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私が12歳の時に、母が養女を迎え、妹が出来た。妹になったエミリアは6歳。彼女に出会った瞬間、私はとある記憶を思い出し気付いた。
ここが、前世でプレイしていた乙女ゲームの世界だということを。
ラノベで見たやつだ、と興奮するとともに、これが夢なのか本当に転生なのかはわからないが、プレイしていた時の最推しである主人公エミリアの兄である事に歓喜した。
私の名前は、クリス・フォン・ブルーム。ブルーム侯爵家の1人息子。
思い出したゲームの名前は、「悠久の誓い」。プレイヤーは主人公となり、魅力的な攻略キャラクターと出会い、困難を乗り越え、愛を掴む。
主人公の名前を変えることもできるが、デフォルトで入っている名前がエミリアだ。
ゲームをプレイしていた時は成人した女だったが、同性ながら主人公の健気さや困難を乗り越える姿に感動し、攻略キャラとのその後やら、果てはゲームでは描かれなかったエロ展開を妄想しては二次創作を楽しんでいた。
攻略キャラも魅力的ではあったのだが、擬似恋愛を楽しむというより、エミリアとの関係性が好きだった。
何のアニメやゲームでも、主人公厨だったな…などと過去、いや前世の自分の趣味を思い出す。
今まで気付かなかった、自分の内なる本能が目覚めたかのような、不思議な気分だ。クリスとして生きてきた記憶も、もちろんある。
エミリアと目が合ったその一瞬でそんな事が駆け巡り、現実の最推しを目の当たりにして、思わず出たのは、
「かわいい…」
の一言であった。
その言葉を聞いたエミリアは、驚いたように私の顔を凝視して、次には居心地が悪そうに俯いた。褒められた事がなくて、どう返したらいいのかわからないのだろう。
ここに来る前のエミリアは、孤児院で敵国の子どもとして冷遇されてきたのだ。
「クリス、その様子なら大丈夫そうね。エミリアの兄として、導くのですよ」
「…お任せ下さい。母上。よろしく、エミリア」
「…………は、はい…あ…」
「お兄様と」
「お、おにい、さま…」
おにいさま…!!そう呼ばれただけで、心が弾むようだ。心から可愛がり、大事にしようと心に誓う。
ゲームでもクリスはエミリアを溺愛しているキャラクターだった。この感情が、前世を知ったからかもしれないとも悩むこともあったが、次第にエミリアを大事にしたいのは今の自分、クリスとしての感情だと純粋に思えるようになった。
前世の知識によると、彼女の人生は、苦難と苦悩に満ちている。それに巻き込まれる兄のクリスもまた、苦難の道を自ら選び陰ながらエミリアを支える。
キャラクターで言えばエミリアが最推しだが、カップリングとしてはクリスとエミリアが最推しだった。本編では結ばれる事のない2人の未来をどれだけ妄想したことか、、、。
その後、アナザーストーリーとして、2人の結ばれるルートが解禁され、歓喜したものだったが。などと想いを馳せるが、実際問題、現実的に考えたら、エミリアを幸せに出来るのは立場的にクリスではない。
このかわいい妹を、いつか他の誰かにやらねばならないのか…。辛い事だが、妹が誰のルートに入っても幸せを見届けなくては。バッドエンドにならなければ、誰とでも幸せになれるのだから。
それが、どうしてこうなった?
「お兄様、、、」
潤んだ瞳でエミリアが私を見つめる。毎回、背徳感と、これでいいのか?という疑問が浮かぶのだが、苦しそうなエミリアを見ると何でもしてあげたい。
唇を重ねて、舌を差し入れる。くちゅくちゅと、舌を絡ませ合うと、エミリアが快楽の涙を流す。
かわいい、かわいいエミリア。
「ぁ、、、ふ、、んっ、、、」
唇から首筋にキスをしながら、耳の敏感なところを優しく嬲る。いやらしい音が直接響き、エミリアは立つものやっとだ。また唇を頬に移し、軽く口づけをして、、、はい、ここまで!!
なけなしの理性で己の欲望にストップをかける。
「大丈夫かい、エミリア」
ぎゅっと、その細く靭やかな身体を抱きしめた。エミリアは17歳、私は24歳。この世界でも稀有な光の魔法に目覚めたエミリアは、14歳から魔族の討伐に駆り出されるようになった。
先に騎士の訓練として、時に討伐に出ていた私は反対したのだが、これはゲームのシナリオ通りの展開で、断る事など出来ない。
せめてと、常にエミリアの近衛兵として側に居ることにした。そこには、錚々たる攻略キャラたちも居る。
戦いの中で呪いを受けたエミリアは、男の体液を身体に入れて陰陽のバランスを整えなくてはならない。
そのため、定期的にクリスと深い口づけを交わすようになっていた。
しかし、これはゲームにはない展開だ。既に誰かのルートに入っていてもおかしくはないが、誰のルートなのかわからない。大筋で起こることは似通ってはいるが、陰ではこんな事が起きていたのか?どこぞの二次創作のような展開に、バッドエンドでない事を願うばかりだが、妹のかわいい姿にエスカレートしてしまいそうな自分が怖い。
現に、耳を舐る必要はないのに、何をやっているのか。男が、欲望に弱いとはこのことか。毎度毎度、芯を持つ己の股間が恨めしい。
「お兄様、いつもこんなことをさせてごめんなさい、、、」
エミリアが快楽に知らずのうちに滲ませた涙を、悔しそうに拭う。
前線に出るようになったエミリアは、弱い姿を人前ではけして見せない。私が前世、好きだった主人公そのもの。
兄にだけ見せるこの姿、けれどもそれも彼女には罪悪感でしかないのだ。
と、尊い……………!!!!!
前世の目線に委ねれば、ここは最萌えポイントではあるが、彼女の兄としてはそんな風に思う自分にも罪悪感さえ覚える。
ゲームのクリスは飄々とエミリアを助けていたが、見せないところではこんな思いを抱えていたんだろうな。エミリアの前では、格好つけたい兄としての自分と、妹に悟られたくない恋心を抱く1人の男。
陰では、妹に邪な気持ちを抱き、股間を熱くしてしまうような情けない男なのだ。
目を瞑り、ため息をついて心を落ち着ける。エミリアの肩を掴み、そっと自分から引き離すと、兄としての笑顔を見せる。ここから、男としての更成る拷問が待っている。
「さぁ、寝ようか」
「お兄様、一緒に寝てもいいですか?」
「ああ、もちろんだよ」
そう、口づけを交わした夜は、エミリアは幼子のようになり、クリスと寝たがる。幼少期、悪夢を見るエミリアとよく一緒に寝ていた。その名残りなのだろう。
こちらとしては既に妙齢な男女なのだからと遠慮したいところなのだが。その安心感が気を張って頑張っているエミリアの支えになるなら、致し方ない。
「エリー、いい夢を」
横に並んで手を繋ぎ、そのうち規則正しい寝息が聞こえてくる。そっと身を起こして、上体を起こしてエミリアの方を向き寝顔を眺める。しばくすると、エミリアがうっすらと目を開けて、起き上がる。
もう1人のエミリアが起きてきた。
「おにいさま」
虚ろな目をしたエミリアが、微笑んで抱きついてくる。
「だいすき」
「私もエリーが大好きだよ」
「うれしい」
エミリアから、唇を重ねてきて、次第にそれは深くなる。そうしてクリスの股間に手を伸ばし…。唾液だけでは、足りないのだ。
クリスは僅かに抵抗して、エミリアの手を自身から離し、口腔に舌を絡め唾液を絡める。
「んっ…はぁっ……」くちゅくちゅと舌を絡め合う。
これだけでも背徳的なのに、身体をピッタリと押し付けて足を絡め、いつの間にかエミリアが上になると…
「…ん、ああ…、、」
口づけを深くしながら、クリスの少し固さを増したモノに、手がダメならと自ら秘部を当てながら腰を動かし始める。
「おにいさま、おねがい…」
唇を離し、潤んだ瞳でおねだりをするエミリアのかわいさときたら。
っあーーーーー!!!
誰だ!エミリアをこんな風にしたのはーーー!!!
どちくしょーーーーーー!!!
内心、悪態をつき、顔を背けて押し付けられた秘部に手を添える。クリスのモノから少し腰を浮かせて、愛路が濡れているのを確認した。身体を預けてくるエミリアを片手で抱きしめて、愛液を指に絡めて小さな突起をなぞるように動かす。
指に押し当てるように、エミリアも腰を僅かに動かし、感じているのがわかる。目を閉じ、官能に身を任せるその姿を知るのは私だけ。指で舐ったり、浅く指を入れて刺激したりすると、ますます濡れて、エミリアは絶頂を迎え、くたりと意識を失った。
はぁ…理性が……いつまで保つだろう……
頭を垂れ、エミリアの衣類を直して布団を掛ける。その寝顔を見ると猛烈な罪悪感に襲われ、勃ちあがりつつあった自身が元に戻りほっとする。
エミリアに掛けられた淫魔の呪い。本当は、精液を欲しているようなのだが。身体は人間なので、摂取しなくても問題はない。陰の気も唾液で足りているようだ。発作のように起こる快楽を沈めてやれば、翌日は何も覚えていない。
妹の幸せを願う兄としては、こういった行為は恋人と行うべきだ。流されて処女を傷つけないようにしなくては。
そう思うとともに、エミリアのあのかわいい姿を意識がある時に見て、愛を交わす男が恨めしくも思う。
例えばこんな男なら、堂々とエミリアに愛を囁やけたろうに。
「エミリア様、東の方向に陰が見えます」
魔術師のサターナスは、この国では強い魔力を持つ証の黒髪の19歳の青年。貴族の子息で、その黒髪故に恐れられ隠された存在だったところを、エミリアに見出され、今では魔族討伐での心強いパートナーだ。
「隊長、酷い顔してますけど」
騎士のライナスは、身分を隠しているが実は公爵家の三男。赤髪、長身、エミリアの学友で同じ歳、少しチャラいが根は真面目なさわやかなイケメンだ。
「いや、少し寝不足でな」
答えると、ライナスはエミリアとクリスを意味ありげに見て、はーんという顔をして頷いた。何を思ったのか、よくわからなかったが。
「まぁ、ほどほどにな」
そう言うのは、この国の第一王位継承者のアルバート殿下。王家の第一王子。金髪碧眼、柔らかな物腰で、絵に描いたような理想の王子様だ。アルバートとクリスは同じ歳で、幼少の頃から親交があった。一時期は、クリスが護衛を務めたこともあり、恐れ多くも友人という間柄だ。
以上3名が、本編での攻略キャラクターだった。エミリアの相手としては申し分ない。一体今はどのルートなのか。前世の記憶では物語としては既に中盤。どこに入っていてもおかしくはない。
この魔族討伐は、第一王子のアルバートの手腕が試されている側面もあり、討伐会議の打ち合わせは王家の一室で行っている。
「何の事だ」
アルバートから見て、クリスという男は、実直を絵に描いたような人物だ。鎧に隠され細身に見えるがしっかりと筋肉がつき、戦闘ではしなやかな動きを見せる。身長は184㎝、髪の毛は赤茶色、緑がかった眼。白すぎない肌には少しそばかすがあり、涼やかな美形を少し崩している。
浮いた噂もなく、表情を崩すことも滅多にない、冷静沈着な魔族討伐隊隊長。異例の速さで騎士団長まで上り詰めたが、エミリアの力が目覚めると討伐隊長に志願した。
異例の出世も家柄のせいだと陰口を叩かれていたこともあったが、一緒に居れば違うとわかる。
表情を崩さないから冷たいように見えて、たまに付き合いで行かねばならない社交界でもご令嬢方に声を掛けられると、穏やかに誠実に応対するのでとても人気がある。本人はご令嬢方のアプローチもまるで無自覚のようで、あくまで妹の護衛、おまけ、という体のようだ。
侯爵家の跡取りが、それでいいのかと、アルバートは思っていたが、エミリアとデキているのなら仕方ない。
冷静沈着な男が表情を崩すのはいつもエミリアのことばかり、そしてエミリアも然り。
エミリアは、アルバートの従兄弟に当たる。アルバートの父である王の妹エヴァが、和平の証として敵国だったグリナス国の王に嫁ぎ、産まれたのがエミリアだ。しかし、実際はエヴァは側室として扱われ、酷い差別を受けていて、エミリアを産みしばらくすると護衛官と国に戻ろうとした。それは叶わず、命を落とす。
その道中でエミリアも行方不明になり、グリナス国との和平は決裂。公には捜索はできず、見つけるまでに4年の歳月が経っていた。孤児院では、まさか敵国の姫だとは思われていなかったようだが、外見が敵国の民と同じエミリアの扱いは、きっと酷いものだったのだろう。
王家に入れるわけにもいかず、王家に近いブルーム侯爵家に養女として迎えられ、愛情を注ぎ育てられた。だが、敵国で幼少期を過ごした事で、エミリアは自己肯定感が低く、人の痛みに敏感で、自分の痛みに鈍感だ。
それが、彼女の自己犠牲も厭わない、光の聖女たらしめているのだから皮肉なものだ。
聡明で、献身的で、人々の心を惹き付ける。そんな彼女が、唯一甘えられるのが、兄のクリスなのは周知の事だった。
サターナスは、エミリアの呪いの対処方法をエミリアだけに伝え、その方法を誰とするかはエミリアに任せた。聞いたわけではないが、様子を見ていれば誰を選んだかわかる。
おそらくそれをしたであろう決まってその翌日、エミリアは生き生きと、クリスは酷い顔をしているのだ。
そして、それを呪いの事は知らないが、エミリアが度々クリスの寝室に居るのを知っているアルバートとライナスは、2人はデキているのだろう、おそらくは、と思っている。
「殿下、図書室に行って資料を持って参ります。しばらくお待ちいただいてよろしいでしょうか」
「わかった。イオニスと一緒に行きなさい。我々はここで打ち合わせをしているから」
「かしこまりました」
イオニスは、アルバート付の護衛に一人。外に控えていた彼と、エミリアは部屋から出て行った。
「クリス隊長、これを」
エミリアが出ていくと、サターナスに小さな皮の巾着を渡された。中には、液体の入った小瓶がいくつか入っている。
「何だこれは」
「えーと、、、滋養強壮、精力増強の…」
「…精力は増強する必要はない」
サターナスは真面目な男なので、真剣そのものなのだが、その図がまたシュールというかなんというか。アルバートとライナスは吹き出しそうなのを堪えている。
「酷い顔してますよ」
酷い顔ってそういう意味か…!!!途端に顔が赤くなるのを感じる。
「…エミリアの名誉のために言っておくが、エミリアが悪夢に苛まれるので、一晩見守っているだけだ」
赤くなった顔を背けて、言い訳のように呟く。
「えっ」
「えっ」
「えっ」
3人同時に驚きの声をあげる。みな、エミリアが好きな筈だから喜んでいるのだろうか?
「じゃあどうやって…いや、皆まで聞きませんけど」
「不憫だ…」
「何がだ」
意味の分からない哀れんだ眼を向けられ、困惑する。サターナスは呪いの事を知っているから、困惑するのも分かるが。エミリアの名誉のためにも、何をしているかなんて言えるわけもない。
もしかしたら、エミリアの想い人が居るかもしれないのだから。
「ただいま戻りました」
涼やかな声でエミリアが帰ってくると、交互に兄と妹を見て3人は深くため息をついた。
「鈍感兄妹だね…」
「まったくだ」
「我々、頑張りましょうね」
クリスとエミリアが想い合っているのは傍から見ていれば明確なのだ。心から信頼し合っている様、兄妹にしては近い距離感。エミリアに近付こうとしても、クリスが目を光らせ、エミリアも隙を見せない。頼るのは兄ばかり。
クリスに近付きたいご令嬢も、誠実に対応するがエミリアに向ける眼差しと違う事に気付き諦める。
そうしていることが、無自覚とは。クリスがこの調子では、エミリアもそうなんだろう。
不器用な二人が、早く結ばれるよう手助けしようと誓う3人だった。
ここが、前世でプレイしていた乙女ゲームの世界だということを。
ラノベで見たやつだ、と興奮するとともに、これが夢なのか本当に転生なのかはわからないが、プレイしていた時の最推しである主人公エミリアの兄である事に歓喜した。
私の名前は、クリス・フォン・ブルーム。ブルーム侯爵家の1人息子。
思い出したゲームの名前は、「悠久の誓い」。プレイヤーは主人公となり、魅力的な攻略キャラクターと出会い、困難を乗り越え、愛を掴む。
主人公の名前を変えることもできるが、デフォルトで入っている名前がエミリアだ。
ゲームをプレイしていた時は成人した女だったが、同性ながら主人公の健気さや困難を乗り越える姿に感動し、攻略キャラとのその後やら、果てはゲームでは描かれなかったエロ展開を妄想しては二次創作を楽しんでいた。
攻略キャラも魅力的ではあったのだが、擬似恋愛を楽しむというより、エミリアとの関係性が好きだった。
何のアニメやゲームでも、主人公厨だったな…などと過去、いや前世の自分の趣味を思い出す。
今まで気付かなかった、自分の内なる本能が目覚めたかのような、不思議な気分だ。クリスとして生きてきた記憶も、もちろんある。
エミリアと目が合ったその一瞬でそんな事が駆け巡り、現実の最推しを目の当たりにして、思わず出たのは、
「かわいい…」
の一言であった。
その言葉を聞いたエミリアは、驚いたように私の顔を凝視して、次には居心地が悪そうに俯いた。褒められた事がなくて、どう返したらいいのかわからないのだろう。
ここに来る前のエミリアは、孤児院で敵国の子どもとして冷遇されてきたのだ。
「クリス、その様子なら大丈夫そうね。エミリアの兄として、導くのですよ」
「…お任せ下さい。母上。よろしく、エミリア」
「…………は、はい…あ…」
「お兄様と」
「お、おにい、さま…」
おにいさま…!!そう呼ばれただけで、心が弾むようだ。心から可愛がり、大事にしようと心に誓う。
ゲームでもクリスはエミリアを溺愛しているキャラクターだった。この感情が、前世を知ったからかもしれないとも悩むこともあったが、次第にエミリアを大事にしたいのは今の自分、クリスとしての感情だと純粋に思えるようになった。
前世の知識によると、彼女の人生は、苦難と苦悩に満ちている。それに巻き込まれる兄のクリスもまた、苦難の道を自ら選び陰ながらエミリアを支える。
キャラクターで言えばエミリアが最推しだが、カップリングとしてはクリスとエミリアが最推しだった。本編では結ばれる事のない2人の未来をどれだけ妄想したことか、、、。
その後、アナザーストーリーとして、2人の結ばれるルートが解禁され、歓喜したものだったが。などと想いを馳せるが、実際問題、現実的に考えたら、エミリアを幸せに出来るのは立場的にクリスではない。
このかわいい妹を、いつか他の誰かにやらねばならないのか…。辛い事だが、妹が誰のルートに入っても幸せを見届けなくては。バッドエンドにならなければ、誰とでも幸せになれるのだから。
それが、どうしてこうなった?
「お兄様、、、」
潤んだ瞳でエミリアが私を見つめる。毎回、背徳感と、これでいいのか?という疑問が浮かぶのだが、苦しそうなエミリアを見ると何でもしてあげたい。
唇を重ねて、舌を差し入れる。くちゅくちゅと、舌を絡ませ合うと、エミリアが快楽の涙を流す。
かわいい、かわいいエミリア。
「ぁ、、、ふ、、んっ、、、」
唇から首筋にキスをしながら、耳の敏感なところを優しく嬲る。いやらしい音が直接響き、エミリアは立つものやっとだ。また唇を頬に移し、軽く口づけをして、、、はい、ここまで!!
なけなしの理性で己の欲望にストップをかける。
「大丈夫かい、エミリア」
ぎゅっと、その細く靭やかな身体を抱きしめた。エミリアは17歳、私は24歳。この世界でも稀有な光の魔法に目覚めたエミリアは、14歳から魔族の討伐に駆り出されるようになった。
先に騎士の訓練として、時に討伐に出ていた私は反対したのだが、これはゲームのシナリオ通りの展開で、断る事など出来ない。
せめてと、常にエミリアの近衛兵として側に居ることにした。そこには、錚々たる攻略キャラたちも居る。
戦いの中で呪いを受けたエミリアは、男の体液を身体に入れて陰陽のバランスを整えなくてはならない。
そのため、定期的にクリスと深い口づけを交わすようになっていた。
しかし、これはゲームにはない展開だ。既に誰かのルートに入っていてもおかしくはないが、誰のルートなのかわからない。大筋で起こることは似通ってはいるが、陰ではこんな事が起きていたのか?どこぞの二次創作のような展開に、バッドエンドでない事を願うばかりだが、妹のかわいい姿にエスカレートしてしまいそうな自分が怖い。
現に、耳を舐る必要はないのに、何をやっているのか。男が、欲望に弱いとはこのことか。毎度毎度、芯を持つ己の股間が恨めしい。
「お兄様、いつもこんなことをさせてごめんなさい、、、」
エミリアが快楽に知らずのうちに滲ませた涙を、悔しそうに拭う。
前線に出るようになったエミリアは、弱い姿を人前ではけして見せない。私が前世、好きだった主人公そのもの。
兄にだけ見せるこの姿、けれどもそれも彼女には罪悪感でしかないのだ。
と、尊い……………!!!!!
前世の目線に委ねれば、ここは最萌えポイントではあるが、彼女の兄としてはそんな風に思う自分にも罪悪感さえ覚える。
ゲームのクリスは飄々とエミリアを助けていたが、見せないところではこんな思いを抱えていたんだろうな。エミリアの前では、格好つけたい兄としての自分と、妹に悟られたくない恋心を抱く1人の男。
陰では、妹に邪な気持ちを抱き、股間を熱くしてしまうような情けない男なのだ。
目を瞑り、ため息をついて心を落ち着ける。エミリアの肩を掴み、そっと自分から引き離すと、兄としての笑顔を見せる。ここから、男としての更成る拷問が待っている。
「さぁ、寝ようか」
「お兄様、一緒に寝てもいいですか?」
「ああ、もちろんだよ」
そう、口づけを交わした夜は、エミリアは幼子のようになり、クリスと寝たがる。幼少期、悪夢を見るエミリアとよく一緒に寝ていた。その名残りなのだろう。
こちらとしては既に妙齢な男女なのだからと遠慮したいところなのだが。その安心感が気を張って頑張っているエミリアの支えになるなら、致し方ない。
「エリー、いい夢を」
横に並んで手を繋ぎ、そのうち規則正しい寝息が聞こえてくる。そっと身を起こして、上体を起こしてエミリアの方を向き寝顔を眺める。しばくすると、エミリアがうっすらと目を開けて、起き上がる。
もう1人のエミリアが起きてきた。
「おにいさま」
虚ろな目をしたエミリアが、微笑んで抱きついてくる。
「だいすき」
「私もエリーが大好きだよ」
「うれしい」
エミリアから、唇を重ねてきて、次第にそれは深くなる。そうしてクリスの股間に手を伸ばし…。唾液だけでは、足りないのだ。
クリスは僅かに抵抗して、エミリアの手を自身から離し、口腔に舌を絡め唾液を絡める。
「んっ…はぁっ……」くちゅくちゅと舌を絡め合う。
これだけでも背徳的なのに、身体をピッタリと押し付けて足を絡め、いつの間にかエミリアが上になると…
「…ん、ああ…、、」
口づけを深くしながら、クリスの少し固さを増したモノに、手がダメならと自ら秘部を当てながら腰を動かし始める。
「おにいさま、おねがい…」
唇を離し、潤んだ瞳でおねだりをするエミリアのかわいさときたら。
っあーーーーー!!!
誰だ!エミリアをこんな風にしたのはーーー!!!
どちくしょーーーーーー!!!
内心、悪態をつき、顔を背けて押し付けられた秘部に手を添える。クリスのモノから少し腰を浮かせて、愛路が濡れているのを確認した。身体を預けてくるエミリアを片手で抱きしめて、愛液を指に絡めて小さな突起をなぞるように動かす。
指に押し当てるように、エミリアも腰を僅かに動かし、感じているのがわかる。目を閉じ、官能に身を任せるその姿を知るのは私だけ。指で舐ったり、浅く指を入れて刺激したりすると、ますます濡れて、エミリアは絶頂を迎え、くたりと意識を失った。
はぁ…理性が……いつまで保つだろう……
頭を垂れ、エミリアの衣類を直して布団を掛ける。その寝顔を見ると猛烈な罪悪感に襲われ、勃ちあがりつつあった自身が元に戻りほっとする。
エミリアに掛けられた淫魔の呪い。本当は、精液を欲しているようなのだが。身体は人間なので、摂取しなくても問題はない。陰の気も唾液で足りているようだ。発作のように起こる快楽を沈めてやれば、翌日は何も覚えていない。
妹の幸せを願う兄としては、こういった行為は恋人と行うべきだ。流されて処女を傷つけないようにしなくては。
そう思うとともに、エミリアのあのかわいい姿を意識がある時に見て、愛を交わす男が恨めしくも思う。
例えばこんな男なら、堂々とエミリアに愛を囁やけたろうに。
「エミリア様、東の方向に陰が見えます」
魔術師のサターナスは、この国では強い魔力を持つ証の黒髪の19歳の青年。貴族の子息で、その黒髪故に恐れられ隠された存在だったところを、エミリアに見出され、今では魔族討伐での心強いパートナーだ。
「隊長、酷い顔してますけど」
騎士のライナスは、身分を隠しているが実は公爵家の三男。赤髪、長身、エミリアの学友で同じ歳、少しチャラいが根は真面目なさわやかなイケメンだ。
「いや、少し寝不足でな」
答えると、ライナスはエミリアとクリスを意味ありげに見て、はーんという顔をして頷いた。何を思ったのか、よくわからなかったが。
「まぁ、ほどほどにな」
そう言うのは、この国の第一王位継承者のアルバート殿下。王家の第一王子。金髪碧眼、柔らかな物腰で、絵に描いたような理想の王子様だ。アルバートとクリスは同じ歳で、幼少の頃から親交があった。一時期は、クリスが護衛を務めたこともあり、恐れ多くも友人という間柄だ。
以上3名が、本編での攻略キャラクターだった。エミリアの相手としては申し分ない。一体今はどのルートなのか。前世の記憶では物語としては既に中盤。どこに入っていてもおかしくはない。
この魔族討伐は、第一王子のアルバートの手腕が試されている側面もあり、討伐会議の打ち合わせは王家の一室で行っている。
「何の事だ」
アルバートから見て、クリスという男は、実直を絵に描いたような人物だ。鎧に隠され細身に見えるがしっかりと筋肉がつき、戦闘ではしなやかな動きを見せる。身長は184㎝、髪の毛は赤茶色、緑がかった眼。白すぎない肌には少しそばかすがあり、涼やかな美形を少し崩している。
浮いた噂もなく、表情を崩すことも滅多にない、冷静沈着な魔族討伐隊隊長。異例の速さで騎士団長まで上り詰めたが、エミリアの力が目覚めると討伐隊長に志願した。
異例の出世も家柄のせいだと陰口を叩かれていたこともあったが、一緒に居れば違うとわかる。
表情を崩さないから冷たいように見えて、たまに付き合いで行かねばならない社交界でもご令嬢方に声を掛けられると、穏やかに誠実に応対するのでとても人気がある。本人はご令嬢方のアプローチもまるで無自覚のようで、あくまで妹の護衛、おまけ、という体のようだ。
侯爵家の跡取りが、それでいいのかと、アルバートは思っていたが、エミリアとデキているのなら仕方ない。
冷静沈着な男が表情を崩すのはいつもエミリアのことばかり、そしてエミリアも然り。
エミリアは、アルバートの従兄弟に当たる。アルバートの父である王の妹エヴァが、和平の証として敵国だったグリナス国の王に嫁ぎ、産まれたのがエミリアだ。しかし、実際はエヴァは側室として扱われ、酷い差別を受けていて、エミリアを産みしばらくすると護衛官と国に戻ろうとした。それは叶わず、命を落とす。
その道中でエミリアも行方不明になり、グリナス国との和平は決裂。公には捜索はできず、見つけるまでに4年の歳月が経っていた。孤児院では、まさか敵国の姫だとは思われていなかったようだが、外見が敵国の民と同じエミリアの扱いは、きっと酷いものだったのだろう。
王家に入れるわけにもいかず、王家に近いブルーム侯爵家に養女として迎えられ、愛情を注ぎ育てられた。だが、敵国で幼少期を過ごした事で、エミリアは自己肯定感が低く、人の痛みに敏感で、自分の痛みに鈍感だ。
それが、彼女の自己犠牲も厭わない、光の聖女たらしめているのだから皮肉なものだ。
聡明で、献身的で、人々の心を惹き付ける。そんな彼女が、唯一甘えられるのが、兄のクリスなのは周知の事だった。
サターナスは、エミリアの呪いの対処方法をエミリアだけに伝え、その方法を誰とするかはエミリアに任せた。聞いたわけではないが、様子を見ていれば誰を選んだかわかる。
おそらくそれをしたであろう決まってその翌日、エミリアは生き生きと、クリスは酷い顔をしているのだ。
そして、それを呪いの事は知らないが、エミリアが度々クリスの寝室に居るのを知っているアルバートとライナスは、2人はデキているのだろう、おそらくは、と思っている。
「殿下、図書室に行って資料を持って参ります。しばらくお待ちいただいてよろしいでしょうか」
「わかった。イオニスと一緒に行きなさい。我々はここで打ち合わせをしているから」
「かしこまりました」
イオニスは、アルバート付の護衛に一人。外に控えていた彼と、エミリアは部屋から出て行った。
「クリス隊長、これを」
エミリアが出ていくと、サターナスに小さな皮の巾着を渡された。中には、液体の入った小瓶がいくつか入っている。
「何だこれは」
「えーと、、、滋養強壮、精力増強の…」
「…精力は増強する必要はない」
サターナスは真面目な男なので、真剣そのものなのだが、その図がまたシュールというかなんというか。アルバートとライナスは吹き出しそうなのを堪えている。
「酷い顔してますよ」
酷い顔ってそういう意味か…!!!途端に顔が赤くなるのを感じる。
「…エミリアの名誉のために言っておくが、エミリアが悪夢に苛まれるので、一晩見守っているだけだ」
赤くなった顔を背けて、言い訳のように呟く。
「えっ」
「えっ」
「えっ」
3人同時に驚きの声をあげる。みな、エミリアが好きな筈だから喜んでいるのだろうか?
「じゃあどうやって…いや、皆まで聞きませんけど」
「不憫だ…」
「何がだ」
意味の分からない哀れんだ眼を向けられ、困惑する。サターナスは呪いの事を知っているから、困惑するのも分かるが。エミリアの名誉のためにも、何をしているかなんて言えるわけもない。
もしかしたら、エミリアの想い人が居るかもしれないのだから。
「ただいま戻りました」
涼やかな声でエミリアが帰ってくると、交互に兄と妹を見て3人は深くため息をついた。
「鈍感兄妹だね…」
「まったくだ」
「我々、頑張りましょうね」
クリスとエミリアが想い合っているのは傍から見ていれば明確なのだ。心から信頼し合っている様、兄妹にしては近い距離感。エミリアに近付こうとしても、クリスが目を光らせ、エミリアも隙を見せない。頼るのは兄ばかり。
クリスに近付きたいご令嬢も、誠実に対応するがエミリアに向ける眼差しと違う事に気付き諦める。
そうしていることが、無自覚とは。クリスがこの調子では、エミリアもそうなんだろう。
不器用な二人が、早く結ばれるよう手助けしようと誓う3人だった。
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