.....失礼、弱いだけです」
「~~~!!!」
「どうします?本来の遊び方に戻します?」
このゲームの本質は協力型狩りゲームだ。こんな単独で競い合うゲームではない。
「まだだ!俺が勝つまで....」
「何言ってるんですか?かれこれ2時間以上経ってますし、僕お腹すいてるんですよ」
あと、あまり遅いと部屋に侵入してきた委員長に怒られる。「今まで何やってたんだ。どうしてこんな遅い時間に帰ってきたんだ」って詰め寄られることになる。
委員長に僕は言いたい。
「貴方は僕の何なの?」と。僕の親か何かなの?友人の域を超えている干渉な気がするのは僕の気のせいかな?
「はぁ、これで最後にしましょう」
「絶対に勝つ!!」
今回使うのは双剣。僕が慣れ親しむ武器。
.....実はこの勝負には大きな穴があるのだ。その穴のおかげで僕は先生に勝っていると言っても過言ではない。
このゲームは協力型狩りゲーム。そして僕達が居るのはオンライン型フィールド......つまり救援信号を出せば他のプレイヤーが入ってくる。
どうせ先生は真面目に乱入禁止とか設定して一人で狩っているのだろう。僕はそんなことしない。乱入大歓迎さ。
別に弱い人が乱入してきても僕なら大丈夫。モンスターの攻撃対象が増えるだけで立ち回りがしやすくなる。
現にほら......
「......狩り終えました」
「はぁ!?!?」
「勝負は僕の全勝ということで今回はお開きにしましょう」
「ぁ、あと1回!!最後にっ」
「先生に付き合ってたら朝になってそうなので嫌です。ではさようならザコ先生」
最後に煽りを添える。
「っ、覚えとけお前ぇぇぇぇ!!」
はぁー、負け犬の遠吠えほど見苦しいものはないね!
というか、ゲームの時だけ性格変わってない?いつもの適当さどこいった。
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