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過去編
1.笑みの裏には
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俺の家族は優しくてちょっとぽっちゃりな父さんと厳しいけどしっかり者の母さん、高校2年でもうすぐ受験期な俺と今年中学になったばっかりの素直で可愛い遥輝の4人家族だ。
そしてある時から地獄が始まった。
父さんは満面の笑みを浮かべていつもより早い時間に帰ってきた。
「あなたどうしたのよ?こんな早くに帰ってきて。」
「いやぁ~朗報だよ朗報!!」
「はぁ…。もったいぶらずに早くいいなさいよ。」
「まぁまぁ。焦らなくても逃げないよ。ほら落ち着いて。夕食の時に言うからさ」
そう言いながら玄関先でいちゃいちゃしている。
俺も高校から帰ってきてすぐだったし遥輝も中学から帰ってきてすぐだ。
なんて目の毒なんだろうかと呆れながらも遥輝と目を合わせる。
どうやら遥輝も気になってはいるみたいだ。
「それで?なんなのよ朗報って。」
「実はなぁ…やky「良いよ。そんな前フリ。早く言って」」
遥輝は良くも悪くも素直だ。
「ははっ…相変わらず遥輝は冷たいなぁ。実はな。なんと…部長に就任できたのさ!」
「なに?!部長ですって!あなたそれ帰ってくる前に連絡くれなくちゃお祝いできないじゃないの!」
「ごめんごめんすっかり忘れていたよ。てへっ」
「おっさんがそんな事やってもかわいくないよ」
遥輝…
ほら、父さんも母さんも苦笑いしちゃってるじゃないか…
取り敢えず冷蔵庫にあったものだけで盛大に祝ってその日は暮れた。
何時も9時には絶対に家に帰ってきてた父さんはその日から帰ってくるのが目に見えるように遅くなった。
どうやら仕事が忙しいらしい。
時には朝になってから帰ってきたこともある。
最初こそ心配してたがそれがいつもとなると慣れてしまった。
ある日俺が友達と遅くまでカラオケに行った帰りの事だった。
「なあ涼斗お前どうする?もう帰る?」
「あー、俺は母さんからお使い頼まれてるから買い物してから帰るよ」
「そっか。俺らは帰るから気をつけろよ~。」
「ん。サンキュ」
俺の家の近くにショッピングモールがあって良かった。
ここだけで事足りるのはありがたいな。そう思いながら母さんに頼まれたものを買っていく。
全部買い終わってから帰ろうとしたその時だった。
「…ですもんね~部長」
「いやぁそれほどでもないさ」
だんだん声が近くなる。男の人と女の人の声だ。男の人の声に聞き覚えがないと言ったら全くの嘘だ。
聞き間違うはずがない。父さんの声だ。でも父さんは仕事なんじゃ…
自分の考えに不信感を持ちながらも声のした方を盗み見る。
すると案の定。父さんと会社の後輩?らしき女の人がちょうど2人でブランド物の店に入っていくところだった。
女の人の顔は若干引きつりながらも裏のありそうな笑顔を浮かべている。
父さんの視線が女の人のお尻に向いているのが原因だろう。
嫌な予感がする…
この時の俺は”嫌な予感”が違う方に働くとは思っても見なかった。
入ってから1時間たったくらいだろうか、父さんと女の人が出てきた。
タイミングを見計らって声をかけに行く。
「父さん!何やってるのこんなところで?仕事はどうしたの?」
「えっ…父さ「いやぁ誰だい君?君みたいな子見覚えないけど。というか僕に子供なんていないんだけど?見間違いじゃないのかい?」」
「さぁさぁ。こんな子供はほっておいて行こうか平岡君」
「えっ…あ、はい!」
そう言って2人はそそくさと行ってしまった。
やはり嫌な予感はあたってたみたいだ。
母さんに言うべきか。どうするのが正解か。
悩んでるうちにも家に着いてしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうもこんにちは!
作者です!!
早く異世界編に入りたいんで異世界編入るまでは投稿頻度高めにしたいと思います!
若干わかりづらいところがあるかもしれませんが生暖かい目で読んでいただけると幸いです!
こんな拙い文章にお気に入り登録10以上もありがとうございます🎊🎉✨✨
※ちなみに作者は主人公のお父さんみたいな人めっちゃ苦手です
そしてある時から地獄が始まった。
父さんは満面の笑みを浮かべていつもより早い時間に帰ってきた。
「あなたどうしたのよ?こんな早くに帰ってきて。」
「いやぁ~朗報だよ朗報!!」
「はぁ…。もったいぶらずに早くいいなさいよ。」
「まぁまぁ。焦らなくても逃げないよ。ほら落ち着いて。夕食の時に言うからさ」
そう言いながら玄関先でいちゃいちゃしている。
俺も高校から帰ってきてすぐだったし遥輝も中学から帰ってきてすぐだ。
なんて目の毒なんだろうかと呆れながらも遥輝と目を合わせる。
どうやら遥輝も気になってはいるみたいだ。
「それで?なんなのよ朗報って。」
「実はなぁ…やky「良いよ。そんな前フリ。早く言って」」
遥輝は良くも悪くも素直だ。
「ははっ…相変わらず遥輝は冷たいなぁ。実はな。なんと…部長に就任できたのさ!」
「なに?!部長ですって!あなたそれ帰ってくる前に連絡くれなくちゃお祝いできないじゃないの!」
「ごめんごめんすっかり忘れていたよ。てへっ」
「おっさんがそんな事やってもかわいくないよ」
遥輝…
ほら、父さんも母さんも苦笑いしちゃってるじゃないか…
取り敢えず冷蔵庫にあったものだけで盛大に祝ってその日は暮れた。
何時も9時には絶対に家に帰ってきてた父さんはその日から帰ってくるのが目に見えるように遅くなった。
どうやら仕事が忙しいらしい。
時には朝になってから帰ってきたこともある。
最初こそ心配してたがそれがいつもとなると慣れてしまった。
ある日俺が友達と遅くまでカラオケに行った帰りの事だった。
「なあ涼斗お前どうする?もう帰る?」
「あー、俺は母さんからお使い頼まれてるから買い物してから帰るよ」
「そっか。俺らは帰るから気をつけろよ~。」
「ん。サンキュ」
俺の家の近くにショッピングモールがあって良かった。
ここだけで事足りるのはありがたいな。そう思いながら母さんに頼まれたものを買っていく。
全部買い終わってから帰ろうとしたその時だった。
「…ですもんね~部長」
「いやぁそれほどでもないさ」
だんだん声が近くなる。男の人と女の人の声だ。男の人の声に聞き覚えがないと言ったら全くの嘘だ。
聞き間違うはずがない。父さんの声だ。でも父さんは仕事なんじゃ…
自分の考えに不信感を持ちながらも声のした方を盗み見る。
すると案の定。父さんと会社の後輩?らしき女の人がちょうど2人でブランド物の店に入っていくところだった。
女の人の顔は若干引きつりながらも裏のありそうな笑顔を浮かべている。
父さんの視線が女の人のお尻に向いているのが原因だろう。
嫌な予感がする…
この時の俺は”嫌な予感”が違う方に働くとは思っても見なかった。
入ってから1時間たったくらいだろうか、父さんと女の人が出てきた。
タイミングを見計らって声をかけに行く。
「父さん!何やってるのこんなところで?仕事はどうしたの?」
「えっ…父さ「いやぁ誰だい君?君みたいな子見覚えないけど。というか僕に子供なんていないんだけど?見間違いじゃないのかい?」」
「さぁさぁ。こんな子供はほっておいて行こうか平岡君」
「えっ…あ、はい!」
そう言って2人はそそくさと行ってしまった。
やはり嫌な予感はあたってたみたいだ。
母さんに言うべきか。どうするのが正解か。
悩んでるうちにも家に着いてしまった。
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どうもこんにちは!
作者です!!
早く異世界編に入りたいんで異世界編入るまでは投稿頻度高めにしたいと思います!
若干わかりづらいところがあるかもしれませんが生暖かい目で読んでいただけると幸いです!
こんな拙い文章にお気に入り登録10以上もありがとうございます🎊🎉✨✨
※ちなみに作者は主人公のお父さんみたいな人めっちゃ苦手です
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