122 / 382
第五章 面倒事はいつも突然やってくる
11
しおりを挟む風紀の業務終了後の数学準備室にて。
僕は約束通りモッチー先生とゲームをしていた。
「モッチー先生のざぁこ、ざぁこ♡」
「ぐぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
あっはっはっはっはっはっはwww
めっちゃくちゃ面白いw
昼食で嫌なことあったけど先生のおかげで元気いっぱいになれた。ゲームっていいね!特に『俺、上手いから手加減してやる』って言う偉そうな人をボコボコにするのは凄い良いっ!!
先生とゲームやるのは僕にとってマイナスだと思っていたけど、考えが変わった。
ゲームをし始めてからかれこれ2時間経つ。今では僕が先生をザコ呼びしているが、
初めはこんな感じだった。
↓
「お前は初心者だからな。まずは操作方法を――」
「大丈夫です。早速狩りに行きましょう。どのモンスターですか?」
「ふっふっふ。俺たちがやるのは競争だ。よーいドンでどちらが先にお題のモンスターを狩るのか競う」
「......それはこのゲームの本来の遊び方ではないですよね」
「お前に現実の厳しさを叩き込んでやろうと思ってな」
「何が現実ですか......ま、いいですよ。やりましょう。オンラインフィールドに一緒に入って一斉にGoということでいいですか?」
「OK!.......よし。じゃあ、よーいドン!」
1戦目
「.......はっ!?」
「遅かったですね。手加減しすぎでは?」
「そ、そそうだな。手加減し過ぎたわ、はははは。もう1回だ」
2戦目
「.....」
「......モッチー先生」
「もう1回だ。また手加減し過ぎたんだこれは」
3戦目
「じゃあ今度は弓を使わせてもらいますね」
「俺はこのままでいく」
「.....」
「.....」
「.....僕の勝ちですね」
「もう1回だ。今度は違うモンスターを設定するぞ」
8戦目くらい
「おかしいだろ!?何千時間俺がやりこんだゲームだと思ってる!?なんで俺が負けるんだよ!」
「何言ってるんですか。モッチー先生は僕に手加減なさってくれたんでしょう?そんな悔しがる演技までしてくださってありがとうございます」
「~っ、ぉう。お、お前が楽しそうでなによりだぜ。.....もう1回やろう」
「もちろんです」
そして最初のざぁこ♡発言に戻る。
どうしよう、眉をぴくぴくさせ顔を引き攣らせるモッチー先生に笑いが止まらない。
「お前強すぎねぇか!?このゲーム初心者なんて嘘だろ!」
「嘘じゃないですよ。先生がザコ.....失礼、弱いだけです」
「~~~!!!」
「どうします?本来の遊び方に戻します?」
このゲームの本質は協力型狩りゲームだ。こんな単独で競い合うゲームではない。
「まだだ!俺が勝つまで....」
「何言ってるんですか?かれこれ2時間以上経ってますし、僕お腹すいてるんですよ」
あと、あまり遅いと部屋に侵入してきた委員長に怒られる。「今まで何やってたんだ。どうしてこんな遅い時間に帰ってきたんだ」って詰め寄られることになる。
委員長に僕は言いたい。
「貴方は僕の何なの?」と。僕の親か何かなの?友人の域を超えている干渉な気がするのは僕の気のせいかな?
「はぁ、これで最後にしましょう」
「絶対に勝つ!!」
今回使うのは双剣。僕が慣れ親しむ武器。
.....実はこの勝負には大きな穴があるのだ。その穴のおかげで僕は先生に勝っていると言っても過言ではない。
このゲームは協力型狩りゲーム。そして僕達が居るのはオンライン型フィールド......つまり救援信号を出せば他のプレイヤーが入ってくる。
どうせ先生は真面目に乱入禁止とか設定して一人で狩っているのだろう。僕はそんなことしない。乱入大歓迎さ。
別に弱い人が乱入してきても僕なら大丈夫。モンスターの攻撃対象が増えるだけで立ち回りがしやすくなる。
現にほら......
「......狩り終えました」
「はぁ!?!?」
「勝負は僕の全勝ということで今回はお開きにしましょう」
「ぁ、あと1回!!最後にっ」
「先生に付き合ってたら朝になってそうなので嫌です。ではさようならザコ先生」
最後に煽りを添える。
「っ、覚えとけお前ぇぇぇぇ!!」
はぁー、負け犬の遠吠えほど見苦しいものはないね!
というか、ゲームの時だけ性格変わってない?いつもの適当さどこいった。
43
お気に入りに追加
428
あなたにおすすめの小説

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

嫌われ者の僕
みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。
※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる