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第一章 始まり
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ユラユラと揺れている。
いや、グラグラかな......。
そしてなんだか気持ち悪い。頭も痛く感じる。
コンコンコンってノックされてるみたいに小刻みに振動が来てる。
あぁ、頭が痛い。
「ぅあ??」
目を開けるとやっぱり自分の家じゃない。
「起きたか?オラ、水飲め」
みず、みず.....水?
そういえば喉がカラカラだ。
大きな手に支えられ身体を起こされ、目の前にキャップを開けたペットボトルが差し出される。
しかしそれを両手で受け取るも、ペットボトルが異様に重く感じ中身をパシャリと下半身にぶちまけた。
....冷たい。だけど気持ちいいなぁ。
「何やってんだよ....俺が飲ましてやる」
呆れたような低い声が聞こえたと思ったら、僕の口元に飲み口が現れる。早く水を飲みたくて口をくっつけると勢い良く水が流れ込んできて「ごぱっ!?」と吐き出し咳き込む。
(こ、この人下手くそだ!!)
痛む頭でゴホッ、ゴホッと咳き込みながらそう思った。
あれ??......この人?
この人って誰だっけ.....
自分の思った事に疑問を感じた。でも痛む頭のせいで深く考えられなくて、またぼんやりと意識にモヤがかかる。
「チッ、仕方ねぇな」
その時、僕の唇に何かが触れた。びっくりして後ろに倒れるがそのまま抱きしめられるように抑えられる。そして口から何かが流れ込んできた。
「んぅ」
あ、水だ。水、水、水、水!!
コクコクと喉に通すが、まだ足りなくてチュゥッとソレに吸い付く。すると何故か身体が締め付けられたように苦しくなった。
「みず.....み、ず.....もっと、水.....」
でも、もっと水が欲しくて口が離れた隙にそう言葉にする。
「ん.....」
また水がくる。あぁ、もっともっともっと欲しい。だけど僕の舌に熱い感触が絡みつく。
熱い、熱い
これじゃない。僕が欲しいのはコレじゃない。
「ちがっ....んん''~っ、み、ず.....はむ」
嫌々と顔を背けるようにしても力強く顎を掴まれ向きを無理矢理戻される。
熱い。暑い。熱い。
頭がクラクラする。
耳にクチュクチュと音が届く。気持ちいいけど熱いけど違う。
苦しくて涙が溢れてきた。
「テメェは本当にっ....!!俺を煽んのがうめぇなァ!!!」
「ひぃっ、あぁ''ぁ''っ......!?」
興奮したような声に、内蔵を押し潰されるような感覚。僕は気持ち悪さと気持ち良さを同時に感じて更に頭が混乱した。
「うぁ、んっ''.....!あ''っ、あぁあ!っふ、ぅや!」
「なんでお前はそんな風に俺を苦しめんだよっ!」
「やめっ、あたまが.....!やぁあ!」
揺さぶられて頭がユラユラ
視界がグラグラ
痛いのに痛いのに
なんで気持ちいいの?
なんで気持ち悪いの?
......多分、僕の限界はもうとっくに超えていたんだ。
だからパンと弾けた。だからゴポリと溢れた。
張り詰めた風船が破裂したみたいに、表面張力で踏ん張っていた水が溢れたように。
全てがおかしくなった。
「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!もういやだっ!あだま''いだいっ、きもぢわる''いぃぃっ!もう、もう、やめて.....やだよぉっ、うぅ、もう''つらいよぉ......お父さんお母さん.....お義父さんお義母さんっ!.....チビ.....ひっく、ひっく.....うぇぇぇぇっ」
なんだか悲しい。なんだかとても辛い。
違うのに違うのにっ、僕は泣きたいんじゃない。
こんな事したって目の前の人に通用しないのは知ってるのにっ。意味の無い事なのにっ。
なのに.....涙が溢れてくる.....。
感情がコントロールできない。これは僕じゃないの。僕じゃないの。僕はこんなこと言わないんだ。
なんで?なんでぇ?
「う''ぅ~っ、わかんにゃいわかんにゃいよぉ.....ぼくじゃないの。コレはぼくじゃにゃいの。やだやだやだっ、ひっく、うぇ......うぁぁぁぁあぁっ!」
悲しい悲しい悲しい悲しい悲しい悲しい。
辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い。
ガンガンガンガン頭が叩かれる。
グルングルングルン視界が回る。
ぎもぢわるい''
「おねがい.....ぼくをこわさないで」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
こわなさいでと言った弥斗は明らかに弱っていた。
ハァハァと辛そうに息をして、身体は異様なほど熱を持っている。そのシュウを見る瞳はぼんやりとしており、自分の目の前にいるのがシュウだと認識しているのかさえ怪しいものだった。
ポタッ....ポタッ....ポタッ.....
そんな弱った弥斗の顔に赤が落ちる。
弥斗は自分に何が降ってきたのか考える気力すらなく、ただえぐえぐと泣いていた。そしてその赤に気づいたシュウは弥斗の足を掴んでいた手を顔に.....いや、鼻に恐る恐る持っていく。
そしてシュウの手にヌメリと赤がついた。
自分の手を見やったシュウは呆然とそれを眺め、次に赤に汚されながらもポロポロと涙を流し続ける弥斗に目を向けた。
その瞬間、シュウの全身の血が逆巻くように騒ぐ。ゾクゾクと背筋に痺れが走ったように、グワッと頭が沸騰したように....身体中がとにかく沸き立った。
「ぁ....か、わいい」
シュウの口からするりと吐かれた言葉。それを皮切りに彼の無意識に秘めていた激情が爆発した。
「っ、可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いかわいい!!」
弥斗の腰を掴み激しく抽挿する。それはまさに容赦ない暴力だった。ミシミシと骨が軋むほど指を食い込ませ腰を持ち上げているためか、弥斗は背中の部分が浮いているように見える。弥斗がたまたま枕を掴んでいたため、頭は浮かずにすんでいた。
足はもはや振動にブラブラと揺れる飾りと化している。
「もうお前をここから出さねぇ!孕むまで犯し続けてやるっ、弥斗、弥斗......!」
「かはっ、ぁが....ん''ぁは、い''だ、いっ!やらっ、い''ぐ、い....くっ、~~!!」
苦痛の表情の中に混じる快楽。それは弥斗を更に美しく魅せ、シュウの激情に火をつける。
「た、たすげてぇっ....!」
「お前が求めるのは俺だけだっ!!」
しかし運は弥斗の味方をした。
「何やってんだよっ!!愁!!」
シュウと弥斗しか居ないこの空間に響いた新しい声。その声を最後に弥斗の意識はプッツリと切れた。
いや、グラグラかな......。
そしてなんだか気持ち悪い。頭も痛く感じる。
コンコンコンってノックされてるみたいに小刻みに振動が来てる。
あぁ、頭が痛い。
「ぅあ??」
目を開けるとやっぱり自分の家じゃない。
「起きたか?オラ、水飲め」
みず、みず.....水?
そういえば喉がカラカラだ。
大きな手に支えられ身体を起こされ、目の前にキャップを開けたペットボトルが差し出される。
しかしそれを両手で受け取るも、ペットボトルが異様に重く感じ中身をパシャリと下半身にぶちまけた。
....冷たい。だけど気持ちいいなぁ。
「何やってんだよ....俺が飲ましてやる」
呆れたような低い声が聞こえたと思ったら、僕の口元に飲み口が現れる。早く水を飲みたくて口をくっつけると勢い良く水が流れ込んできて「ごぱっ!?」と吐き出し咳き込む。
(こ、この人下手くそだ!!)
痛む頭でゴホッ、ゴホッと咳き込みながらそう思った。
あれ??......この人?
この人って誰だっけ.....
自分の思った事に疑問を感じた。でも痛む頭のせいで深く考えられなくて、またぼんやりと意識にモヤがかかる。
「チッ、仕方ねぇな」
その時、僕の唇に何かが触れた。びっくりして後ろに倒れるがそのまま抱きしめられるように抑えられる。そして口から何かが流れ込んできた。
「んぅ」
あ、水だ。水、水、水、水!!
コクコクと喉に通すが、まだ足りなくてチュゥッとソレに吸い付く。すると何故か身体が締め付けられたように苦しくなった。
「みず.....み、ず.....もっと、水.....」
でも、もっと水が欲しくて口が離れた隙にそう言葉にする。
「ん.....」
また水がくる。あぁ、もっともっともっと欲しい。だけど僕の舌に熱い感触が絡みつく。
熱い、熱い
これじゃない。僕が欲しいのはコレじゃない。
「ちがっ....んん''~っ、み、ず.....はむ」
嫌々と顔を背けるようにしても力強く顎を掴まれ向きを無理矢理戻される。
熱い。暑い。熱い。
頭がクラクラする。
耳にクチュクチュと音が届く。気持ちいいけど熱いけど違う。
苦しくて涙が溢れてきた。
「テメェは本当にっ....!!俺を煽んのがうめぇなァ!!!」
「ひぃっ、あぁ''ぁ''っ......!?」
興奮したような声に、内蔵を押し潰されるような感覚。僕は気持ち悪さと気持ち良さを同時に感じて更に頭が混乱した。
「うぁ、んっ''.....!あ''っ、あぁあ!っふ、ぅや!」
「なんでお前はそんな風に俺を苦しめんだよっ!」
「やめっ、あたまが.....!やぁあ!」
揺さぶられて頭がユラユラ
視界がグラグラ
痛いのに痛いのに
なんで気持ちいいの?
なんで気持ち悪いの?
......多分、僕の限界はもうとっくに超えていたんだ。
だからパンと弾けた。だからゴポリと溢れた。
張り詰めた風船が破裂したみたいに、表面張力で踏ん張っていた水が溢れたように。
全てがおかしくなった。
「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!もういやだっ!あだま''いだいっ、きもぢわる''いぃぃっ!もう、もう、やめて.....やだよぉっ、うぅ、もう''つらいよぉ......お父さんお母さん.....お義父さんお義母さんっ!.....チビ.....ひっく、ひっく.....うぇぇぇぇっ」
なんだか悲しい。なんだかとても辛い。
違うのに違うのにっ、僕は泣きたいんじゃない。
こんな事したって目の前の人に通用しないのは知ってるのにっ。意味の無い事なのにっ。
なのに.....涙が溢れてくる.....。
感情がコントロールできない。これは僕じゃないの。僕じゃないの。僕はこんなこと言わないんだ。
なんで?なんでぇ?
「う''ぅ~っ、わかんにゃいわかんにゃいよぉ.....ぼくじゃないの。コレはぼくじゃにゃいの。やだやだやだっ、ひっく、うぇ......うぁぁぁぁあぁっ!」
悲しい悲しい悲しい悲しい悲しい悲しい。
辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い。
ガンガンガンガン頭が叩かれる。
グルングルングルン視界が回る。
ぎもぢわるい''
「おねがい.....ぼくをこわさないで」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
こわなさいでと言った弥斗は明らかに弱っていた。
ハァハァと辛そうに息をして、身体は異様なほど熱を持っている。そのシュウを見る瞳はぼんやりとしており、自分の目の前にいるのがシュウだと認識しているのかさえ怪しいものだった。
ポタッ....ポタッ....ポタッ.....
そんな弱った弥斗の顔に赤が落ちる。
弥斗は自分に何が降ってきたのか考える気力すらなく、ただえぐえぐと泣いていた。そしてその赤に気づいたシュウは弥斗の足を掴んでいた手を顔に.....いや、鼻に恐る恐る持っていく。
そしてシュウの手にヌメリと赤がついた。
自分の手を見やったシュウは呆然とそれを眺め、次に赤に汚されながらもポロポロと涙を流し続ける弥斗に目を向けた。
その瞬間、シュウの全身の血が逆巻くように騒ぐ。ゾクゾクと背筋に痺れが走ったように、グワッと頭が沸騰したように....身体中がとにかく沸き立った。
「ぁ....か、わいい」
シュウの口からするりと吐かれた言葉。それを皮切りに彼の無意識に秘めていた激情が爆発した。
「っ、可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いかわいい!!」
弥斗の腰を掴み激しく抽挿する。それはまさに容赦ない暴力だった。ミシミシと骨が軋むほど指を食い込ませ腰を持ち上げているためか、弥斗は背中の部分が浮いているように見える。弥斗がたまたま枕を掴んでいたため、頭は浮かずにすんでいた。
足はもはや振動にブラブラと揺れる飾りと化している。
「もうお前をここから出さねぇ!孕むまで犯し続けてやるっ、弥斗、弥斗......!」
「かはっ、ぁが....ん''ぁは、い''だ、いっ!やらっ、い''ぐ、い....くっ、~~!!」
苦痛の表情の中に混じる快楽。それは弥斗を更に美しく魅せ、シュウの激情に火をつける。
「た、たすげてぇっ....!」
「お前が求めるのは俺だけだっ!!」
しかし運は弥斗の味方をした。
「何やってんだよっ!!愁!!」
シュウと弥斗しか居ないこの空間に響いた新しい声。その声を最後に弥斗の意識はプッツリと切れた。
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