58 / 94
穢れし過去編
58話
しおりを挟む
四方形に広がる地下では、おおよそ人類同士とは思えない激突が広がっていた。
黒銀の剣槍を振るう逢闇は、あらゆるを砕きながら進み。
七剣八刀を使う悠斬は、悉くを武器にしながら応える。
悠斬の『七剣八刀』にかかれば、投げる石も振るう枝も全てが武器になる。逢闇はそれらを全て砕く。
悠斬は腰に巻きつけた刀を抜き、逢闇に仕掛けた。
(俺の異能力を最大出力まで引き上げるッッ!)
ありとあらゆる物体を武器にすることができる『七剣八刀』だが、その対象が元々武器ならば、その性能はさらに引き上げられる。
「……成程。決死の一撃という訳か…」
悠斬は、手頃な石を投げつける。逢闇がそれを剣槍で弾いたと同時に仕掛けた。
「……この隙に仕掛けるとは、賢明とは言えないな」
「どうだかなッ!!」
悠斬は、抜刀術の姿勢で居合いを放つ。悠斬の狙いは初撃の刀ではなく、押さえた鞘の方だった。悠斬は両手で同時に異能力を使い、そのどちらもに異能を付与していた。
予想通り、刀による居合いは逢闇によって簡単に弾かれた。
(読み通り、だが、俺の狙いはその隙だッ!!)
腰につけた鞘を、逆手持ちの状態で振りかざす。そして……
飛んだ
「………ッッ…」
「……残念だ。鳴神の天才よ」
ひゅんひゅんと音を立てて飛んでいた、悠斬の左腕が、地面に落ちる。
ブシッと、思い出したかのように、切断された左腕から血が吹き出す。
「……ッッッ!!!」
後から襲いかかってくる強烈な痛みに意識が飛びそうになるが、舌を噛んでなんとか繋ぎ止める。
(……有り得ねぇ反射速度……異能力か?そもそもこっちは異能力の出力を最大まであげてんだぞ!?あの剣槍どんだけ頑丈なんだ…ッ!!)
「……不思議そうな顔をしているな。苦痛に歪んではいるが。大方、この獲物の正体について察しあぐねていたのだろう」
逢闇は剣槍を肩に乗せ、語り始めた。
「『魔淵』とは、業だ。言葉に出来ぬ極悪非道など平然と行われる。そんな中だ……」
とある『魔淵』が考える。
さて殺し合いをさせて、強者を振るいにかけたが、掃いて捨てるほどあるこの死体遺体はどうしよう…と。
別の『魔淵』が思いつく。
ならば、人の身を最大限に利用しよう。武器に武具に、しからば幾らでもやりようはある。
そんな中産まれた突飛もない発想の1つ。人体を使って最も頑強な武器を造ってみよう。
人体を溶かし、重ね、鍛え、また溶かし、また重ね、また鍛える。
そうして産まれた、頑丈で頑強な武器。
「………ま、さか…」
「察したか鳴神。左様、これは『魔淵』であり、『魔淵』であろうとした者達の成れの果てだ」
『魔淵』の人間を使った、剣槍。
悍ましい程の狂気と、禁忌的な技術の結晶。
「……俺がこれを使っている理由は1つだ。別に大した理由ではない。本気を出しても壊れない武器。それがこれだった…と言う訳だ」
剣槍の矛先を鳴神に向け、逢闇は続ける。
「もう一振、刀があったようだが…それは別の『魔淵』の手に渡っている。まぁ、そんな話はどうでも良いが……」
「この外道がァァァァァッッッ!」
「……ッ!」
会話を遮るほどの勢いで猛進する悠斬。鞘も無く、刀も無い。残った右手で掴んでいたのは……
ここに来て、初めて逢闇に一撃らしい一撃が入る。
誰が思いつくだろうか?まさか、自分の腕を武器にして突っ込んで来るなどと。
逢闇は、密着した悠斬を剣槍の持ち手で殴打し引き剥がすと、胸元を掴んで何度も殴りつける。
悠斬は膝をつき、地べたを舐める。
「………ッッッ!!」
「……まさか自分の腕を武器にするとは…そんな事をすれば、二度と縫合は出来んぞ?」
「……構うか…クソッたれ…」
逢闇は突き刺さった悠斬の左腕を引き抜くと、剣槍を振り上げる。
「……今際の際だ。残す言葉は」
「尽く死ね」
「…………」
逢闇が振り上げた剣槍を悠斬に振り下ろそうとした直前、寸前でビタりとその矛先が止まる。
逢闇が振り返ると、そこには大勢の神守が隊列を組んで、こちらに飛び道具を構えていた。その一番奥に。
「なるほど、常陰とか言うやつに聞いた通りだ!貴様が父上の切り札か!?ならば殺す!!そして、そこに寝転がっている鳴神の野郎も殺す!!一ノ門に逆らった事を地獄で後悔すると良い!!」
逢闇は、悠斬から目を逸らし、一ノ門次男の方へと向き直る。
自分でも分かる。これは怒りだと。
そして察する。常陰が自分を切り捨てたのだと
「………邪魔をするなと言った筈だぞ…ッ!?常陰ェェェェェッッ!!!!」
鬼の様な怒号は空間そのものを揺らすような猛々しさがあった。
髑髏面の兜の奥は、煮え滾るほどの殺意が溢れていた。
「お、おい…大丈夫だよな?」
「相手はただの逆賊だぞ?」
「それにこの人数だ、勝てっこねぇよ」
「…………」
逢闇は悠斬の方を見ると、言葉を紡ぐ。
「……休戦だ、鳴神。俺以外に殺されるなよ」
悠斬は無い左腕の断面を抑えながら頷く。
「撃てーッ!」
一斉射撃、普通ならば即死だ。
『魔淵』の中でも人殺しの天才と呼ばれる男がいた。
前述した通り、『魔淵』は様々な血が混ざっている為、異能力も様々なものがあった。
そんな中、何がどうしてこうなったのか全く分からない異能力を持った男が産まれる。
『魔淵』の混沌とした血が何らかの創発を起こしたのか、それとも彼個人の天賦の才か。
男……逢闇に授かった異能力。彼を「悪鬼」たらしめた、その根源たる由来。魔淵の者達はこう呼んだ。
「……異能力…『鏖殺』……」
逢闇の身体は無数の弾丸に貫かれた。しかし、彼は立っている。傷を負って無い訳では無い。
再生しているのだ、負ったそばから。
「な、何だ!?ただの賊だろ!?」
「う、撃てッ!撃つんだ!」
「ヒィィィィッ!!」
全身に鉛の贈り物をされても、一歩ずつ着実に近付いて来る悪鬼。
「槍部隊ッ!貫けッ!」
号令で、逢闇は全身を貫かれる。
……だが、止まらない。その上、貫かれたままこちらに向かって来た。
最初の一撃で、前線は崩壊した。後は、彼の異能力の通りだ。
曰く、鏖殺。
異能力『鏖殺』
発動した瞬間、全身の痛覚が遮断され、擬似的な不死身状態となり、異能の対象と定めた個人もしくは集団が生命活動を停止するまで解除が不能になる。
………但し、無論リスクがある。
「………次男は…逃げた…か……」
『鏖殺』には有効範囲がある。一度異能対象になった人間でも、この有効範囲外に逃げてしまえば、異能力の対象から外れる事ができる。
『鏖殺』の有効範囲は決して狭くは無い。だが……
「……逃げ足の速い奴だ…」
『鏖殺』は対象者の生命活動が停止するまで効果が持続するが、対象者が有効範囲外に出てしまえば、その条件が解除される。
更には、異能力が解除された瞬間、異能力の発動中に受けた傷口が一斉に開く。この時、異能力は解除されている為、想像を絶する痛覚が全身を襲う。
「グガアァァァッ!!!」
故に、異能解除と同時に失血死してもおかしくないのである。
逢闇は全身から血が吹きでたのだろう、鎧の隙間などから血が垂れており、兜の口元からも溢れんばかりの血が吹き出ていた。
「……許さん……許さんぞ常陰……その首を切り落として脊椎を引きちぎってやる……」
致命傷を負い、更には致命的に失血しているにも関わらず、逢闇は全身を引きづりながら、三ツ谷の地下から外へと出ていく。
常陰を殺す為に。
「……俺も……早く……」
誰も居なくなった地下で、悠斬は今にも途切れそうな意識を繋ぎながら、懸命に立ち上がり、歩き始める。
逢闇の意識が逸れた今しか、逃げられるチャンスは無い。
「………ハッハハ…なぁ、破狩……お前は……今、何してるんだ……?」
その声は、地下の冷たい空気を僅かに揺らした。
黒銀の剣槍を振るう逢闇は、あらゆるを砕きながら進み。
七剣八刀を使う悠斬は、悉くを武器にしながら応える。
悠斬の『七剣八刀』にかかれば、投げる石も振るう枝も全てが武器になる。逢闇はそれらを全て砕く。
悠斬は腰に巻きつけた刀を抜き、逢闇に仕掛けた。
(俺の異能力を最大出力まで引き上げるッッ!)
ありとあらゆる物体を武器にすることができる『七剣八刀』だが、その対象が元々武器ならば、その性能はさらに引き上げられる。
「……成程。決死の一撃という訳か…」
悠斬は、手頃な石を投げつける。逢闇がそれを剣槍で弾いたと同時に仕掛けた。
「……この隙に仕掛けるとは、賢明とは言えないな」
「どうだかなッ!!」
悠斬は、抜刀術の姿勢で居合いを放つ。悠斬の狙いは初撃の刀ではなく、押さえた鞘の方だった。悠斬は両手で同時に異能力を使い、そのどちらもに異能を付与していた。
予想通り、刀による居合いは逢闇によって簡単に弾かれた。
(読み通り、だが、俺の狙いはその隙だッ!!)
腰につけた鞘を、逆手持ちの状態で振りかざす。そして……
飛んだ
「………ッッ…」
「……残念だ。鳴神の天才よ」
ひゅんひゅんと音を立てて飛んでいた、悠斬の左腕が、地面に落ちる。
ブシッと、思い出したかのように、切断された左腕から血が吹き出す。
「……ッッッ!!!」
後から襲いかかってくる強烈な痛みに意識が飛びそうになるが、舌を噛んでなんとか繋ぎ止める。
(……有り得ねぇ反射速度……異能力か?そもそもこっちは異能力の出力を最大まであげてんだぞ!?あの剣槍どんだけ頑丈なんだ…ッ!!)
「……不思議そうな顔をしているな。苦痛に歪んではいるが。大方、この獲物の正体について察しあぐねていたのだろう」
逢闇は剣槍を肩に乗せ、語り始めた。
「『魔淵』とは、業だ。言葉に出来ぬ極悪非道など平然と行われる。そんな中だ……」
とある『魔淵』が考える。
さて殺し合いをさせて、強者を振るいにかけたが、掃いて捨てるほどあるこの死体遺体はどうしよう…と。
別の『魔淵』が思いつく。
ならば、人の身を最大限に利用しよう。武器に武具に、しからば幾らでもやりようはある。
そんな中産まれた突飛もない発想の1つ。人体を使って最も頑強な武器を造ってみよう。
人体を溶かし、重ね、鍛え、また溶かし、また重ね、また鍛える。
そうして産まれた、頑丈で頑強な武器。
「………ま、さか…」
「察したか鳴神。左様、これは『魔淵』であり、『魔淵』であろうとした者達の成れの果てだ」
『魔淵』の人間を使った、剣槍。
悍ましい程の狂気と、禁忌的な技術の結晶。
「……俺がこれを使っている理由は1つだ。別に大した理由ではない。本気を出しても壊れない武器。それがこれだった…と言う訳だ」
剣槍の矛先を鳴神に向け、逢闇は続ける。
「もう一振、刀があったようだが…それは別の『魔淵』の手に渡っている。まぁ、そんな話はどうでも良いが……」
「この外道がァァァァァッッッ!」
「……ッ!」
会話を遮るほどの勢いで猛進する悠斬。鞘も無く、刀も無い。残った右手で掴んでいたのは……
ここに来て、初めて逢闇に一撃らしい一撃が入る。
誰が思いつくだろうか?まさか、自分の腕を武器にして突っ込んで来るなどと。
逢闇は、密着した悠斬を剣槍の持ち手で殴打し引き剥がすと、胸元を掴んで何度も殴りつける。
悠斬は膝をつき、地べたを舐める。
「………ッッッ!!」
「……まさか自分の腕を武器にするとは…そんな事をすれば、二度と縫合は出来んぞ?」
「……構うか…クソッたれ…」
逢闇は突き刺さった悠斬の左腕を引き抜くと、剣槍を振り上げる。
「……今際の際だ。残す言葉は」
「尽く死ね」
「…………」
逢闇が振り上げた剣槍を悠斬に振り下ろそうとした直前、寸前でビタりとその矛先が止まる。
逢闇が振り返ると、そこには大勢の神守が隊列を組んで、こちらに飛び道具を構えていた。その一番奥に。
「なるほど、常陰とか言うやつに聞いた通りだ!貴様が父上の切り札か!?ならば殺す!!そして、そこに寝転がっている鳴神の野郎も殺す!!一ノ門に逆らった事を地獄で後悔すると良い!!」
逢闇は、悠斬から目を逸らし、一ノ門次男の方へと向き直る。
自分でも分かる。これは怒りだと。
そして察する。常陰が自分を切り捨てたのだと
「………邪魔をするなと言った筈だぞ…ッ!?常陰ェェェェェッッ!!!!」
鬼の様な怒号は空間そのものを揺らすような猛々しさがあった。
髑髏面の兜の奥は、煮え滾るほどの殺意が溢れていた。
「お、おい…大丈夫だよな?」
「相手はただの逆賊だぞ?」
「それにこの人数だ、勝てっこねぇよ」
「…………」
逢闇は悠斬の方を見ると、言葉を紡ぐ。
「……休戦だ、鳴神。俺以外に殺されるなよ」
悠斬は無い左腕の断面を抑えながら頷く。
「撃てーッ!」
一斉射撃、普通ならば即死だ。
『魔淵』の中でも人殺しの天才と呼ばれる男がいた。
前述した通り、『魔淵』は様々な血が混ざっている為、異能力も様々なものがあった。
そんな中、何がどうしてこうなったのか全く分からない異能力を持った男が産まれる。
『魔淵』の混沌とした血が何らかの創発を起こしたのか、それとも彼個人の天賦の才か。
男……逢闇に授かった異能力。彼を「悪鬼」たらしめた、その根源たる由来。魔淵の者達はこう呼んだ。
「……異能力…『鏖殺』……」
逢闇の身体は無数の弾丸に貫かれた。しかし、彼は立っている。傷を負って無い訳では無い。
再生しているのだ、負ったそばから。
「な、何だ!?ただの賊だろ!?」
「う、撃てッ!撃つんだ!」
「ヒィィィィッ!!」
全身に鉛の贈り物をされても、一歩ずつ着実に近付いて来る悪鬼。
「槍部隊ッ!貫けッ!」
号令で、逢闇は全身を貫かれる。
……だが、止まらない。その上、貫かれたままこちらに向かって来た。
最初の一撃で、前線は崩壊した。後は、彼の異能力の通りだ。
曰く、鏖殺。
異能力『鏖殺』
発動した瞬間、全身の痛覚が遮断され、擬似的な不死身状態となり、異能の対象と定めた個人もしくは集団が生命活動を停止するまで解除が不能になる。
………但し、無論リスクがある。
「………次男は…逃げた…か……」
『鏖殺』には有効範囲がある。一度異能対象になった人間でも、この有効範囲外に逃げてしまえば、異能力の対象から外れる事ができる。
『鏖殺』の有効範囲は決して狭くは無い。だが……
「……逃げ足の速い奴だ…」
『鏖殺』は対象者の生命活動が停止するまで効果が持続するが、対象者が有効範囲外に出てしまえば、その条件が解除される。
更には、異能力が解除された瞬間、異能力の発動中に受けた傷口が一斉に開く。この時、異能力は解除されている為、想像を絶する痛覚が全身を襲う。
「グガアァァァッ!!!」
故に、異能解除と同時に失血死してもおかしくないのである。
逢闇は全身から血が吹きでたのだろう、鎧の隙間などから血が垂れており、兜の口元からも溢れんばかりの血が吹き出ていた。
「……許さん……許さんぞ常陰……その首を切り落として脊椎を引きちぎってやる……」
致命傷を負い、更には致命的に失血しているにも関わらず、逢闇は全身を引きづりながら、三ツ谷の地下から外へと出ていく。
常陰を殺す為に。
「……俺も……早く……」
誰も居なくなった地下で、悠斬は今にも途切れそうな意識を繋ぎながら、懸命に立ち上がり、歩き始める。
逢闇の意識が逸れた今しか、逃げられるチャンスは無い。
「………ハッハハ…なぁ、破狩……お前は……今、何してるんだ……?」
その声は、地下の冷たい空気を僅かに揺らした。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
アンダーグラウンドゲーム
幽零
キャラ文芸
ただの男子高校生 紅谷(ベニヤ)は、登校中、黒服たちに襲われ拉致されてしまう。
誰が何のために造ったのか一切不明の『ラビリンスゲーム』
人々の思惑が交差する迷宮脱出ストーリー。
御協力 れもん麺 様
イラスト Fubito 様
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
イケメン政治家・山下泉はコメントを控えたい
どっぐす
キャラ文芸
「コメントは控えさせていただきます」を言ってみたいがために政治家になった男・山下泉。
記者に追われ満を持してコメントを控えるも、事態は収拾がつかなくなっていく。
◆登場人物
・山下泉 若手イケメン政治家。コメントを控えるために政治家になった。
・佐藤亀男 山下の部活の後輩。無職だし暇でしょ?と山下に言われ第一秘書に任命される。
・女性記者 地元紙の若い記者。先頭に立って山下にコメントを求める。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
化想操術師の日常
茶野森かのこ
キャラ文芸
たった一つの線で、世界が変わる。
化想操術師という仕事がある。
一般的には知られていないが、化想は誰にでも起きる可能性のある現象で、悲しみや苦しみが心に抱えきれなくなった時、人は無意識の内に化想と呼ばれるものを体の外に生み出してしまう。それは、空間や物や生き物と、その人の心を占めるものである為、様々だ。
化想操術師とは、頭の中に思い描いたものを、その指先を通して、現実に生み出す事が出来る力を持つ人達の事。本来なら無意識でしか出せない化想を、意識的に操る事が出来た。
クズミ化想社は、そんな化想に苦しむ人々に寄り添い、救う仕事をしている。
社長である九頭見志乃歩は、自身も化想を扱いながら、化想患者限定でカウンセラーをしている。
社員は自身を含めて四名。
九頭見野雪という少年は、化想を生み出す能力に長けていた。志乃歩の養子に入っている。
常に無表情であるが、それは感情を失わせるような過去があったからだ。それでも、志乃歩との出会いによって、その心はいつも誰かに寄り添おうとしている、優しい少年だ。
他に、志乃歩の秘書でもある黒兎、口は悪いが料理の腕前はピカイチの姫子、野雪が生み出した巨大な犬の化想のシロ。彼らは、山の中にある洋館で、賑やかに共同生活を送っていた。
その洋館に、新たな住人が加わった。
記憶を失った少女、たま子。化想が扱える彼女は、記憶が戻るまでの間、野雪達と共に過ごす事となった。
だが、記憶を失くしたたま子には、ある目的があった。
たま子はクズミ化想社の一人として、志乃歩や野雪と共に、化想を出してしまった人々の様々な思いに触れていく。
壊れた友情で海に閉じこもる少年、自分への後悔に復讐に走る女性、絵を描く度に化想を出してしまう少年。
化想操術の古い歴史を持つ、阿木之亥という家の人々、重ねた野雪の過去、初めて出来た好きなもの、焦がれた自由、犠牲にしても守らなきゃいけないもの。
野雪とたま子、化想を取り巻く彼らのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる