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はじまり
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次の日
学校に着くと、やはりみんなからの視線は良いものではなかった。
_____胃が痛い。。。
結菜は休めばよかった。と心底思ったが、成績や、その後の進路のためにも欠席は避けたかった。
朝のホームルームが始まりやっと視線から解放されると、
結菜は窓の外に視線を移した。
特に見るものもなかったが、空をぼーっと眺めるのは好きだった。
「あー!後、新川!!!」
ホームルームももう終わりという時に、名前を呼ばれた。
結菜はいきなりのことで、びっくりした。
「……はい」
「今日昼休み、化学準備室に来てくれ」
「わかりました」
_____どうして?
と思ったが、あまりみんなの前で奥田先生と話したくなかった彼女は、承諾した。
ホームルームが終わるとやはり、先ほどのことが話題にあがっていた。
「センセーのお気に入りなんじゃない?」
「狙ってんのかな?インキャのくせに」
「………っ、、、」
わざと聞こえるように言っているのかはわからないが、自分のことだろうと思うとまた心臓が痛くなった。
オマケに隣の颯の席には女子も男子も群がっている。
あまり自己主張はしないものの颯は男女問わず人気者だ。
「ねぇ~颯くん、先生絶対贔屓してるよねー」
「颯はどう思う?」
「ってかお前委員会一緒じゃん!かわいそー!」
颯は、結菜の話題に対して、笑って誤魔化しているようにも見えた。
1限が始まりやっと静かになったと思った時。
…ツンツン
肘を突かれた気がして、結菜は横を見た。
「…………」
「…あんま気にすんなよ…?」
「………ありがとう」
なぜそんなことをわざわざ言ってくるのか結菜には理解ができなかった。
別に、颯は結菜と関わる必要がないのはもちろん、結菜がどうなろうと関係ないからだ。
委員会が一緒だからって、今のところ特に話すことはないし、いちいち気を遣ってくれなくても良いのにと結菜は思っていた。
あっという間に4限が終わり、昼休みになった。
_____正直、行きたくないな。
重い足取りで化学準備室に向かう。
彼はもう前で待っていた。
「…どうしましたか?」
「いや、一緒に飯食おうよ!」
「………なんでですか?」
「…お前食ってないだろ昨日。いいから行くぞ」
腕を引かれて、化学準備室の端にあった扉を開いた。
そこ開くんだ、と結菜はそっちの方が気になった。
「ここな、ここの通路通ると学食行けるんだよ、みんなが行く道は混んでるから、こっちから行くのがおすすめ」
「…そうなんですね」
確かに、反対側の通路では順番待ちの列が見えた。
学食はすごい人だった。
「この学校学食すごい力入れてるから、謎に昼休憩長いんだよ」
確かに、そうだった。
成城高校の昼休憩は、1時間半もある。
長すぎるくらいだ。
だからほとんどの部活が昼練がある。
反対側から来たのもあって端っこの席が取れた。
あまり奥田先生と一緒にいるところを見られたくなかった結菜は食べやすそうなカレーを頼んだ。
「……いただきます」
横を見ると彼もカレーにしていた。
ものの数分で食べ終わると、結菜は席を立とうとしが、腕を掴まれて阻止された。
「頼みたいことがあるんだよ。」
「………わかりました」
断ることもできず、また化学準備室へ戻る。
「……はい。、あんなに急いで食べなくてもよかったのに」
昨日のようにソファに座らされ、そう言いながら彼はココアを差し出した。
「そんなにみんなに見られるのが嫌だったか?」
「………いえ、」
まだ淹れたての暖かいココアに口をつける。
「……そうか、まぁいいんだけどねー。その方が。」
「…ぇ……?」
先生は笑いながらそう言ったが目が笑っていない気がした。
会話の意図もなんだか結菜が思っていたのと違う気がした。
「……あの、頼まれごとって」
嫌な雰囲気を感じ取った結菜は早く用事を終わらせたかった。
「……あー、、、それはね。」
そこで結菜の意識は途絶えた。
学校に着くと、やはりみんなからの視線は良いものではなかった。
_____胃が痛い。。。
結菜は休めばよかった。と心底思ったが、成績や、その後の進路のためにも欠席は避けたかった。
朝のホームルームが始まりやっと視線から解放されると、
結菜は窓の外に視線を移した。
特に見るものもなかったが、空をぼーっと眺めるのは好きだった。
「あー!後、新川!!!」
ホームルームももう終わりという時に、名前を呼ばれた。
結菜はいきなりのことで、びっくりした。
「……はい」
「今日昼休み、化学準備室に来てくれ」
「わかりました」
_____どうして?
と思ったが、あまりみんなの前で奥田先生と話したくなかった彼女は、承諾した。
ホームルームが終わるとやはり、先ほどのことが話題にあがっていた。
「センセーのお気に入りなんじゃない?」
「狙ってんのかな?インキャのくせに」
「………っ、、、」
わざと聞こえるように言っているのかはわからないが、自分のことだろうと思うとまた心臓が痛くなった。
オマケに隣の颯の席には女子も男子も群がっている。
あまり自己主張はしないものの颯は男女問わず人気者だ。
「ねぇ~颯くん、先生絶対贔屓してるよねー」
「颯はどう思う?」
「ってかお前委員会一緒じゃん!かわいそー!」
颯は、結菜の話題に対して、笑って誤魔化しているようにも見えた。
1限が始まりやっと静かになったと思った時。
…ツンツン
肘を突かれた気がして、結菜は横を見た。
「…………」
「…あんま気にすんなよ…?」
「………ありがとう」
なぜそんなことをわざわざ言ってくるのか結菜には理解ができなかった。
別に、颯は結菜と関わる必要がないのはもちろん、結菜がどうなろうと関係ないからだ。
委員会が一緒だからって、今のところ特に話すことはないし、いちいち気を遣ってくれなくても良いのにと結菜は思っていた。
あっという間に4限が終わり、昼休みになった。
_____正直、行きたくないな。
重い足取りで化学準備室に向かう。
彼はもう前で待っていた。
「…どうしましたか?」
「いや、一緒に飯食おうよ!」
「………なんでですか?」
「…お前食ってないだろ昨日。いいから行くぞ」
腕を引かれて、化学準備室の端にあった扉を開いた。
そこ開くんだ、と結菜はそっちの方が気になった。
「ここな、ここの通路通ると学食行けるんだよ、みんなが行く道は混んでるから、こっちから行くのがおすすめ」
「…そうなんですね」
確かに、反対側の通路では順番待ちの列が見えた。
学食はすごい人だった。
「この学校学食すごい力入れてるから、謎に昼休憩長いんだよ」
確かに、そうだった。
成城高校の昼休憩は、1時間半もある。
長すぎるくらいだ。
だからほとんどの部活が昼練がある。
反対側から来たのもあって端っこの席が取れた。
あまり奥田先生と一緒にいるところを見られたくなかった結菜は食べやすそうなカレーを頼んだ。
「……いただきます」
横を見ると彼もカレーにしていた。
ものの数分で食べ終わると、結菜は席を立とうとしが、腕を掴まれて阻止された。
「頼みたいことがあるんだよ。」
「………わかりました」
断ることもできず、また化学準備室へ戻る。
「……はい。、あんなに急いで食べなくてもよかったのに」
昨日のようにソファに座らされ、そう言いながら彼はココアを差し出した。
「そんなにみんなに見られるのが嫌だったか?」
「………いえ、」
まだ淹れたての暖かいココアに口をつける。
「……そうか、まぁいいんだけどねー。その方が。」
「…ぇ……?」
先生は笑いながらそう言ったが目が笑っていない気がした。
会話の意図もなんだか結菜が思っていたのと違う気がした。
「……あの、頼まれごとって」
嫌な雰囲気を感じ取った結菜は早く用事を終わらせたかった。
「……あー、、、それはね。」
そこで結菜の意識は途絶えた。
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