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7月15日 涼音の誕生日編
涼音のバースデーサプライズ☆にて 2
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涼香に押されて教室へと入った涼音は、教卓の前の席に座らされていた。
「それでは、涼音のバースデーサプライズ☆を始めるわ!」
「始めるって……なにを?」
サプライズを始めるといっても、もう大成功なのだがどういう意味なのだろうか。
「バースデーサプライズ☆よ!」
「大成功ですね。ありがとうございます」
頭を下げる涼音。クラスメイト達はその光景を安心した様子で見ていた。
「甘いわね。あ、甘いと言えばケーキもあるわよ――ではなくて、バースデーサプライズ☆はこれからが本番よ」
「ケーキあるんですか⁉ でもなんでここまで……?」
まさかケーキも用意してくれているとは思わなかった。涼香の言う通り、サプライズ☆はこれからのようだ。
「なんで、と言われても――」
微笑んだ涼香がそこまで言うと、若菜が引き継いで口を開く。
「私達、結構っていうか、かなり涼音ちゃんに助けられてるからさ、そりゃあお祝いするのは当然」
他のクラスメイト達も当然だと口々に言って頷く。
「この問題児が手に負えない時に助かってるし」「涼音ちゃん可愛いし」「涼音ちゃんめちゃくちゃ苦労してるだろうからさ」「いつも助かってます」
「私に失礼ではないの?」
「とにかく、私達全員涼音ちゃんに感謝してんの。多分涼香と関わりのある子で涼音ちゃんに感謝してない人はいないと思うよ」
「そ、そうですか……」
若菜達の言葉に、顔が熱くなってきた涼音。
手で扇いで顔に風を送り、平静を装う。
そうやって口をもにょもにょさせている涼音に、涼香が優しく告げる。
「涼音、そういう時は素直になってもいいのよ」
涼香がそう言うと、涼音はゆっくりと立ち上がり、クラスメイト達を回す。
「あ……ありがとう……ござい……ます……」
顔を真っ赤にしながら、言葉を絞り出し頭を下げる。
後ろに立つ涼香が、嬉しそうな声を漏らすのが聞こえた。
「「「「「「可愛いぃぃぃぃぃ!」」」」」」
いじらしく、胸の前で両手を握ったり離したり、普段見ることができない涼音に、クラスメイト達は一斉に心を奪われる。
これが漫画やアニメならハートになった目が飛び出していたことだろう。
「あげないわよ!」
それに危機感を覚えた涼香が慌てて涼音を抱きしめる。教卓越しになっているため体勢がキツそうだった。
そんなことをしていると、教室のドアがコンコンと叩かれる。
「あら、来たようね」
クラスメイトがドアを開けるとそこにいたのは、ケーキを持った菜々美とここねであった。
「「涼音ちゃん誕生日おめでとう!」」
「あ、ありがとうございます」
「ありがとう二人とも、ケーキはここに置いて」
「涼香にお礼言われると怖いわね……」
そう言いながら菜々美は涼音が座っていた席にケーキを置く。
「わあ……綺麗……」
ここねの持ってきたケーキはシンプルなホールのショートケーキなのだが、いちごの数がよく見るショートケーキよりも多く、そのいちごも切り方を工夫されている。そしてなにより、ナパージュが塗られており、宝石のように輝いて見える。
「当然よ。なんせここねが作ったんだから、美味しさも間違いなし。……食べていい?」
「ダメだよ菜々美ちゃん。これは涼音ちゃんのケーキだから」
ここねが菜々美を窘めると涼香は勝ち誇った顔をして菜々美を見る。
「涼音のものは私のものよ」
「え、先輩もたべるんですか?」
「一人で食べきれないでしょう? 遠慮しないで私に任せなさい」
涼香がそう言っていちごに手を伸ばそうとすると――。
「こらっ、まずは涼音ちゃんでしょうが!」
ペチンと涼香の手を若菜が叩く。
その隙に、ここねがケーキを六等分に分けていた。
分けた一つを紙皿に乗せて、フォークと一緒に涼音へと渡す。
「遠慮しないで、いっぱい食べてね!」
「ありがとうございます!」
ここねにお礼を言って、早速ケーキを食べる涼音であった。
「それでは、涼音のバースデーサプライズ☆を始めるわ!」
「始めるって……なにを?」
サプライズを始めるといっても、もう大成功なのだがどういう意味なのだろうか。
「バースデーサプライズ☆よ!」
「大成功ですね。ありがとうございます」
頭を下げる涼音。クラスメイト達はその光景を安心した様子で見ていた。
「甘いわね。あ、甘いと言えばケーキもあるわよ――ではなくて、バースデーサプライズ☆はこれからが本番よ」
「ケーキあるんですか⁉ でもなんでここまで……?」
まさかケーキも用意してくれているとは思わなかった。涼香の言う通り、サプライズ☆はこれからのようだ。
「なんで、と言われても――」
微笑んだ涼香がそこまで言うと、若菜が引き継いで口を開く。
「私達、結構っていうか、かなり涼音ちゃんに助けられてるからさ、そりゃあお祝いするのは当然」
他のクラスメイト達も当然だと口々に言って頷く。
「この問題児が手に負えない時に助かってるし」「涼音ちゃん可愛いし」「涼音ちゃんめちゃくちゃ苦労してるだろうからさ」「いつも助かってます」
「私に失礼ではないの?」
「とにかく、私達全員涼音ちゃんに感謝してんの。多分涼香と関わりのある子で涼音ちゃんに感謝してない人はいないと思うよ」
「そ、そうですか……」
若菜達の言葉に、顔が熱くなってきた涼音。
手で扇いで顔に風を送り、平静を装う。
そうやって口をもにょもにょさせている涼音に、涼香が優しく告げる。
「涼音、そういう時は素直になってもいいのよ」
涼香がそう言うと、涼音はゆっくりと立ち上がり、クラスメイト達を回す。
「あ……ありがとう……ござい……ます……」
顔を真っ赤にしながら、言葉を絞り出し頭を下げる。
後ろに立つ涼香が、嬉しそうな声を漏らすのが聞こえた。
「「「「「「可愛いぃぃぃぃぃ!」」」」」」
いじらしく、胸の前で両手を握ったり離したり、普段見ることができない涼音に、クラスメイト達は一斉に心を奪われる。
これが漫画やアニメならハートになった目が飛び出していたことだろう。
「あげないわよ!」
それに危機感を覚えた涼香が慌てて涼音を抱きしめる。教卓越しになっているため体勢がキツそうだった。
そんなことをしていると、教室のドアがコンコンと叩かれる。
「あら、来たようね」
クラスメイトがドアを開けるとそこにいたのは、ケーキを持った菜々美とここねであった。
「「涼音ちゃん誕生日おめでとう!」」
「あ、ありがとうございます」
「ありがとう二人とも、ケーキはここに置いて」
「涼香にお礼言われると怖いわね……」
そう言いながら菜々美は涼音が座っていた席にケーキを置く。
「わあ……綺麗……」
ここねの持ってきたケーキはシンプルなホールのショートケーキなのだが、いちごの数がよく見るショートケーキよりも多く、そのいちごも切り方を工夫されている。そしてなにより、ナパージュが塗られており、宝石のように輝いて見える。
「当然よ。なんせここねが作ったんだから、美味しさも間違いなし。……食べていい?」
「ダメだよ菜々美ちゃん。これは涼音ちゃんのケーキだから」
ここねが菜々美を窘めると涼香は勝ち誇った顔をして菜々美を見る。
「涼音のものは私のものよ」
「え、先輩もたべるんですか?」
「一人で食べきれないでしょう? 遠慮しないで私に任せなさい」
涼香がそう言っていちごに手を伸ばそうとすると――。
「こらっ、まずは涼音ちゃんでしょうが!」
ペチンと涼香の手を若菜が叩く。
その隙に、ここねがケーキを六等分に分けていた。
分けた一つを紙皿に乗せて、フォークと一緒に涼音へと渡す。
「遠慮しないで、いっぱい食べてね!」
「ありがとうございます!」
ここねにお礼を言って、早速ケーキを食べる涼音であった。
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