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6月
昼休みにて 2
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ある日の昼休み。
「先輩、昼ご飯食べましょう」
チャイムが鳴った瞬間、涼音が三年生の教室にやって来た。
あまりの速さに三年生達は肩を震わせたがその中でただ一人、肩を震わせずにいた生徒がいた。腕を組んで目を閉じ、あなたが来るのは分かっていたわ、とでも言いたげな雰囲気を醸し出している生徒。涼香である。
「涼音ちゃん、わたしの席使ってね」
「ありがとうございます」
今日は菜々美と食堂に行くのだというここねの席は涼香の隣。涼音はありがたく座らせてもらうことにする。
「待っていたわよ」
弁当を取り出しながら、涼香は自分の机を九十度動かしてここねの席にくっ付ける。涼音はやって来た涼香の机に弁当を置き、椅子を横に向けて涼香と向かい合う形になる。
二人は手を合わせる。
涼音が弁当箱を開ける。中身の半分が梅干しの乗ったご飯、もう半分が敷かれたレタスの上にある唐揚げと、カップに入ったごぼうサラダとタコさんウインナーが入っていた。
「涼音のお弁当は唐揚げなのね」
「昨日の夕食の残りですね」
「私の家はハンバーグよ」
そう言って涼香も弁当箱を開ける。ご飯とおかずの割合は涼音の弁当と同じ半分半分で、ひと口大に切られているハンバーグとブロッコリー、ちくわの炒り煮が入っていた。
「ほとんどハンバーグですね」
「はい、あーん」
涼香がハンバーグを一つ箸でつまんで涼音に差し出す。ハンバーグにはとんかつソースとケチャップ、マヨネーズを混ぜて作ったソースが付いてある。
涼音は差し出されたハンバーグを食べる。冷めても柔らかいハンバーグだ、玉ねぎの甘さをほのかに感じることができる。
「美味しいです」
そういいながら涼音も、唐揚げを一つ箸でつまんで涼香の口へ入れる。
タレの味が染みこんでいて、冷めていても揚げたてとはまた違う美味しさがある。
「やっぱりお弁当はおかず交換できるのが良いわね」
満足そうに涼香が微笑む。
こうして和やかな昼休みが過ぎていく。
「先輩、昼ご飯食べましょう」
チャイムが鳴った瞬間、涼音が三年生の教室にやって来た。
あまりの速さに三年生達は肩を震わせたがその中でただ一人、肩を震わせずにいた生徒がいた。腕を組んで目を閉じ、あなたが来るのは分かっていたわ、とでも言いたげな雰囲気を醸し出している生徒。涼香である。
「涼音ちゃん、わたしの席使ってね」
「ありがとうございます」
今日は菜々美と食堂に行くのだというここねの席は涼香の隣。涼音はありがたく座らせてもらうことにする。
「待っていたわよ」
弁当を取り出しながら、涼香は自分の机を九十度動かしてここねの席にくっ付ける。涼音はやって来た涼香の机に弁当を置き、椅子を横に向けて涼香と向かい合う形になる。
二人は手を合わせる。
涼音が弁当箱を開ける。中身の半分が梅干しの乗ったご飯、もう半分が敷かれたレタスの上にある唐揚げと、カップに入ったごぼうサラダとタコさんウインナーが入っていた。
「涼音のお弁当は唐揚げなのね」
「昨日の夕食の残りですね」
「私の家はハンバーグよ」
そう言って涼香も弁当箱を開ける。ご飯とおかずの割合は涼音の弁当と同じ半分半分で、ひと口大に切られているハンバーグとブロッコリー、ちくわの炒り煮が入っていた。
「ほとんどハンバーグですね」
「はい、あーん」
涼香がハンバーグを一つ箸でつまんで涼音に差し出す。ハンバーグにはとんかつソースとケチャップ、マヨネーズを混ぜて作ったソースが付いてある。
涼音は差し出されたハンバーグを食べる。冷めても柔らかいハンバーグだ、玉ねぎの甘さをほのかに感じることができる。
「美味しいです」
そういいながら涼音も、唐揚げを一つ箸でつまんで涼香の口へ入れる。
タレの味が染みこんでいて、冷めていても揚げたてとはまた違う美味しさがある。
「やっぱりお弁当はおかず交換できるのが良いわね」
満足そうに涼香が微笑む。
こうして和やかな昼休みが過ぎていく。
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