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「はぁ…はぁ…はぁ…」
深夜に不良に絡まれ、年下の男子に助けられた、そして今は部屋にいた幽霊を探している……なんつーキテレツな展開だ…
先に家に帰ったと思ったが、それはなさそうだった。アイツは淡く光っているので、自分の部屋を外から見てもいればわかる。光ってなかったという事はいなかったと言う事だ。
「にしてもどこいったんだか…」
いなくても困る訳では無いが、ずっと一緒にいたやつが突然消えてしまうと無性に探したくなるものだ。……ほら、例えば授業中に落とした消しゴムが見つからないとめっちゃ焦るだろ?そんな感じ。
しばらく歩いていると、横断歩道に薄く光る人影が見えた。光る人影なんて1人しか居ない。近付いて声をかける。
「おい、何してたんだよ。探したぞ」
由々は横断歩道の真ん中で立ち止まったまま反応しない。
「……おい由々、帰るぞ?」
聞こえてない…って事は無いだろう。無視されてるのか?いや、普段スルーするだけでギャーギャー騒ぐこいつに限ってそれは無い。
「……おい、帰るぞって……」
そこで由々は少し振り返って笑った。
それ見て俺は、その場から動けなくなった。どこか、悲しそうな、期待してたけど裏切られたような、何か諦めのついたような、そんな顔をしていた。
「……ゆ…ゆ……?」
ゆっくりと時間が進んでいるのような錯覚に落ちる。回りの景色が由々に吸い込まれていくような感じがする……
「ねぇ、厳彦…」
彼女はこちらに向き直って、再び笑った。
「やっぱり、思い出せない?」
由々がそう口にした途端、俺はなにかに吸い込まれた。何が何だか分からない、俺の頭でわかるのは「なんか不思議な事が起きてる」って事だけだ。
起床予定時刻まであと…???
深夜に不良に絡まれ、年下の男子に助けられた、そして今は部屋にいた幽霊を探している……なんつーキテレツな展開だ…
先に家に帰ったと思ったが、それはなさそうだった。アイツは淡く光っているので、自分の部屋を外から見てもいればわかる。光ってなかったという事はいなかったと言う事だ。
「にしてもどこいったんだか…」
いなくても困る訳では無いが、ずっと一緒にいたやつが突然消えてしまうと無性に探したくなるものだ。……ほら、例えば授業中に落とした消しゴムが見つからないとめっちゃ焦るだろ?そんな感じ。
しばらく歩いていると、横断歩道に薄く光る人影が見えた。光る人影なんて1人しか居ない。近付いて声をかける。
「おい、何してたんだよ。探したぞ」
由々は横断歩道の真ん中で立ち止まったまま反応しない。
「……おい由々、帰るぞ?」
聞こえてない…って事は無いだろう。無視されてるのか?いや、普段スルーするだけでギャーギャー騒ぐこいつに限ってそれは無い。
「……おい、帰るぞって……」
そこで由々は少し振り返って笑った。
それ見て俺は、その場から動けなくなった。どこか、悲しそうな、期待してたけど裏切られたような、何か諦めのついたような、そんな顔をしていた。
「……ゆ…ゆ……?」
ゆっくりと時間が進んでいるのような錯覚に落ちる。回りの景色が由々に吸い込まれていくような感じがする……
「ねぇ、厳彦…」
彼女はこちらに向き直って、再び笑った。
「やっぱり、思い出せない?」
由々がそう口にした途端、俺はなにかに吸い込まれた。何が何だか分からない、俺の頭でわかるのは「なんか不思議な事が起きてる」って事だけだ。
起床予定時刻まであと…???
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