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※ 肉食獣
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ささーっとシャワーを浴びて、リビングへ戻ればレオンはまだ落ち着かない様子できょろきょろとしていた。
「何してんだ」
「いや、なんつうか……」
首に掛けたタオルで髪の水気を拭いつつ声を掛けるとレオンが振り返り、口を開けたまま止まった。
「どうした?」
首を傾げるとレオンの指が俺を指し、ぷるぷると震えている。
「おま、おま……」
自分の姿を見下ろしてみる。
シャツにズボンという普通の姿だ。
流石にマントはしてないが、別に変ったところはない。
「なんだよ」
「な、なんで、むね……胸!?」
ぷるぷるしてるレオンの口から飛び出した胸という単語に思い出した。
俺、女の体に戻ってたんだった。
これ、また説明しないとダメなやつか?
結局ジュリエーヌさんに言ったように説明することになった。
レオンは挟んだテーブルの向こうで俯いてぷるぷるしている。
「おいレオン。大丈夫か?」
「だい、大丈夫だ。まさかお前が女とか……夢じゃないよな?」
「あー、まあ。夢じゃないな、多分」
「多分ってなんだよ! お前、自分のことだろ!?」
「そう言われても……」
もしかしたら明日には男に戻るかもしれないし、戻らないかもしれないしな。
そんなことを考えながらレオンを見ていると、ちょっとイタズラ心が湧き上がってくる。
レオンがまるで初心な中学生みたいになってるからだ。
俺の胸をチラリと見ては顔を逸らし、そしてまたチラリと見てくる。
しかもほんのり赤くなっているっぽい。
これは遊んでおかないと、だろう。
俺はソファーから立ち上がると、レオンの隣にぼすんと座る。
レオンはそんな俺にビクリと体を跳ねさせ、しかも耳も尻尾もピーンと天に向かって立てていた。
「なんだよ、女に興味あんの?」
「うあ!? な、はぁ!?」
目を白黒させるレオンに、しな垂れかかるようにしてその太い腕に体を寄せる。
いや、カップリングを大いに楽しんできた俺だが、『レオン』という男に興味がないわけじゃない。
むしろ俺が仲良くなってきたNPCは俺の好みでもあったのだ。
まあ、相手の方はそこまででもないけど。
レオンは興味のある方だったことは間違いない。
レオンの体は硬直しながらも、尻尾も耳も落ち着きなくピコピコバッサバッサ動き、目も泳いでいる。
なんだか楽しくなってきた。
「レオンって女と経験ねえの? 落ち着きなさすぎだろ」
「な、ないわけじゃねえよ! ……た、だ……」
何やらモゴモゴと小さく口の中で反論しているようだが、俺の耳に届かんぞ。
そんなレオンの様子が可笑しくて俺はレオンの腕に胸を押し当てる。
ビクッとするレオンの腕をそのまま胸で挟むように抱き、分厚い胸板にやんわりと指を這わせ、その顔を見上げる。
「ふは、お前赤くなってね?」
毛皮に覆われたはずの顔面なのに、真っ赤になっているのがわかる。
なんだか可愛いじゃんか。
「はは、遊んで悪かった。怒るなよ」
そうは思ってもこれ以上遊ぶと怒られるだろう、と最後にレオンの鼻先を指で突き離れようとした。
だけど、そんな俺を見下ろしていたレオンは、一瞬で目をギラつかせ解放した腕で俺の肩を押しそのままソファーへと押し付けてきた。
そんなレオンの行動に目を丸くし、閉じるのも忘れた唇に、レオンが舌を捻じ込んでくる。
「んぶっ!?」
俺の鼻とレオンの鼻がぶつかってもその長い舌の邪魔にならない。
肉厚で長い舌が、俺の咥内を舐め回す。
「ん、んんっ」
思わず目を閉じて逃げようとした俺の顎が掴まれ、鼻先がずらされて更に舌が奥まで伸びてくる。
俺の口にはレオンの舌は大きすぎる。
少し動かされるだけで色んな場所にレオンの舌が触れる。
そうして奥に引っ込んでいた舌が絡め取られ、擦り合わされる。
くぐもった息と声に、水音が混じり、開かれたままの口の端からどちらのかわからない唾液が溢れ出す。
ぐちゃり、ぐちゅりと咥内を弄ぶレオンの舌にゾクゾクと体が震える。
唇に触れる牙が、刺さりそうな程押し付けられ、それでも刺さることはなかった。
慣れてんな、コイツ。
思考の片隅でそんなことを思う。
それもすぐ快感で埋め尽くされ、気が付けば自分もレオンの舌に己の舌を絡めていた。
引かれた体と共に、レオンの舌が出て行く。
それがなんだか惜しくて、俺も舌を伸ばしていた。
それでも離れたレオンの舌は、俺の頬を伝う唾液をべろりと舐め上げる。
それだけでゾクリと体に快感が走り、震えてしまう。
いつの間にか掴んでいたレオンの服から手が離れ、ぱたりとソファーに落ちた。
「馬鹿だろ、お前」
「な、にが……」
レオンとの口付けで上がった呼吸のまま問いかければ、レオンの親指が濡れた俺の唇を撫でる。
それに目を細めると、ソファーからはみ出した俺の足に、レオンの主張が押し付けられる。
「責任、とってくれんだろうな」
ニヤリと笑うレオンは、どこからどう見ても肉食獣だった。
「何してんだ」
「いや、なんつうか……」
首に掛けたタオルで髪の水気を拭いつつ声を掛けるとレオンが振り返り、口を開けたまま止まった。
「どうした?」
首を傾げるとレオンの指が俺を指し、ぷるぷると震えている。
「おま、おま……」
自分の姿を見下ろしてみる。
シャツにズボンという普通の姿だ。
流石にマントはしてないが、別に変ったところはない。
「なんだよ」
「な、なんで、むね……胸!?」
ぷるぷるしてるレオンの口から飛び出した胸という単語に思い出した。
俺、女の体に戻ってたんだった。
これ、また説明しないとダメなやつか?
結局ジュリエーヌさんに言ったように説明することになった。
レオンは挟んだテーブルの向こうで俯いてぷるぷるしている。
「おいレオン。大丈夫か?」
「だい、大丈夫だ。まさかお前が女とか……夢じゃないよな?」
「あー、まあ。夢じゃないな、多分」
「多分ってなんだよ! お前、自分のことだろ!?」
「そう言われても……」
もしかしたら明日には男に戻るかもしれないし、戻らないかもしれないしな。
そんなことを考えながらレオンを見ていると、ちょっとイタズラ心が湧き上がってくる。
レオンがまるで初心な中学生みたいになってるからだ。
俺の胸をチラリと見ては顔を逸らし、そしてまたチラリと見てくる。
しかもほんのり赤くなっているっぽい。
これは遊んでおかないと、だろう。
俺はソファーから立ち上がると、レオンの隣にぼすんと座る。
レオンはそんな俺にビクリと体を跳ねさせ、しかも耳も尻尾もピーンと天に向かって立てていた。
「なんだよ、女に興味あんの?」
「うあ!? な、はぁ!?」
目を白黒させるレオンに、しな垂れかかるようにしてその太い腕に体を寄せる。
いや、カップリングを大いに楽しんできた俺だが、『レオン』という男に興味がないわけじゃない。
むしろ俺が仲良くなってきたNPCは俺の好みでもあったのだ。
まあ、相手の方はそこまででもないけど。
レオンは興味のある方だったことは間違いない。
レオンの体は硬直しながらも、尻尾も耳も落ち着きなくピコピコバッサバッサ動き、目も泳いでいる。
なんだか楽しくなってきた。
「レオンって女と経験ねえの? 落ち着きなさすぎだろ」
「な、ないわけじゃねえよ! ……た、だ……」
何やらモゴモゴと小さく口の中で反論しているようだが、俺の耳に届かんぞ。
そんなレオンの様子が可笑しくて俺はレオンの腕に胸を押し当てる。
ビクッとするレオンの腕をそのまま胸で挟むように抱き、分厚い胸板にやんわりと指を這わせ、その顔を見上げる。
「ふは、お前赤くなってね?」
毛皮に覆われたはずの顔面なのに、真っ赤になっているのがわかる。
なんだか可愛いじゃんか。
「はは、遊んで悪かった。怒るなよ」
そうは思ってもこれ以上遊ぶと怒られるだろう、と最後にレオンの鼻先を指で突き離れようとした。
だけど、そんな俺を見下ろしていたレオンは、一瞬で目をギラつかせ解放した腕で俺の肩を押しそのままソファーへと押し付けてきた。
そんなレオンの行動に目を丸くし、閉じるのも忘れた唇に、レオンが舌を捻じ込んでくる。
「んぶっ!?」
俺の鼻とレオンの鼻がぶつかってもその長い舌の邪魔にならない。
肉厚で長い舌が、俺の咥内を舐め回す。
「ん、んんっ」
思わず目を閉じて逃げようとした俺の顎が掴まれ、鼻先がずらされて更に舌が奥まで伸びてくる。
俺の口にはレオンの舌は大きすぎる。
少し動かされるだけで色んな場所にレオンの舌が触れる。
そうして奥に引っ込んでいた舌が絡め取られ、擦り合わされる。
くぐもった息と声に、水音が混じり、開かれたままの口の端からどちらのかわからない唾液が溢れ出す。
ぐちゃり、ぐちゅりと咥内を弄ぶレオンの舌にゾクゾクと体が震える。
唇に触れる牙が、刺さりそうな程押し付けられ、それでも刺さることはなかった。
慣れてんな、コイツ。
思考の片隅でそんなことを思う。
それもすぐ快感で埋め尽くされ、気が付けば自分もレオンの舌に己の舌を絡めていた。
引かれた体と共に、レオンの舌が出て行く。
それがなんだか惜しくて、俺も舌を伸ばしていた。
それでも離れたレオンの舌は、俺の頬を伝う唾液をべろりと舐め上げる。
それだけでゾクリと体に快感が走り、震えてしまう。
いつの間にか掴んでいたレオンの服から手が離れ、ぱたりとソファーに落ちた。
「馬鹿だろ、お前」
「な、にが……」
レオンとの口付けで上がった呼吸のまま問いかければ、レオンの親指が濡れた俺の唇を撫でる。
それに目を細めると、ソファーからはみ出した俺の足に、レオンの主張が押し付けられる。
「責任、とってくれんだろうな」
ニヤリと笑うレオンは、どこからどう見ても肉食獣だった。
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