10 / 11
幕間1 Elena's Heavy Emotions
しおりを挟む
夜、兄が寝静まったあと。
わたしは片手でバランスを取りながら、寝ているベッドから這い出た。
ベッドの際でしゃがみ込み、至近距離で兄の顔を直視する。残念ながら左目しか見えていないが、兄の幸せそうな顔を記憶に焼き付ける。
...両親と同じように、兄が私から居なくなってしまわないように。
30分ほど、ひとしきり眺めたあと、兄に口づけをした。
舌を入れ、歯の表面をなぞる。
ほんのり、さっき食べた夕食の味がした。
お兄ちゃんはいつも、『歯をよく磨けよ~』っていうけれど、お兄ちゃんの方が出来てないじゃん!
なーんて、思ってみたり。
こんなことしてる妹に、口出しされる筋合いはないと思うけれど。
わたしは兄とキスをしながら、兄の体内へとある刻印を施した。
...私のことを絶対に忘れない催眠。
必ず生きて帰ると誓わせる洗脳。
これは、私のたった一つ残された固有能力。
私の体液を任意の生物に飲ませることで発動できる。
潜在意識に働きかけるこの力は、特性上、魔物《モンスター》との戦闘には何の役にも立たない。
しかし対人間においては絶大な効果を発する。
何でも自分の思い通りになるからだ。
まあ、私は兄以外に使ったことはないけれど。
それに、兄に対しても生存本能を刺激する以外には使ってない。
あくまで、私の恋は本物であってほしいから。
...私はいつも兄に甘えてしまっている。
いや、甘えるでは済まないな。依存していると言ってもいい。
私は、兄無くしては生きられない。
だから願わくば、兄に平和と安寧があらんことを。
----------------------------------------------------------------------------------
幕間です。
時系列的には第1話 決意の直後の話となります。
ただ、エレナにとっては、どうやら日常的な行為のようで...?
おそらく、リーンがダンジョンに行く前日には必ずやっていそうですね。
ぜひレビュー、評価、応援よろしくお願いします!
わたしは片手でバランスを取りながら、寝ているベッドから這い出た。
ベッドの際でしゃがみ込み、至近距離で兄の顔を直視する。残念ながら左目しか見えていないが、兄の幸せそうな顔を記憶に焼き付ける。
...両親と同じように、兄が私から居なくなってしまわないように。
30分ほど、ひとしきり眺めたあと、兄に口づけをした。
舌を入れ、歯の表面をなぞる。
ほんのり、さっき食べた夕食の味がした。
お兄ちゃんはいつも、『歯をよく磨けよ~』っていうけれど、お兄ちゃんの方が出来てないじゃん!
なーんて、思ってみたり。
こんなことしてる妹に、口出しされる筋合いはないと思うけれど。
わたしは兄とキスをしながら、兄の体内へとある刻印を施した。
...私のことを絶対に忘れない催眠。
必ず生きて帰ると誓わせる洗脳。
これは、私のたった一つ残された固有能力。
私の体液を任意の生物に飲ませることで発動できる。
潜在意識に働きかけるこの力は、特性上、魔物《モンスター》との戦闘には何の役にも立たない。
しかし対人間においては絶大な効果を発する。
何でも自分の思い通りになるからだ。
まあ、私は兄以外に使ったことはないけれど。
それに、兄に対しても生存本能を刺激する以外には使ってない。
あくまで、私の恋は本物であってほしいから。
...私はいつも兄に甘えてしまっている。
いや、甘えるでは済まないな。依存していると言ってもいい。
私は、兄無くしては生きられない。
だから願わくば、兄に平和と安寧があらんことを。
----------------------------------------------------------------------------------
幕間です。
時系列的には第1話 決意の直後の話となります。
ただ、エレナにとっては、どうやら日常的な行為のようで...?
おそらく、リーンがダンジョンに行く前日には必ずやっていそうですね。
ぜひレビュー、評価、応援よろしくお願いします!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる