どうやらペットだと思って飼われたみたいだけど、残念!獣人でした。

十山

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3.ヨハネスは混乱した※

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「はーーーーーー」

 洗った布団とシーツ、下着と寝間着を外の物干しに干す。また、シルバーがクンクンと嗅いでいるのを見て、大きなため息が出てしまった。

 座り込んだヨハネスの隣に、シルバーが擦り寄る。柔らかな毛を撫でると落ち着く…。

 一人暮らしだからいいんだけど、いいんだけど、あんなに夢精して出る?!おかしくない?!あんなに出た事ないのに、漏らしたんじゃないよな……。怖………。
 落ち込んでいると、シルバーが、またマウント行為をしそうになるのを静止した。

「もーーダメだっての!」

 まー僕もシルバーと似たようなもんかもしれないけど。サガって辛いね…

 
 それ以来、ヨハネスは自慰はしなくなったが、夢精する日々に悩まされる事になった。
 翌朝、身体はスッキリはしているが、どこか薄気味悪いし、何より恥ずかしい。
 人目につかない、郊外に住んで良かった。



「今夜は満月なんだね…」

 窓からは、大きな満月のひかりが差し込み、部屋の中は思いの外明るい。おそらく夜中だろうが、目が覚めてしまった。
 ふあ、と欠伸をして、何だか温かいなぁと背中に体温を感じる。シルバーが布団に入ってるんだ…………………くるりと向きを変えて抱きつくと、んんん?なんか、つるつるして弾力がある………。

 抱きついた何かの感触に驚いていると、相手もどうも自分を抱きしめ返したようだ。

 恐る恐る目を開けたら、とんでもないイケメンがヨハネスを見つめていた。
 釣り上がった金色の目は、見覚えがある気がするが……

「ヒっ!だ、誰っ!!!」

 恐怖で顔が青ざめ、慌てて離れようとするも、ガッチリ抱き込まれていて身動きが取れない。
 イケメンはにっこり笑う。

「シルバー」
「??」
「俺、シルバーだよ。ヨハネス」
「????」
「犬のシルバー」
「………………。はぁっ?!」
「犬っていうか、獣人なんだけど、俺」
「……………………………?!」


 ヨハネスは混乱していた。犬だと思っていたのに、人だったってこと?!いや獣人だけど、人?!これがシルバー?!
 背中まで不揃いに伸びた髪は、白髪に銀髪が鬣のように混じり、瞳の色も同じで、シルバーを人間にしたらこんな感じかもとは思う。思うが…?!

「安心して、犬の姿の時は、そんなに人間の意識は無いっていうか、犬としての本能の方が強いから」
「………いやいやいや………」
「ごめんね、満月のせいか、獣の姿を保つのが難しいみたい」
「いやいやいや……待ってほんと………とりあえず離れようか?」

 裸の男に抱きしめられている異常さ。ようやくヨハネスはまともな事を言ったと思う。それなのに、シルバーときたら。

「なんで?気持ちいいじゃん」
「は?」
「ほら。肌が直に触れて」
「!!」

 気がついて居なかったが、ヨハネスの寝間着は開けて、胸元が顕になっているわ、ズボンも脱いでいて、肌の露出部分が多くなっていた。全裸のシルバーは脚を絡ませ、身体を密着させる。

 何か大きくなってるし………!!!

 すりすりと、ヨハネスの股間に、自身の大きくなったものをツンツンと押し付けてくる。これまた気付いていなかったが、ヨハネスのモノも緩く勃ち上がっているものだから、刺激されると快楽を得てしまい、益々混乱する。

「や、やめ、ダメだよ、シルバー」
「えー?気持ちいいじゃん」

 ギュッと2ついっぺんに、シルバーの大きな手で握りこまれて、ヨハネスの身体がビクッと揺れた。

「ほら。ヨハネスだって、してたじゃん」
「なっ…!」
「自然現象だよ」

 ギュッ…シコシコ……シコシコ………

「あっ…!なん…やめ…!!」
「気持ちいいよな?…俺も気持ちいい」
「シルバー…!やめて、だめ、やめてやめて…!」

 ビュッビュクッビュクッ

 他人の手に触れられた事のない、ヨハネスは呆気なく達してしまった。

「や、やめてって言ったのに……布団がぁ…」
「布団かよ。じゃ、続きしていい?」

「えっ?」

 シルバーは布団から身体を起こし、ヨハネスの上に覆い被さり軽くキスをした。
 ヨハネスは、月明かりに照らされたシルバーの身体は、よく鍛えられて筋肉がしっかりつき美しい。身体の所々傷があり、また、首元から肩に入れ墨が見える。おそらく、背中に繋がっているんだろう。

 鋭い眼差しは犬のシルバーと同じなのに、ヨハネスの顔を撫でながらキスの雨を降らせる時の表情ときたら。

 イ、イケメンだ……同じ男なのに、かっこよくてドキドキしてしまう。

 こういった事に疎いヨハネスは、あれよあれよと流されて、ダメだと言いながらシルバーに後ろまで奪われてしまった。





 寝息を立てるヨハネスの目元は、涙で少し赤くなっている。

「初めてなのに、やり過ぎたなぁ」

 白金に、白髪混じりの柔らかな髪を弄りながら、シルバーは満足げに微笑んだ。

「身体の相性よすぎ」

 


 



 

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