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お兄ちゃんはとうとう、二人への気持ちに気付いてしまいました。
37 お兄ちゃんは耳年魔 ~古典的な技には仕返しが待ってました~
しおりを挟む「…………」
「悪かった。まあ、なんだ。この通りだ。ちょっと不躾が過ぎた。ツッコミも忘れてくれ。涙目でハムスターみたいにならないでくれ」
「……手」
「はい?」
「手、貸してって言ってんの!」
何だ?
あ、手を握るなや。
カップルみたいじゃないか。
「は、話が終わるまでこのままね」
「えー!」
ニギニギすんなってば!
「ヤだって言ったら、『無理やり中出しするから、赤ちゃんがっ……』って泣いてやるから!」
「おい幸田!」
「できないと思う?み!なさ……もがあ!」
「わかった!わかったからやめてくれ!」
「やたー☆」
口押さえてなかったら叫んでたぞコイツ!
ああ、もう帰ればよかった……。
だが。
僕は、どうしても聞いてみたい事がある。
女子の立場からの話を聞いてみたいんだ。
その為なら手を握られるのも、どうという事はない。この悩みを解決する方が大事な事だ。
それに、女子に手を握られても意外と平気な僕がいる。ほのかと葛の手なら、あんなに温かくて嬉しいのに。あんなにドキドキしたり安心できるのに。
ははは……。
胸が痛いわ。
●
「ふーん……ずっと妹だと思っていた、年が三つほど離れた近所の幼なじみ姉妹が実は恋人になってほしいくらい好きだったとわかった友達がいる、と」
「そうだ」
よし、うまく説明できたようだ。
流石に僕の事とは言いづらいので、友達の話としたが。
幸田は神妙な顔をして僕の言葉を反芻してくれている。
何か他に伝える要素はあったかな。
「二人を同じくらい好きなその友達はどちらかを選べないから諦めようとしているが今までのように家族みたいな関係でいたいから、どうしたらいいか悩んでいる、と」
「そのとおりだ。そいつは随分と悩んでいてな。女子の側から見たアドバイスをしてやってくれないか」
ガッ!!!
ひう?!
痛い痛い!
アイアンクロー?!
額に青筋を立てたまま笑っている?!
ラノベの世界ではテンプレといわれる、あの……いたたた?!ギブ!幸田ギブ!
「友達ってくっつけりゃ誤魔化せるとでも思ったら大間違いだこの野郎!土曜日のあいつらの話なんだろ?キリキリ吐けやボケえ!!この鈍感ニブちん見掛け倒し野郎が!あーつまんない!」
何ガン切れしてるんだコイツ!
それに、何故だ!
何故バレたぁ!
幸田!
お前は異世界帰りなんだな?!
ズルいぞ!
僕だって行きたいのに!
あああ!とりあえず頭メキメキいってるから!
やめてえええええ!
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