アンダーグラウンドゲーム

幽零

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二章「シーカーゲーム」

絶対的。

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『ラビリンスゲーム』は、ただの迷宮ではない。「狂人」と呼ばれる、いわゆるギミックが存在しているのだ。そのほかにも平面的な位置情報を入手できる、通称『地図』と呼ばれる端末。これらの要素を含め、この迷宮の一番の障害は「人間」だ。

その「人間」を外すとしたら、一番の脅威は『鬼』だろう。

正確な名称は不明だが、『鬼』のようなお面をそろって付けているので、ここにいる人はそう呼んでいた。

普通の人の2、3倍の体格を持ち、その巨体で押し潰すように攻撃してくる強力な存在。稀に道具を振り回す存在もいるらしい。


紅谷を探していた蒼桐真刀と緑川実はその強力な存在『鬼』三体に出会って




……そう、ではなく、

事実、彼らのそばに三体もの『鬼』がいる。


……胴体が真っ二つにされた状態で足元に転がっているものを数に入れるとしたら……だが。


「はぁ、困ったものだね。僕も現役じゃないというのにさ」

にこやかに笑う好青年は、ビュッと刀の血を振り落とし、納刀する。

「まぁ、でも現に倒せているからいいじゃないっスかぁ~」

身長150センチ未満で20歳の合法ロリ、緑川実ミドリカワミノリは『高速同時物理演算能力』による、短期間の未来予知ができる。そのため彼女の脳への負担は半端なく、いつも眠そうにしている。

彼らもまた、紅谷刃を探していた。黄島たちと違いこちらは二人組、だがその実力はあの三人より上だろう。

緑川の能力でほぼ奇襲が効かず、その上単体で『鬼』三体を討伐できる戦力の蒼桐がいる。蒼桐以上の実力者でも現れない限り、彼らに危険はないだろう。


「さて、先を急ごうか」

「ういっス~……あ、蒼桐さん~、ウチどうやらアレがきたみたいっス~」

緑川はまぶたを擦り始める、脳の負担が限界に近くなっているらしい、機械で例えるなら緑川はスリープモードに移行中だ。

「あぁ、わかった。僕の背中に乗るといい」

蒼桐は緑川をおぶって、迷宮を進む。


絶対的な実力者とは、案外穏やかな人物なのかもしれない。



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