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7月
放課後にて 7
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「そういえば涼音。鳥に糞を落とされるとするでしょう?」
放課後の廊下を、涼香と涼音は目的もなく歩いていた。
思い出すのは今朝。歩いていたら目の前に鳥の糞が落ちてきたことだ。
「え、あ、はい」
「もしそれに当たるとするわ。それって、運が付くのか落ちるのか、ややこしいと思わない?」
「汚いと思います」
「そういうことではないのよ」
答えになっていない涼音の答えに、涼香はやれやれと肩をすくめる。涼音も涼香の言いたいことは分かっている。分かった上で適当に返しているのだ。理由は特に無い。
だから涼音はちゃんと答えてあげる。
「あれじゃないですか? 運が付くんじゃないですか?」
「私もそう思っていたのよ。理由を言ってもいい?」
「ダメです」
「相変わらず意地悪なのね。大事なのは順番よ!」
「えぇ……」
ダメって言ったじゃん……、と涼音は思ったが、まあ涼香だしなあ、と思うことにする。
「まずは鳥が糞を落とすわ。そう、運を落とされるのよ! ここテストに出るわよ、先に落とされるのよ!」
滔々と理由を説明する涼香、恐らく授業の大半をこれを考えるのに費やしていたことだろう。
傍から見れば真面目に授業を受けているように見えるのがなんともタチが悪い。
「そして運が落とされた後、運が付くのよ!」
完璧な理論でしょう? とでも言いたげな――。
「完璧な理論でしょう?」
実際に言った涼香は、恐らくこのことを言いたくて仕方が無かったのだろう。大きく息を吸い込んで、満足気に息を吐く。
「まあいいんじゃないですかね」
「もっと褒めなさい、ほらほら」
つれないことを言う涼音の頬をつんつんする涼香。
その指に涼音は噛み付こうとしたが、涼香は慌てて指を引っ込める。
「危ないではないの」
そんなことを言いながら、気がつくと二人は家庭科室前へとやって来ていた。
「行き着く先はここなのね……」
「お邪魔してもいいんですかね?」
「聞いてみましょうか」
そう言うと涼香は勢いよく家庭科室のドアを開ける。
「来たわよ!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
放課後の廊下を、涼香と涼音は目的もなく歩いていた。
思い出すのは今朝。歩いていたら目の前に鳥の糞が落ちてきたことだ。
「え、あ、はい」
「もしそれに当たるとするわ。それって、運が付くのか落ちるのか、ややこしいと思わない?」
「汚いと思います」
「そういうことではないのよ」
答えになっていない涼音の答えに、涼香はやれやれと肩をすくめる。涼音も涼香の言いたいことは分かっている。分かった上で適当に返しているのだ。理由は特に無い。
だから涼音はちゃんと答えてあげる。
「あれじゃないですか? 運が付くんじゃないですか?」
「私もそう思っていたのよ。理由を言ってもいい?」
「ダメです」
「相変わらず意地悪なのね。大事なのは順番よ!」
「えぇ……」
ダメって言ったじゃん……、と涼音は思ったが、まあ涼香だしなあ、と思うことにする。
「まずは鳥が糞を落とすわ。そう、運を落とされるのよ! ここテストに出るわよ、先に落とされるのよ!」
滔々と理由を説明する涼香、恐らく授業の大半をこれを考えるのに費やしていたことだろう。
傍から見れば真面目に授業を受けているように見えるのがなんともタチが悪い。
「そして運が落とされた後、運が付くのよ!」
完璧な理論でしょう? とでも言いたげな――。
「完璧な理論でしょう?」
実際に言った涼香は、恐らくこのことを言いたくて仕方が無かったのだろう。大きく息を吸い込んで、満足気に息を吐く。
「まあいいんじゃないですかね」
「もっと褒めなさい、ほらほら」
つれないことを言う涼音の頬をつんつんする涼香。
その指に涼音は噛み付こうとしたが、涼香は慌てて指を引っ込める。
「危ないではないの」
そんなことを言いながら、気がつくと二人は家庭科室前へとやって来ていた。
「行き着く先はここなのね……」
「お邪魔してもいいんですかね?」
「聞いてみましょうか」
そう言うと涼香は勢いよく家庭科室のドアを開ける。
「来たわよ!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
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