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第2章 幼年編
713 急転直下
しおりを挟む『お詫び』
諸般の事情によりしばし不定期刊となります。
ごめんなさいm(_ _)m
―――――――――――――――
「ヒュー気持ちいいー!」
「まさか風呂があるとはな」
「気持ちいいね。僕風呂は初めてだよ」
「そうだ!やっぱ風呂だよな風呂。帰ったら学園にも温泉掘るかな」
「お前なぁ‥‥‥‥まあ、そりゃありがたいがな」
「だろ。俺、デニーホッパー村にも温泉掘ったんだぜ。今じゃ近隣の名物なんだよ」
「「「‥‥まあアレクだもんな‥‥」」」」
「そんなことより‥‥‥‥ゴホンッ。諸君聞こえないかね?天上の女神たちの語らいが」
そう言ったアレクが指差すその先には、高い壁とキャッキャと騒ぐ女子の歓声が響いていた。
「この壁の先には天女がいるんだぞ!」
「お、お前!の、の、覗きか!?
貴族たるものそんな恥晒しの真似はせん!」
「ホントだぜ!2号機の言うとおりだ!」
「阿呆セバス!なんで2号機のままなんだよ!」
「あっ!しまったモーリス様だった!」
「「‥‥」」
「アレク、お前も貴族なんだぞ!格から言えば俺より上なんだぞ!」
「へっ。そんなもん関係あるか!俺は開拓村の農民の倅だ!」
「意味がわからん。だが俺たち2人はそんな恥晒しな真似はせん!」
「ふーん。じゃあお前らは参加しなくていいよ」
「ど、ど、どうしてもとアレクが言うのならさ、参加してやってもいい」
「素直じゃねぇなモーリスは。セロはいくだろ?」
「そんなもん、聞くだけ野暮だろ」
「そうこなくっちゃ!ハンスは?」
「もちろん行くさ」
「じゃあ‥」
「アレク君僕には聞かないの?」
「トールは聞くまでもないだろ。だってそれ‥‥」
「「「(すげぇな‥‥)」」」
「作戦はこうだ。あそこの岩から壁に飛び移る。そんだけだ」
「「「わ、わかった」」」
「じゃあいくぞ。じゃんけんで順番を決めようぜ」
結局何も見れなかった……。
男子は大広間みたいなところで寝ることになったんだ。
「さっきはやってくれたなモーリス!」
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ‥‥
「あははははははーーー!」
「トールも後ろから押さえつけろ!」
「うん。わかった!」
「ハンス、セロ、セバスもだ!」
「「よっしゃ!」」
「モーリス様ごめんなさい!」
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ‥‥
「や、や、やめろ~ーーーーッッ!」
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ‥‥
「どっせえええぇぇぇーーーいっ!」
トールも含めて。みんながひっくり返ったんだ。
「「「‥‥」」」
わははははは
ワハハハハハ
あははははは
「お前‥‥とんでもない怪力だな‥‥」
「はぁはぁはぁはぁ‥‥知らん‥‥」
わははははは
ワハハハハハ
あははははは
そのあとは男子は枕投げをしたんだ。俺、初めて枕投げをしたよ。仲間っていいな。
―――――――――――
「これ、さっきお母さんから差し入れ。アレクの作ってるサンアレ商会さんのポテチ」
「夜に食べたら太らないかにゃ?」
「じゃあシナモンは食べなかったらいいのよ」
「意地悪いうにゃキャロル!」
女子は夜遅くまで話が弾んだんだって。
夜にはキャロルの両親が差し入れを持ってきてくれたらしいし。
「明後日にはまた寄るからねおとうさんお母さん」
「「ええ」」
「寝るぞ1号機2号機」
「なんで3号機が仕切ってるんだよ!」
「そうだぞ3号機!」
「1号機も2号機もお前らは変態だからな!」
「「ヨシ!よく言った3号機!」」
「「くそー3号機め!」」
トントン
「男子もう寝た?」
そこからは女子も入って。いつまでもしゃべり続けたんだ。
わいわい
ワイワイ
眠れない俺たち10人はたわいもない話をいつまでもしていたんだ。
ドンドンドンドン!
「モーリス様。夜分ではありますが火急の要件につきまかり越しました!」
「失礼を承知の上で申し上げます!」
「グラシアが!グラシアに危機が!」
「「「えっ!?」」」
「わかった。すぐに庁舎に向かう」
「「ははっ!」」
慌てて着替えて庁舎に行ったよ。もちろん全員で。
会議室には騎士団員を始め、多くの人が詰めていたよ。
「どういうことだ隊長?それに‥‥市長も久しいな」
「「「モーリス様!」」」
室内の全員がその場で膝をついたんだ。
庁舎は夜中にも関わらず、昼間のような喧騒にあった。
説明はそのまま対策会議になったんだ。
文官のトップサカス市長、武官のトップ騎士団長、その他も含めて。
「たいへんなことが起こりました。隣街グラシアの壊滅の危機です!」
7の月の満月の夜。グラシアの例年の歳時記ならば子育てのため、見境なく襲ってくるブッシュウルフに気をつけましょう的な話で済むらしいんたけど……。
20年30年に1度、その数100体から1000体にも及ぶブッシュウルフが襲ってくるらしいんだ。
「対策をしてなかったのか!?」
脂汗をかいたサカス市長が答えたんだ。
「隣街故,当然対策をしていると思っていましたが‥‥恥ずかしいかな現在の状況でございます」
「どのくらいのブッシュウルフが襲ってくる?」
ざわざわ
ザワザワ
「申し上げますモーリス様。私めはグラシア教会で祭祀を執り仕切るコールハンでございます」
小太りの神父様が和かに答えたんだ。胡散臭そうな外見に、セーラとセロが眉を顰めて目で語り合っていたよ。
「この未曾有の危機に際し、我が身の危険も顧みずサカスまでやって参りました、私コールハンは‥」
「黙れ!」
モーリスが部屋中に響く声で一喝したんだ。
「民を捨ててお前たちは逃げてきたんだな」
「「「そ、そ、それは‥‥」」」」
神父様を始め何人もの司祭,シスター、モンク僧が俯いたよ。
「この一件終わるまで、グラシアの教会関係者は拘束、一箇所にて謹慎させろ」
こくこく
コクコク
モーリスが俺を見たから、当然頷いたよ。
「「「わかりましたモーリス様」」」
ごめんなさいm(_ _)m
続きは不定期を予定しています
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