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強盗ドリフターを街から追い出し、街に平穏が訪れたのはいいが、その影響で何やらこの街の英雄扱いをされるようになってしまった……悪い気はしないのだが、目立つのは少し嫌だ。著名になったとしても、あのリーダー格の男のようなやつに絡まれたら面倒だからだ。
街の人達をかいくぐり、ようやく女性の家にたどり着いた。先日話を聞いたご老人も一緒に居た。
「いやー、兄さんありがとね。こんなジジィの話を聞いてくれるだけでなく、この街に害をなすドリフターも追い返してくれて、それに奪われた財産まで取り返してくれるなんてね?もうすっかり兄さんはこの街の英雄だね?」
「いえ、奴らが奪った物はこの街の酒場に置いてありましたし。僕はただ持ってきただけですよ」
奴らは、自分らが強奪したものをしまえる場所がなかったのか、普通にあの酒場に置いてあった。もう少し隠すなりすればいいのに…
そんな事を考えていると、あの女性が来た。
「あぁ!ありがとうございます!本当に何とお礼を言ったらいいか…」
「いえ別に、そんなに大した事はしてませんので」
「いえいえ、本当にありがとうございました!これはお礼です、受け取ってください」
女性は先程僕が取り返して来たお金をそのまま僕に渡そうとした。
このまま受け取っても、この人たちの生活が苦しくなるだけだろう…
「いや、お金は良いので何か保存食はありませんか?僕らはこれから街を出るので」
すると老人と女性は驚いた顔をした。まぁそうだろうなこんな時代だ。お金を稼ぐだけでも命がけ、そんな時代なのにお金はいらないと言えばそれは驚くだろう。
「良いんですか?旅にもお金は入り用なのでは?」
「良いんですよ、それが必要なのは僕達よりあなたがたです」
「本当にいい兄さんだァね。うん、保存食ぐらいならいくらでも持っていくといいよ」
「ありがとうございます」
そうして、僕はまたお金を貰うことなく食料を貰ってネイムの待っている宿に向かった。
「お待たせ、ネイム。お礼はお金じゃなくて食料だったよ」
「ノゼ様、ポーチの中の袋はどうしたんですか?」
………え。
「そして、女性の方はちゃんとお金を渡そうとしてましたよね?」
「……見てたの?やだなーそれなら声をかけてくれればいいのに……あはは…」
嫌な汗が止まらない。僕は貼り付けたような笑顔を保っている。
「ノゼ様の追い出した輩にも情をかけるその性格は大好きです。ただその回数が少し多いのでは?」
「はい……」
「まぁともあれ、今回は例外です」
「はい……え?」
てっきりまた怒られると思ったのだが、ネイムの表情はコロりと変わって、嬉しそうな表情になった。
「何やら街中が騒がしくなったので、様子を見に行ったんです。そしたらノゼ様と相手の男が戦っているのが見えまして」
「あーうん、まぁ弱かったけど」
「その途中、賭け事を始めた方々がいまして」
そういえば、相手の攻撃を避けながらだったからよく聞こえなかったけど、そんなような事をしていたのは何となく分かっていた。
「あぁ、そう言えばそんな事をしている人達がいたね」
「あの最中に周りが見えていたのですか? 流石ノゼ様です」
「まぁ、相手のパンチを避けてただけだし」
「はい、流石ノゼ様です。普通そんな事出来ません。あの男、普通に強い部類に入る人間でした」
そうだったんだ…まぁ興味なかったけど。
「話がそれてしまいましたね。それで私はその賭け事に参加しまして、大勝ちしました」
「やっぱり君もいたのか…」
僕は苦笑いを浮かべた。この子が賭け事に手を出した事は別段なんにも思わない。僕の記憶がある頃の時代なら大問題だろうけど。
「で、いくらかけたの?」
「持っていたお金を全て賭けました」
「へぇー…………は?!?」
待て待て待て、聞き間違いか?全部!?
「え、待ってなんて言ったの今?」
「ですから、有り金を全部賭けたんです」
この子は判断力や決断力が凄いとはいえ、よくもまぁ…
「それ僕が負けてたら、僕ら一文無しになってたじゃないか。僕がわざと負けるかもしれなかったし、その可能性は考えなかったのかい?」
僕は自分が負けて相手の気が済むなら、当然そうしていた。ネイムとは一緒にいる時間が長いし、僕がそういう事をする可能性がある事も知っていたと思うのだけど…
「その時は、ノゼ様の臓器を売りに出します。この時世、どこにでも頭のおかしい研究者はいるでしょうから」
冗談か本気か分からない目で言ってるのが凄い怖いんだけど……
「僕は殺されても生き返っちゃうよ。知ってるでしょ」
「そうでしたね、残念です」
自分の体に何らかの『実験』をされて、僕が人間をやめてる事までは分かっている。その『実験』が、僕にどんな能力を与えたのかもつい最近だが、分かった。
懐から、タグのような物を出す。僕が目覚めた時、首からかけていたものだ。
「『No. Z』か…」
楕円形の貴金属にチェーンを通したそれにはそう刻まれている。
「そのタグを持っている人に会えれば、ノゼ様の記憶も戻るのでしょうか?」
「さぁ?その人達が生きてるかも分からないしね」
僕はそう言うと、タグをしまった。
割と長い間この街にいたが、僕らは探し物を見つけなくてはならない。街を出る用意はあれから終わっていると思っていたのだが、ネイムは賭け事をしていたので、予想していたより終わっていなかった。なので荷造りを再開する。
荷物をまとめている時、ネイムが珍しく不安そうな顔で話しかけて来た。
「ノゼ様…」
「ん?どうしたの?ネイム?」
「ノゼ様の記憶が戻って本当のお名前が分かっても、ノゼ様と呼んで良いですよね…?」
「ハハッ、なんだそんな事か」
僕が笑ったのが気に食わなかったのかネイムはムスーッと頬を膨らませた。
「大丈夫だよネイム、僕は君がつけてくれたこの『ノゼ』って名前が気に入っている。それに僕は僕の過去に執着も未練もない。だから大丈夫だよ」
そう言うとネイムの顔がパァッと明るくなり、上機嫌に荷造りを再開した。
この名前は、僕がネイムと出会った時、僕も記憶喪失でなんて名乗ればいいかわからなかった時にネイムが名付けてくれたものだ。
『ノゼ?』
『そうです、あなた様のお名前。どうでしょうか?』
『うーん、そうかノゼかぁ。うん、そうだねそう名乗ることにするよ。でもなんで「ノゼ」なの?』
『あなた様が首から下げているそれに、【No. Z】って刻まれているので、そのまま名前にしてみてはどうかと思いまして』
『なるほどね、うん、良い名前だ!』
『ノゼ様、わたしにも名前をつけてくださいませんか?』
『え、僕そういうのセンスないんだけど…』
『それでも良いですから。私を目覚めさせてくれた恩人に、名前を貰いたいんです』
『うーんでもなぁ、名前、名前ねぇ…』
(名前…名前……ん?なら「名前」って言う名前にしたらどうだろう?)
『じゃあネイムって名前ならどうかな?』
『ネイム?ですか?』
『うん、どうかな?』
『ネイム、良い名前だと思います』
『なら良かった!』
うーん、未だネイムには君の名前は名前って意味だよ、とは言えていない。というか反応が怖くて言えない。
そんな懐かしい事を思い出していたら、宿の扉からノックの音が聞こえた。うーん、なんかデジャブ。
扉を開けると、そこにはまたあの時の女性が立っていた。
「えーと…まだ何かようですか?僕らこれからこの街を出るんですけど…」
「えぇ、知ってます。なので最後のお願いがあって…」
「お願い?」
ものすごい嫌な予感しかしないんだけど…
「私も旅に連れて行ってくれませんか!」
……わぁ、大分予想より斜め上。
「えーと、僕らの旅は楽しいものではないと思うのだけど…それに命を落とすかもしれない。それでも旅に出たいの?」
「はい!」
「どうしてです?」
「それは…え~と……」
女性は顔を赤くして、モジモしながらノゼの方をチラッとみた。
「えーと、そうです!この世界の事をもっと知りたくて!どうかお願いします!」
「うーん、そこまで言われるとなぁ…」
背後ではその様子を見ていたネイムから殺気が放たれているのがわかる。今すごい顔してるんだろうな。
僕らがこの街を出るまで、また一悶着ありそう…
街の人達をかいくぐり、ようやく女性の家にたどり着いた。先日話を聞いたご老人も一緒に居た。
「いやー、兄さんありがとね。こんなジジィの話を聞いてくれるだけでなく、この街に害をなすドリフターも追い返してくれて、それに奪われた財産まで取り返してくれるなんてね?もうすっかり兄さんはこの街の英雄だね?」
「いえ、奴らが奪った物はこの街の酒場に置いてありましたし。僕はただ持ってきただけですよ」
奴らは、自分らが強奪したものをしまえる場所がなかったのか、普通にあの酒場に置いてあった。もう少し隠すなりすればいいのに…
そんな事を考えていると、あの女性が来た。
「あぁ!ありがとうございます!本当に何とお礼を言ったらいいか…」
「いえ別に、そんなに大した事はしてませんので」
「いえいえ、本当にありがとうございました!これはお礼です、受け取ってください」
女性は先程僕が取り返して来たお金をそのまま僕に渡そうとした。
このまま受け取っても、この人たちの生活が苦しくなるだけだろう…
「いや、お金は良いので何か保存食はありませんか?僕らはこれから街を出るので」
すると老人と女性は驚いた顔をした。まぁそうだろうなこんな時代だ。お金を稼ぐだけでも命がけ、そんな時代なのにお金はいらないと言えばそれは驚くだろう。
「良いんですか?旅にもお金は入り用なのでは?」
「良いんですよ、それが必要なのは僕達よりあなたがたです」
「本当にいい兄さんだァね。うん、保存食ぐらいならいくらでも持っていくといいよ」
「ありがとうございます」
そうして、僕はまたお金を貰うことなく食料を貰ってネイムの待っている宿に向かった。
「お待たせ、ネイム。お礼はお金じゃなくて食料だったよ」
「ノゼ様、ポーチの中の袋はどうしたんですか?」
………え。
「そして、女性の方はちゃんとお金を渡そうとしてましたよね?」
「……見てたの?やだなーそれなら声をかけてくれればいいのに……あはは…」
嫌な汗が止まらない。僕は貼り付けたような笑顔を保っている。
「ノゼ様の追い出した輩にも情をかけるその性格は大好きです。ただその回数が少し多いのでは?」
「はい……」
「まぁともあれ、今回は例外です」
「はい……え?」
てっきりまた怒られると思ったのだが、ネイムの表情はコロりと変わって、嬉しそうな表情になった。
「何やら街中が騒がしくなったので、様子を見に行ったんです。そしたらノゼ様と相手の男が戦っているのが見えまして」
「あーうん、まぁ弱かったけど」
「その途中、賭け事を始めた方々がいまして」
そういえば、相手の攻撃を避けながらだったからよく聞こえなかったけど、そんなような事をしていたのは何となく分かっていた。
「あぁ、そう言えばそんな事をしている人達がいたね」
「あの最中に周りが見えていたのですか? 流石ノゼ様です」
「まぁ、相手のパンチを避けてただけだし」
「はい、流石ノゼ様です。普通そんな事出来ません。あの男、普通に強い部類に入る人間でした」
そうだったんだ…まぁ興味なかったけど。
「話がそれてしまいましたね。それで私はその賭け事に参加しまして、大勝ちしました」
「やっぱり君もいたのか…」
僕は苦笑いを浮かべた。この子が賭け事に手を出した事は別段なんにも思わない。僕の記憶がある頃の時代なら大問題だろうけど。
「で、いくらかけたの?」
「持っていたお金を全て賭けました」
「へぇー…………は?!?」
待て待て待て、聞き間違いか?全部!?
「え、待ってなんて言ったの今?」
「ですから、有り金を全部賭けたんです」
この子は判断力や決断力が凄いとはいえ、よくもまぁ…
「それ僕が負けてたら、僕ら一文無しになってたじゃないか。僕がわざと負けるかもしれなかったし、その可能性は考えなかったのかい?」
僕は自分が負けて相手の気が済むなら、当然そうしていた。ネイムとは一緒にいる時間が長いし、僕がそういう事をする可能性がある事も知っていたと思うのだけど…
「その時は、ノゼ様の臓器を売りに出します。この時世、どこにでも頭のおかしい研究者はいるでしょうから」
冗談か本気か分からない目で言ってるのが凄い怖いんだけど……
「僕は殺されても生き返っちゃうよ。知ってるでしょ」
「そうでしたね、残念です」
自分の体に何らかの『実験』をされて、僕が人間をやめてる事までは分かっている。その『実験』が、僕にどんな能力を与えたのかもつい最近だが、分かった。
懐から、タグのような物を出す。僕が目覚めた時、首からかけていたものだ。
「『No. Z』か…」
楕円形の貴金属にチェーンを通したそれにはそう刻まれている。
「そのタグを持っている人に会えれば、ノゼ様の記憶も戻るのでしょうか?」
「さぁ?その人達が生きてるかも分からないしね」
僕はそう言うと、タグをしまった。
割と長い間この街にいたが、僕らは探し物を見つけなくてはならない。街を出る用意はあれから終わっていると思っていたのだが、ネイムは賭け事をしていたので、予想していたより終わっていなかった。なので荷造りを再開する。
荷物をまとめている時、ネイムが珍しく不安そうな顔で話しかけて来た。
「ノゼ様…」
「ん?どうしたの?ネイム?」
「ノゼ様の記憶が戻って本当のお名前が分かっても、ノゼ様と呼んで良いですよね…?」
「ハハッ、なんだそんな事か」
僕が笑ったのが気に食わなかったのかネイムはムスーッと頬を膨らませた。
「大丈夫だよネイム、僕は君がつけてくれたこの『ノゼ』って名前が気に入っている。それに僕は僕の過去に執着も未練もない。だから大丈夫だよ」
そう言うとネイムの顔がパァッと明るくなり、上機嫌に荷造りを再開した。
この名前は、僕がネイムと出会った時、僕も記憶喪失でなんて名乗ればいいかわからなかった時にネイムが名付けてくれたものだ。
『ノゼ?』
『そうです、あなた様のお名前。どうでしょうか?』
『うーん、そうかノゼかぁ。うん、そうだねそう名乗ることにするよ。でもなんで「ノゼ」なの?』
『あなた様が首から下げているそれに、【No. Z】って刻まれているので、そのまま名前にしてみてはどうかと思いまして』
『なるほどね、うん、良い名前だ!』
『ノゼ様、わたしにも名前をつけてくださいませんか?』
『え、僕そういうのセンスないんだけど…』
『それでも良いですから。私を目覚めさせてくれた恩人に、名前を貰いたいんです』
『うーんでもなぁ、名前、名前ねぇ…』
(名前…名前……ん?なら「名前」って言う名前にしたらどうだろう?)
『じゃあネイムって名前ならどうかな?』
『ネイム?ですか?』
『うん、どうかな?』
『ネイム、良い名前だと思います』
『なら良かった!』
うーん、未だネイムには君の名前は名前って意味だよ、とは言えていない。というか反応が怖くて言えない。
そんな懐かしい事を思い出していたら、宿の扉からノックの音が聞こえた。うーん、なんかデジャブ。
扉を開けると、そこにはまたあの時の女性が立っていた。
「えーと…まだ何かようですか?僕らこれからこの街を出るんですけど…」
「えぇ、知ってます。なので最後のお願いがあって…」
「お願い?」
ものすごい嫌な予感しかしないんだけど…
「私も旅に連れて行ってくれませんか!」
……わぁ、大分予想より斜め上。
「えーと、僕らの旅は楽しいものではないと思うのだけど…それに命を落とすかもしれない。それでも旅に出たいの?」
「はい!」
「どうしてです?」
「それは…え~と……」
女性は顔を赤くして、モジモしながらノゼの方をチラッとみた。
「えーと、そうです!この世界の事をもっと知りたくて!どうかお願いします!」
「うーん、そこまで言われるとなぁ…」
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