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No.6
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エイルさんはにっこにこしながら『テンタクルの卵』と『孵化装置』を持って主寝室に消えてった。
『テンタクルの卵』を孵化させると、触手が出てくるんだって。
この触手は愛玩動物の1種で、老若男女問わず、持っている人は持っているらしい。
ただ、知ってる人は知っている。
触 手 プ レ イ 。
勿論そういう使い方をする人もいるよね。
愛玩動物として可愛がるもよし、プレイで使うもよし……。
使い方は飼い主によるんだって。
……………エイルさんはどう使うんだろうね……。
ま、まぁ、わたしのスマホにその卵があったことで、エイルさんの知的好奇心が刺激されたんだって。
育ててみたい、って。
今まで見たことはあっても育てたことはなかったとかで。
だから本屋さんでテンタクル関係の本を探してた、というわけよ。
玉藻さんもそういうことに使うって知ってたから、本屋さんで驚いてたんだな……。
そうしてただ今、嬉嬉として主寝室へ行ってしまった、と……。
変 態 に は 育 て な い で ね ! ?
ああ……なんか怖い………。
でもあげちゃったし……エイルさんを、信じよう、うん。
「主、湯が沸きました」
「えっ?」
リビングで1人、ゲンド〇ポーズで悶々としていたら、玉藻さんが声をかけてきた。
湯が沸いた?
それってつまりお風呂ですか!?
いつの間に!
「タオルと夜着は宿のもので間に合うでしょう。洗い場に石鹸等も置いておきましたから、どうぞ」
「はわわ、ありがとうございます。すいません、玉藻さん!」
ぼーっとしててそこら辺全部玉藻さんにさせてしまった……!
いけないいけない、しっかりしなくちゃね。
お風呂いただきます、と玉藻さんに言って脱衣場に向かう。
扉を開けば目の前に洗面台と大きな鏡。
左は普通の扉で、右はすりガラスの扉があった。
左がトイレで右がお風呂か。
棚があって、タオルやバスローブがそこに畳んで仕舞われていた。
「こ、高級感満載……」
ぶつけて壊したりしたら怖い……。
恐る恐る服を脱ぎ、下着を隠すように挟んで床にあった籠に入れる。
フェイスタオルで色々隠しながら、すりガラスの扉を開ければそこには大きな浴槽が。
「う……うぉぉ……」
感動すればいいのか分不相応だとキョドればいいのかよくわからず、中途半端な感動の声を上げてしまった。
浴槽にね、浮いてたんですよ。
真 っ 赤 な 薔 薇 の 花 び ら が 。
浴槽の側にしゃがみ込み、そっと手に取れば疑いようもなく生花でした。
高級感溢れすぎじゃね!?
贅沢すぎる!
でも嬉しい……!
生花を浮かべるとか、普通出来ないもんね。
どれだけの薔薇がここにあるんだろう……。
この世界の生花って幾らするんだろう……。
「……せ、せっかく用意してくれたんだし、貧乏臭いこと言わずに喜んどこう、うん」
ありがとう玉藻さん!
感謝感激雨霰!
よし、バラ風呂をゆっくりじっくり堪能するために、まず洗おう。
よくよく考えたら女神様の元でも結構な時間を過ごしたし、今日も1日歩いたりしてたから汚れまくってるんじゃね?
ヤバイ……もしかしたら臭かったかもしんない……。
洗い場にあるものは、向こうと変わらなかった。
シャワーがあって、蛇口がある。
2色ずつあるそれぞれのコックに魔力を流せばお湯もお水も出る。
そして排水口がポツンとあってお湯が全て流れていく。
正面には鏡があって、その横にある小さなラックにはエイルさんと選んだ石鹸があった。
この世界にはシャンプー、リンスといったものはないらしい。
だけど、毛並みもっふあもっふあな獣族の人用に、トリートメントはあるんだって。
人間の髪の毛にいいかどうかはわからないという話をエイルさんとしたんだけど、そうしたら今度人間用のトリートメントを作ってみようという話になった。
嬉しいねぇ。
わたしかなり雑な洗い方してるし、トリートメントは欲しい。
あ、わたしの髪の毛は真っ黒です。
純日本人なんでね。
ここに来て鏡で漸く自分の姿を確認出来ました。
髪の長さは背中の真ん中に届くか届かないか、っていう長さ。
顔立ちは……うん、わたしのまんまだった。
平凡ですいません……。
誰 も 困 ら な い け ど ね !
頭をわっしゃわっしゃ洗って、持って入ったタオルに石鹸を擦り付ける。
この石鹸は肌にいいし、ついでに少し薔薇の香りがするものだ。
薔薇が好きだと言ったから、バラ風呂なんだろうなぁ。
ミルク風呂も好きです!
全身、頭から足の先までをしっかり洗っていざゆかん浴槽へ!
「あ゛ぁ゛ぁぁ…………」
ざぱぁ、と溢れるお湯の音に混じって乙女にあるまじき声が響いた。
そこ、乙女って誰だとか言わない。
だって気持ちいいんだもん!
「ふんふんふふふぅ~ん♪」
この世界では色々なものに魔力を使うんだけど、わたし魔力あってよかったなぁ。
自分じゃあわかんないけどね。
あ、後で奴隷に関する本読もう。
一定量の魔力を渡さないといけないって言ってたし、ちゃんと把握しとかないと困るもんね。
わたしの魔力量がわかんないけどお金ならあるし、もう1人ぐらい奴隷養えるんじゃないかな。
一緒に家事出来る子とかいないかなぁ。
そうしたら家買ってもいいかも。
それで色々勉強して、街の外に出てみるってのもいいよね。
あ、そうすると護衛が足りないかも。
わからないままここまで来たけど、楽しまないと損だよね?
よし、後で玉藻さんと話そう。
「主様ぁ!」
「ひゃぁああ!?」
鼻歌を歌いながら考えてた所にエイルさんが勢いよく扉を開けて飛び込んで来た。
びっくりしたわぁ……。
ドッキドキしてる胸を押さえながら後ろを振り返る。
エ イ ル さ ん ス ッ ポ ン ポ ン な ん で す け ど ! ?
待って、少しぐらい隠そう?
いくら同性でも目のやり場に困るからね?
エイルさんスタイル良すぎて目の保養とか言っちゃうけどさ。
「わたしもご一緒していいかしらぁ?」
「既にご一緒する気満々ですよね?」
「まあね」
そこで胸を張らなくてもいいんです。
お胸様がたゆんたゆんされております。
ハリもあって大きさもあるいいお胸様ですね。
どうぞ、と答えればエイルさんは洗い場にある椅子に腰掛けて洗い出した。
後ろからエイルさんの姿を見てるんだけど、ホント綺麗な体してるわ。
なだらかな女性らしい緩やかな曲線美。
ウエストもくびれてて、お尻がぷりっとしてる。
……はっ!
わ た し お っ さ ん じ ゃ な い か ら !
ただの……ただのあれよ!
綺麗だなーっていう賛辞をだね!
おっさんじゃないから!
慌ててエイルさんから視線を外し、鼻の下までお湯に浸かる。
うう……。
わたし変態じゃないもん。
ホント、エイルさんが綺麗なんだよぉ……。
それだけなんだよぉ……。
妄想はするけどぉ……。
「どうしたのかしら、主様?」
「あ、いや、なんでもないデス」
こちらを振り返り不思議そうにするエイルさんに両手を振って誤魔化す。
やましいことはしてないんですがね!
全身を洗い終わったエイルさんが濡れた髪を纏めて左の肩から流す。
いろっぺぇ……!
「ねぇん、主様ぁ。少しお願いがあるんだけどぉ」
な ん で す と ! ?
にっこり……いや、にんまりと微笑むエイルさんに嫌な予感再び……!
だが逃げ場はない……!
何を言われるのかとエイルさんと恐々視線を交わらせると手招きされた。
エイルさんに裸を晒すなんて出来ねぇ!
こんなたるんたるんの体見せるなんて犯罪だ!
あ、今はそこまででもない……かな?
でもでも綺麗な人に自分の裸見せるとか恥ずかしいっていうか申し訳ないっていうかぁ……!
「痛いことはしないからぁ」
痛 い こ と っ て な に ! ?
どうしてここで痛いこととか出てくるの!?
動けないわたしを安心させるように微笑んでくれるけど、逆効果です!!
今何されるかわからない恐怖しかないよ!?
「あの、何をするんですか……?」
「あのねぇ、さっきテンタクルの卵貰ったでしょぉ?それに主様の魔力が篭った蜜が欲しいのぉ」
「…………ああ、魔力。え?蜜?」
「そう、『魔力の篭った蜜』よぉ」
「……それだけ?」
「そうよぉ。テンタクルも魔力が生命力になるし、栄養になるのよぉ」
なるほど。
魔力の篭った蜜をあげる、かぁ。
え、でも魔力の篭った蜜ってなんだろう?
水の聞き間違い?
いやでも蜜って頷いた……よね?
蜜が何かはわからないけど、それぐらいならまあ……いいかな。
別にあげて直ぐ何かあるわけじゃないだろうし。
「わかりました。魔力をあげればいいんですね?」
「ええ、だからちょっとこっちに来て欲しいのぉ」
そう言ってエイルさんはどこに持っていたのか、小さな瓶を手にして軽く振っていた。
その瓶を床にそっと置くと椅子から下りてぺたりと床に座り込む。
そしてたおやかなその手でわたしを手招きする。
あの瓶に魔力を溜めるのかな?
もしかしたら水に魔力を込めると蜜になるのかも?
どういう原理かわからないけれど、どうやらここで魔力を渡すことは決まっているようだ。
エイルさんにわたしの体を見せるのは気が引けるんですが……。
でもエイルさんは目で急かしてくるし……。
仕方が無い、か。
ここは恥を忍んで……でもなるべく見えないようにしよう。
立ち上がるとザバリ、とお湯が揺れて音がした。
なるべく腕であっちこっちを隠しつつ、エイルさんの前に移動する。
ああ、恥ずかしい!
でも直ぐ済むよね。
魔力渡すだけだし。
…………あれ、でもエイルさん……さっき何か含みのある言い方しなかった?
『テンタクルの卵』を孵化させると、触手が出てくるんだって。
この触手は愛玩動物の1種で、老若男女問わず、持っている人は持っているらしい。
ただ、知ってる人は知っている。
触 手 プ レ イ 。
勿論そういう使い方をする人もいるよね。
愛玩動物として可愛がるもよし、プレイで使うもよし……。
使い方は飼い主によるんだって。
……………エイルさんはどう使うんだろうね……。
ま、まぁ、わたしのスマホにその卵があったことで、エイルさんの知的好奇心が刺激されたんだって。
育ててみたい、って。
今まで見たことはあっても育てたことはなかったとかで。
だから本屋さんでテンタクル関係の本を探してた、というわけよ。
玉藻さんもそういうことに使うって知ってたから、本屋さんで驚いてたんだな……。
そうしてただ今、嬉嬉として主寝室へ行ってしまった、と……。
変 態 に は 育 て な い で ね ! ?
ああ……なんか怖い………。
でもあげちゃったし……エイルさんを、信じよう、うん。
「主、湯が沸きました」
「えっ?」
リビングで1人、ゲンド〇ポーズで悶々としていたら、玉藻さんが声をかけてきた。
湯が沸いた?
それってつまりお風呂ですか!?
いつの間に!
「タオルと夜着は宿のもので間に合うでしょう。洗い場に石鹸等も置いておきましたから、どうぞ」
「はわわ、ありがとうございます。すいません、玉藻さん!」
ぼーっとしててそこら辺全部玉藻さんにさせてしまった……!
いけないいけない、しっかりしなくちゃね。
お風呂いただきます、と玉藻さんに言って脱衣場に向かう。
扉を開けば目の前に洗面台と大きな鏡。
左は普通の扉で、右はすりガラスの扉があった。
左がトイレで右がお風呂か。
棚があって、タオルやバスローブがそこに畳んで仕舞われていた。
「こ、高級感満載……」
ぶつけて壊したりしたら怖い……。
恐る恐る服を脱ぎ、下着を隠すように挟んで床にあった籠に入れる。
フェイスタオルで色々隠しながら、すりガラスの扉を開ければそこには大きな浴槽が。
「う……うぉぉ……」
感動すればいいのか分不相応だとキョドればいいのかよくわからず、中途半端な感動の声を上げてしまった。
浴槽にね、浮いてたんですよ。
真 っ 赤 な 薔 薇 の 花 び ら が 。
浴槽の側にしゃがみ込み、そっと手に取れば疑いようもなく生花でした。
高級感溢れすぎじゃね!?
贅沢すぎる!
でも嬉しい……!
生花を浮かべるとか、普通出来ないもんね。
どれだけの薔薇がここにあるんだろう……。
この世界の生花って幾らするんだろう……。
「……せ、せっかく用意してくれたんだし、貧乏臭いこと言わずに喜んどこう、うん」
ありがとう玉藻さん!
感謝感激雨霰!
よし、バラ風呂をゆっくりじっくり堪能するために、まず洗おう。
よくよく考えたら女神様の元でも結構な時間を過ごしたし、今日も1日歩いたりしてたから汚れまくってるんじゃね?
ヤバイ……もしかしたら臭かったかもしんない……。
洗い場にあるものは、向こうと変わらなかった。
シャワーがあって、蛇口がある。
2色ずつあるそれぞれのコックに魔力を流せばお湯もお水も出る。
そして排水口がポツンとあってお湯が全て流れていく。
正面には鏡があって、その横にある小さなラックにはエイルさんと選んだ石鹸があった。
この世界にはシャンプー、リンスといったものはないらしい。
だけど、毛並みもっふあもっふあな獣族の人用に、トリートメントはあるんだって。
人間の髪の毛にいいかどうかはわからないという話をエイルさんとしたんだけど、そうしたら今度人間用のトリートメントを作ってみようという話になった。
嬉しいねぇ。
わたしかなり雑な洗い方してるし、トリートメントは欲しい。
あ、わたしの髪の毛は真っ黒です。
純日本人なんでね。
ここに来て鏡で漸く自分の姿を確認出来ました。
髪の長さは背中の真ん中に届くか届かないか、っていう長さ。
顔立ちは……うん、わたしのまんまだった。
平凡ですいません……。
誰 も 困 ら な い け ど ね !
頭をわっしゃわっしゃ洗って、持って入ったタオルに石鹸を擦り付ける。
この石鹸は肌にいいし、ついでに少し薔薇の香りがするものだ。
薔薇が好きだと言ったから、バラ風呂なんだろうなぁ。
ミルク風呂も好きです!
全身、頭から足の先までをしっかり洗っていざゆかん浴槽へ!
「あ゛ぁ゛ぁぁ…………」
ざぱぁ、と溢れるお湯の音に混じって乙女にあるまじき声が響いた。
そこ、乙女って誰だとか言わない。
だって気持ちいいんだもん!
「ふんふんふふふぅ~ん♪」
この世界では色々なものに魔力を使うんだけど、わたし魔力あってよかったなぁ。
自分じゃあわかんないけどね。
あ、後で奴隷に関する本読もう。
一定量の魔力を渡さないといけないって言ってたし、ちゃんと把握しとかないと困るもんね。
わたしの魔力量がわかんないけどお金ならあるし、もう1人ぐらい奴隷養えるんじゃないかな。
一緒に家事出来る子とかいないかなぁ。
そうしたら家買ってもいいかも。
それで色々勉強して、街の外に出てみるってのもいいよね。
あ、そうすると護衛が足りないかも。
わからないままここまで来たけど、楽しまないと損だよね?
よし、後で玉藻さんと話そう。
「主様ぁ!」
「ひゃぁああ!?」
鼻歌を歌いながら考えてた所にエイルさんが勢いよく扉を開けて飛び込んで来た。
びっくりしたわぁ……。
ドッキドキしてる胸を押さえながら後ろを振り返る。
エ イ ル さ ん ス ッ ポ ン ポ ン な ん で す け ど ! ?
待って、少しぐらい隠そう?
いくら同性でも目のやり場に困るからね?
エイルさんスタイル良すぎて目の保養とか言っちゃうけどさ。
「わたしもご一緒していいかしらぁ?」
「既にご一緒する気満々ですよね?」
「まあね」
そこで胸を張らなくてもいいんです。
お胸様がたゆんたゆんされております。
ハリもあって大きさもあるいいお胸様ですね。
どうぞ、と答えればエイルさんは洗い場にある椅子に腰掛けて洗い出した。
後ろからエイルさんの姿を見てるんだけど、ホント綺麗な体してるわ。
なだらかな女性らしい緩やかな曲線美。
ウエストもくびれてて、お尻がぷりっとしてる。
……はっ!
わ た し お っ さ ん じ ゃ な い か ら !
ただの……ただのあれよ!
綺麗だなーっていう賛辞をだね!
おっさんじゃないから!
慌ててエイルさんから視線を外し、鼻の下までお湯に浸かる。
うう……。
わたし変態じゃないもん。
ホント、エイルさんが綺麗なんだよぉ……。
それだけなんだよぉ……。
妄想はするけどぉ……。
「どうしたのかしら、主様?」
「あ、いや、なんでもないデス」
こちらを振り返り不思議そうにするエイルさんに両手を振って誤魔化す。
やましいことはしてないんですがね!
全身を洗い終わったエイルさんが濡れた髪を纏めて左の肩から流す。
いろっぺぇ……!
「ねぇん、主様ぁ。少しお願いがあるんだけどぉ」
な ん で す と ! ?
にっこり……いや、にんまりと微笑むエイルさんに嫌な予感再び……!
だが逃げ場はない……!
何を言われるのかとエイルさんと恐々視線を交わらせると手招きされた。
エイルさんに裸を晒すなんて出来ねぇ!
こんなたるんたるんの体見せるなんて犯罪だ!
あ、今はそこまででもない……かな?
でもでも綺麗な人に自分の裸見せるとか恥ずかしいっていうか申し訳ないっていうかぁ……!
「痛いことはしないからぁ」
痛 い こ と っ て な に ! ?
どうしてここで痛いこととか出てくるの!?
動けないわたしを安心させるように微笑んでくれるけど、逆効果です!!
今何されるかわからない恐怖しかないよ!?
「あの、何をするんですか……?」
「あのねぇ、さっきテンタクルの卵貰ったでしょぉ?それに主様の魔力が篭った蜜が欲しいのぉ」
「…………ああ、魔力。え?蜜?」
「そう、『魔力の篭った蜜』よぉ」
「……それだけ?」
「そうよぉ。テンタクルも魔力が生命力になるし、栄養になるのよぉ」
なるほど。
魔力の篭った蜜をあげる、かぁ。
え、でも魔力の篭った蜜ってなんだろう?
水の聞き間違い?
いやでも蜜って頷いた……よね?
蜜が何かはわからないけど、それぐらいならまあ……いいかな。
別にあげて直ぐ何かあるわけじゃないだろうし。
「わかりました。魔力をあげればいいんですね?」
「ええ、だからちょっとこっちに来て欲しいのぉ」
そう言ってエイルさんはどこに持っていたのか、小さな瓶を手にして軽く振っていた。
その瓶を床にそっと置くと椅子から下りてぺたりと床に座り込む。
そしてたおやかなその手でわたしを手招きする。
あの瓶に魔力を溜めるのかな?
もしかしたら水に魔力を込めると蜜になるのかも?
どういう原理かわからないけれど、どうやらここで魔力を渡すことは決まっているようだ。
エイルさんにわたしの体を見せるのは気が引けるんですが……。
でもエイルさんは目で急かしてくるし……。
仕方が無い、か。
ここは恥を忍んで……でもなるべく見えないようにしよう。
立ち上がるとザバリ、とお湯が揺れて音がした。
なるべく腕であっちこっちを隠しつつ、エイルさんの前に移動する。
ああ、恥ずかしい!
でも直ぐ済むよね。
魔力渡すだけだし。
…………あれ、でもエイルさん……さっき何か含みのある言い方しなかった?
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