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NO.17

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 ナーガさんの部屋からどこか違う部屋へ移動することになったわたし達。
 先頭はナーガさん。
 連れられて向かったのは、お姉様方が集まる控え室みたいな部屋でした。

「ねぇねぇ、これの色違いはないの?」
「あ、あたしこれがいいー」
「これとこれ、……いえ、こっちがいいかしら……」

 お姉様方の食い付きが良くてわたしはほくほくです。
 部屋の真ん中にあった少し大きいローテーブルの上に広げられたセクシーランジェリーは、どれも興味を引かれた模様。

「え、こんな下布あるんだ」
「あ、僕これがいいなー」

 隣のテーブルには男性用のセクシーランジェリーが広げられている。
 作っておいて良かった!
 いるかわかんなかったけど、男娼用も作っておいたんです。
 わたしはお姉様方に求められるまま説明を繰り返しています。
 口が疲れてきた……。

 皆さんが熱心なのは、興味を持っただけじゃなく……気に入ったものはいくつかあげるとわたしが言ったからだ。
 やっぱり実際に使ってみないとわかんないもんね。
 特に今だと、このセクシーランジェリーは最先端ともいえるのだから。

「ねぇねぇ、1回着てみましょうよ」
「そうね!」
「あら、いいのかしら?」
「勿論でございます。どうぞ着てみてください」
「じゃあ、こっちに来てぇ」
「え?あれっ?」

 嬉々としたお姉様方に腕を掴まれ、背中を押されてあれよあれよという間に隣の部屋に連れてかれました。
 お姉様方はきゃいきゃい楽しそうに裸になると手にしていたセクシーランジェリーを身につけ始める。
 あっちもすっぽんぽん、こっちもすっぽんぽん。

 目 の や り 場 に 困 る ん で す が !

 いや、そんなこと言ってたらダメよね。
 お姉様方のお手伝いをして回るわたし。
 忙しい忙しい!
 というか皆さんお仕事は……?
 …………まあいっか!
 セクシーランジェリーを着たお姉様方は、お互いの姿を見せ合ったり、笑いあったりととても嬉しそうで楽しそうです。
 いやぁ、こんなに喜んでもらえるとこっちも嬉しいわぁ。

 どうやら全員が着終わったみたいで、わたしはふう、と額に滲む汗を腕で拭う。
 いい仕事したわぁ!
 よし、次は男の子達の方見てみよう。

「あらん、どこ行くのぉ」
「ねぇねぇ、これはどう着るの?」

 お姉様方はもう着ているのに、まだまだ他のランジェリーに興味津々らしい。
 ほぼ裸のお姉様方がまだまだきゃっきゃと騒いでおられる。
 そしてこちらにずずいと差し出されたのは黒のレースのものだった。
 これはテディと呼ばれるタイプで、ブラとパンティが繋がっているものだ。
 わたしが用意したそれは、首を紐で結び、2枚のレースが両胸を隠していて、そのままレースが重なりパンティ部分になっている。
 腰の部分から紐がついていて腰で止まり、Tバックになっている。

 そう説明したのだが、何故か首を傾げられてしまった。
 やっぱり口で説明って難しいよね。

「誰かこれ着て……あら、もういないわね」

 ナーガさんが周りを見回すのに合わせてわたしも視線を動かすけれど、確かに全員が何かしらのランジェリーに着替え終わっていた。

「じゃあ貴女着てみて」
「えっ?」
「着てみてくれないとわからないじゃない」
「え、でも」
「さぁさぁ、そんなもの脱いで脱いで」
「ひょああ!?」




「待たせたわねぇ」
「いえ、それはいいのですが……」

 ナーガさんを先頭にぞろぞろと、セクシーランジェリーを身にまとった上から服を着直したお姉様方が元いた部屋へ戻っていく。

「このランジェリーはどこの店に卸すのかしら?」
「今のところは未定です。皆さんの評価次第……でしょうか」
「ふぅん……使用感の報告は7日後でいいのよね?」
「はい」

 ナーガさんと月兎さんの話が進むけれど、月兎さんと玉藻さんの目はナーガさんが持っているものを見つめている。
 そしてそんな玉藻さん達を陰からこそっと見ているわたしね。
 だって出ていけないんだもん!!

「……あの、その服……」
「ああ、これ?」

 月兎さんの言葉にナーガさんがニヤリと笑みを浮かべて、こっちを振り返った。
 ビクッと肩が跳ね、わたしは慌てて引っ込む……はずだったのだが、しゅるるとナーガさんの蛇尾が床を滑り、わたしに巻きついてきて持ち上げられてしまった。

「わ、ちょ、待って待って……!」
「うふっ、ダメ」

 そうしてわたしは逃げることも叶わず……玉藻さんと月兎さんの前に引き摺りだされてしまいました……。

 レ ー ス の テ デ ィ 姿 で 。

 踏んだり蹴ったりって言うのかな、これ。
 こういう格好する予定はわたしにはなかったんですがね!
 お姉様方の着ているランジェリーに比べたらまだマシ……なのか……?
 透けてるとか、モロ見えとかじゃないし……お尻さえ見えなきゃ水着に近いから……!
 うん、そう思っておこう!
 じゃないと恥ずかしくて死ねる!!

「服返してくださいよぉ……!」
「あらぁん、折角だから見てもらいましょうよぉ」

 後ろに後ずさりながら声をあげるけど、尻尾で押されてなかなか下がれない。
 そして怖くて玉藻さん達を見られない!
 だけどお尻は見せられない!

 ジ レ ン マ !

 だって、お尻の方は生地ないんだよ。
 ハート型に開いてるの。
 この『隠すべき所が開いてる』ものは色々な種類を作ったよ。
 お姉様の誰かが胸のぽっちりの場所がハート型にくり抜かれてる胸布を着けてるはず。
 谷間を強調するように谷間部分がハート型にくり抜かれてる胸布もあるけどね。
 って、そんな説明してる場合じゃなかったね。

「…………」
「…………」

 ほらぁ!
 2人共無言じゃないですかぁ!

「この子も似合うでしょ?」
「……そうですね……」

 物凄く平坦な声が聞こえましたよ!?
 そぉっと顔を玉藻さん達に向けると、わたしを見て呆然している2人が見えた。
 あああ、口が、ぽかーんって、ぽかーんって!
 あああああ、月兎さんが震えだしたよ!?
 なになに!?
 どうしたの!?

「げ、月兎さん……?」

 恐る恐る声をかけると、くりくりの月兎さんの目がくわっと見開いた。
 そしてぴょーん!と飛び上がる。
 一瞬呆気に取られたわたしはそんな月兎さんをぽかんと見つめていた。
 だけどそんな月兎さんに瞬時に反応したのは玉藻さんだった。
 わたしに向かって飛び上がった月兎さんの片脚を掴み、べしゃん!と床に叩き落とした。

「ぷぎゃっ!」
「……え……えええええ!?」

 わたしは驚きのあまり叫んでしまいました。
 お姉様方もぽかーんとしている。
 玉藻さんは凄い怖い顔をして月兎さんを見下ろしているよ……。
 床に叩きつけられた月兎さんはそれでももそもそ動いているし。

「動くな」
「ぷきゃっ」

 あ、月兎さん踏み付けられた……。
 …………あ、今のってル〇ン飛びじゃない?
 あの『ふぅー〇こちゅわぁーん!』とか言って飛び上がると同時に服が脱げて、こう……平泳ぎみたいな格好のあれ。
 …………もそもそっていうかかさかさ動いてるのはゴ〇っぽい感じあるけど……。

「…………服を返してください」
「あ、ええ……」

 呆然としているナーガさんからひったくるように服を取り返し、ささーっと着込む。
 そして何やら言い合いをしている2人を放置して、お姉様方の方へ向き直る。

「それではわたし共はここで失礼しますね。何かありましたら月兎までお願いいたします」

 そう言ってスカートを摘み腰を軽く落としてにっこり微笑む。

 秘 技 ・ わ た し は 何 も 見 な か っ た !

「ああぁぁぁぁぁ……」

 何故か残念そうな声をあげる月兎さんを玉藻さんが耳を掴んで引き摺り、わたし達は娼館『性楼』を後にした。

 館につく頃には、月兎さんの服が汚れまくってました。
 だって玉藻さん離さないんだもん。
 月兎さんは何やらぶつぶつ言ってるけど『どうせならサツキ様にされたかった』とかちょっと怖いこと言ってたのは無視させていただく。
 2人にお礼を言って、わたしはエイルさんの部屋へ向かう。
 玄関を過ぎ、階段を上って2階へ。
 中庭を挟んで左右に部屋が3つずつあって、元は孤児たちが使っていた部屋になる。
 玄関から進むと右側に並ぶ部屋の、1番奥がエイルさんの部屋になったらしい。

 コンコン、とドアをノックすればエイルさんが迎えてくれた。
 部屋の中には新しい本棚が両壁に並び、天井まである。
 そこには沢山の本が並べられていた。
 部屋の奥にこちらも新しいベッドがあり、手前にはなにやら実験器具のようなものが乗せられたテーブルがあった。
 人が訪れるという想定をしていなかったのか椅子が1つしかないが、そこは気にしなーい。

「上手くいったのかしら?」
「うん!後は待つだけー。それでね、これはエイルさんに作ったんだ、貰ってくれたら嬉しいな」

 そう言ってわたしはスマホからエイルさん用のランジェリーを何枚か取り出す。
 セクシーなものと普段に使えそうなのと、いくつも作ったのだ。
 そして色違いのネグリジェ。
 鎖骨が見えるぐらい大きくV字型にくねられた襟ぐりに、袖は手首まであってフリルを重ねてふんわりさせている。
 胸の下でリボンを結べるのだが、これは自分で好きに調整出来るようになっている。
 そのリボンで膝まであるスカートのドレープ具合が調整出来るようにもなっているのだ。
 そして、全体的にはふんわりとしたネグリジェになっている。
 肩にストールやカーディガンを重ねれば、寝る時だけでなくちょっとした部屋着にも見えるようにしたので、例えば男性が訪れてもそこまで恥ずかしくない……と思う。
 これはわたしの主観だからわからないけれどね。

「まあ、これをわたしに?」
「うん、……どうかな?」
「うふふ、嬉しいわぁ。ありがとうサツキちゃん」

 顔を綻ばせるエイルさんは、嬉しそうに見えたからわたしもほっと胸を撫で下ろす。
 良かった、好みとかあるから嫌がられたらどうしようかと思ってたんだよね。
 エイルさんはわたしの頭を軽く撫でてから受け取ってくれた。
 えへへー。

 そしてエイルさんと色々な話をした後、わたしは部屋に戻り女神様用に作ったあれそれをメールに添付して送って1日を終えました。
 女神様の反応気になるなー。
 ワクワク!
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感想 2

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みんなの感想(2件)

まっつん
2017.05.09 まっつん

続かないのですか?すごく楽しくて続きを読みたいのですが??

冬生羚那
2017.05.11 冬生羚那

>まっつんさんへ

感想ありがとうございますm(*_ _)m
続きを書こうと思っているのですが……実はパソコンが壊れまして、設定を書いたモノが消えてしまったのです……。
今その設定を思い出しながら書いているところです(´;ω;`)
時間はかかると思いますが、完結目指して書いていくので……お待ちいただけるとありがたいです。
申し訳ない(´・ω・`)

解除
林檎
2016.06.23 林檎

エロ入ってるけどとっても面白くて続きが楽しみです!

冬生羚那
2016.06.24 冬生羚那

>葵様へ

感想ありがとうございます(?´ω`?)エロ部分は飛ばしても大丈夫なようにしていきたいと思っておりますので、エロ以外でも楽しんで頂けたら幸いです((。´・ω・)。´_ _))ペコリ

解除

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