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旅立ち
ピンチは続く
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でも危険はまだ終わりません。
鮭を釣るために人間が投げる釣針です。
ビュンビュン。
岸からすごい勢いで釣針がやってきました。
今度こそ絶体絶命です。
「危ない!」
飛んでくる釣針を鈴を掲げてふり払ったかえるくん。
ガーン。
鈍い金属音がしました。
しばらくして。
釣針が飛んでくる危険は去りました。
鮭くんと鮭ちゃんは無事です。
「かえるくんのおかげだよ」
「かえるくんありがとう」
鮭くんが目線を頭上の鮭くんに向けました。
「ん?」
鮭くんの背中になにやら赤いものが滴っています。
それは血でした。
かえるくんの目から流れる、かえるくんの血でした。
「かえるくん、目が・・・!」
「かえるくん、目が・・・!」
鮭くんと鮭ちゃんが泣きながらかえるくんに寄り添います。
飛んでくるつり針を鈴を掲げて防いだとき。
防ぎきれなかったつり針の鋭い針先が、かえるくんの片目をかすめていったのです。
傷ついたかえるくんの片目は見えなくなってしまいました。
「かえるくん、目が・・・!」
「かえるくん、目が・・・!」
「ふたりとも泣かなくていいんだよ。ふたりが無事でよかったよ」
「だってかえるくんの目が・・・」
泣き続けるふたりにかえるくんが明るく言いました。
「キナコさんみたいでしょ」
そう、猫のキナコは片目でした。
「うん・・・キナコさんみたいだよ」
「・・・キナコさんみたいにカッコいいよ・・・」
鮭くんが泣き笑いで応えてます。
旅は続きます。
涙を払って鮭くんが明るく言いました。
「先を急ごう」
「うん」
「ええ」
川の上流を目指します。
危険はさらに続きます。
今度は網が行く手を防いでいます。
鮭を釣るために人間が投げる釣針です。
ビュンビュン。
岸からすごい勢いで釣針がやってきました。
今度こそ絶体絶命です。
「危ない!」
飛んでくる釣針を鈴を掲げてふり払ったかえるくん。
ガーン。
鈍い金属音がしました。
しばらくして。
釣針が飛んでくる危険は去りました。
鮭くんと鮭ちゃんは無事です。
「かえるくんのおかげだよ」
「かえるくんありがとう」
鮭くんが目線を頭上の鮭くんに向けました。
「ん?」
鮭くんの背中になにやら赤いものが滴っています。
それは血でした。
かえるくんの目から流れる、かえるくんの血でした。
「かえるくん、目が・・・!」
「かえるくん、目が・・・!」
鮭くんと鮭ちゃんが泣きながらかえるくんに寄り添います。
飛んでくるつり針を鈴を掲げて防いだとき。
防ぎきれなかったつり針の鋭い針先が、かえるくんの片目をかすめていったのです。
傷ついたかえるくんの片目は見えなくなってしまいました。
「かえるくん、目が・・・!」
「かえるくん、目が・・・!」
「ふたりとも泣かなくていいんだよ。ふたりが無事でよかったよ」
「だってかえるくんの目が・・・」
泣き続けるふたりにかえるくんが明るく言いました。
「キナコさんみたいでしょ」
そう、猫のキナコは片目でした。
「うん・・・キナコさんみたいだよ」
「・・・キナコさんみたいにカッコいいよ・・・」
鮭くんが泣き笑いで応えてます。
旅は続きます。
涙を払って鮭くんが明るく言いました。
「先を急ごう」
「うん」
「ええ」
川の上流を目指します。
危険はさらに続きます。
今度は網が行く手を防いでいます。
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