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第2章 幼年編
686 モーリスと学園長
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686 モーリスと学園長
2日続けて。
修練場の片隅から模擬戦を伺う者がいた。
ハイル
アレクと元同部屋だった同級生である。
「キャロル、キャロル、キャロル、キャロル、キャロル、キャロル、キャロル、キャロル‥‥なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでアレクなんかに抱きついてやがる?
お前は俺の女だろ。
くそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそ!」
その見つめる先はキャロルただ1人。真っ赤に血走った目のハイルに、ありし日の笑顔はなかった。
―――――――――――
「先輩方、俺はこの木剣で相手します。魔法も使いません。5分もあれば充分でしょう。俺の圧勝です」
20人ほどの5年生が口々に叫んだんだ。
「「夢見てるのか!」」
「「舐めるな!」」
「「俺らはヴィヨルド学園の5年なんだぞ!」」
「いえ、事実を言ったまでです」
「「「なにをーーー!!」」」
「「「あり得ねぇーーー!!」」」
レイピア、片手剣に両手剣を手にした5年生が20人叫んでいたよ。
「じゃあ皆さん、ちゃんと握手してから始めましょう」
「「「握手だぁ?するかそんなこと!」」」
「「「そうだそうだ!」」」
「‥‥握手しなきゃ闘りませんよ?」
「「「チッ。しゃーねーな」」」
ぎゅっ ぎゅっ ぎゅっ
ぎゅっ ぎゅっ ぎゅっ
ぎゅっ ぎゅっ ぎゅっ‥‥
「アレク、あんたまだまだね。握手しなくても相手の魔力くらい操作できなくちゃダメよ」
「さーせんシルフィ先生‥‥」
あははは。気配を無くすには、俺相手と握手しないとまだぜんぜんダメなんだよね。
そんなわけで、模擬戦をやる5年の先輩たち全員と握手をしたよ。
準備完了かって?あははは。そのとおり!これでもう大丈夫!
「お前学園最強だとかイキがってるがな、俺たち5年は単純にお前より1年技術も経験も長えってところをその身体に刻みこんでやるよ」
「「今さら泣きついても遅いからなワハハハハハ」」
「「覚悟しとけよギャハハハハハ」」
「5年有志軍は真剣装備。対するアレク団長は木剣。アレク団長は魔法も行使せずに闘るみたいですよー」
おおぉーーーーーっっ!
うわぁーーーーーっっ!
「では模擬戦の前にアレク団長から最後に、狂犬団のみんなに一言どうぞ!」
すげぇな放送クラブ。拡声魔法機まで持ってきてるよ。
「俺は魔法を使わず、木剣だけでこの5年有志の20人の先輩たちと闘る」
おおぉーーーーーっっ!
うわぁーーーーーっっ!
「負けたほうが勝ったほうの言うことをきくと5年の先輩たちが約束してくれたからな。そうですよね先輩方?」
「「「あたりめぇだー!」」」
「「「俺らが勝つ!」」」
「あり得ねぇがもし負けたら、俺ら卒業までお前の犬になってやるよ!」
「「「おおよ!」」」
「いやいや、犬はいいです。ちゃんと狂犬団に入団してくれたら」
「「「狂犬団でもアレク団でも構わなねぇ。とっとと闘るぞ!」」」
「今日の模擬戦は、狂犬団顧問でもあるサミュエル学園長先生も観戦されてますからねー。
それでは始めますよー!」
「いざ‥‥‥‥始め!」
開始と同時。
スーーーーーッッ‥‥‥‥!
‥‥‥‥
‥‥
‥
20人の先輩方の魔力と同期。そのまま視線の先から「消え」たんだ。
「「どこだ?」」
「「どこにいる?」」
「「どこいった?」」
「「なにやってんだアイツら?」」
「「バカじゃねぇか?」」
「「「そこにいるじゃねぇか!!」」」
「シナモン‥‥」
「アリシア‥‥」
「キャロル‥‥」
「「「私たち(うちら)と同じよ‥‥」」」
「モーリス君」
「はい学園長」
「わかるかい?」
「学園長、アレクは魔力を使ってるんですよね?」
「そうだよ。さすがはモーリス君だね」
「いえ‥‥」
「なぜアレク君が僕の横に座るように言ったかわかりますか?」
「いえ、わかりません。ただ‥‥学園長先生から何かいい助言を得られるのものかと‥‥」
「うんうん。アレク君は僕から君への助言を求められていると思うんだよね。
だから僕からモーリス君へちゃんと話をさせてもらうよ」
「はい。学園長よろしくお願いします」
今ごろモーリスはサミュエル学園長からアドバイスをもらってるかな。あいつは俺よりはるかに天才だから、理解さえすればすぐに俺くらいできるはずだよ。
―――――――――――
今回も短文でごめんなさいm(_ _)m
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2日続けて。
修練場の片隅から模擬戦を伺う者がいた。
ハイル
アレクと元同部屋だった同級生である。
「キャロル、キャロル、キャロル、キャロル、キャロル、キャロル、キャロル、キャロル‥‥なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでアレクなんかに抱きついてやがる?
お前は俺の女だろ。
くそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそ!」
その見つめる先はキャロルただ1人。真っ赤に血走った目のハイルに、ありし日の笑顔はなかった。
―――――――――――
「先輩方、俺はこの木剣で相手します。魔法も使いません。5分もあれば充分でしょう。俺の圧勝です」
20人ほどの5年生が口々に叫んだんだ。
「「夢見てるのか!」」
「「舐めるな!」」
「「俺らはヴィヨルド学園の5年なんだぞ!」」
「いえ、事実を言ったまでです」
「「「なにをーーー!!」」」
「「「あり得ねぇーーー!!」」」
レイピア、片手剣に両手剣を手にした5年生が20人叫んでいたよ。
「じゃあ皆さん、ちゃんと握手してから始めましょう」
「「「握手だぁ?するかそんなこと!」」」
「「「そうだそうだ!」」」
「‥‥握手しなきゃ闘りませんよ?」
「「「チッ。しゃーねーな」」」
ぎゅっ ぎゅっ ぎゅっ
ぎゅっ ぎゅっ ぎゅっ
ぎゅっ ぎゅっ ぎゅっ‥‥
「アレク、あんたまだまだね。握手しなくても相手の魔力くらい操作できなくちゃダメよ」
「さーせんシルフィ先生‥‥」
あははは。気配を無くすには、俺相手と握手しないとまだぜんぜんダメなんだよね。
そんなわけで、模擬戦をやる5年の先輩たち全員と握手をしたよ。
準備完了かって?あははは。そのとおり!これでもう大丈夫!
「お前学園最強だとかイキがってるがな、俺たち5年は単純にお前より1年技術も経験も長えってところをその身体に刻みこんでやるよ」
「「今さら泣きついても遅いからなワハハハハハ」」
「「覚悟しとけよギャハハハハハ」」
「5年有志軍は真剣装備。対するアレク団長は木剣。アレク団長は魔法も行使せずに闘るみたいですよー」
おおぉーーーーーっっ!
うわぁーーーーーっっ!
「では模擬戦の前にアレク団長から最後に、狂犬団のみんなに一言どうぞ!」
すげぇな放送クラブ。拡声魔法機まで持ってきてるよ。
「俺は魔法を使わず、木剣だけでこの5年有志の20人の先輩たちと闘る」
おおぉーーーーーっっ!
うわぁーーーーーっっ!
「負けたほうが勝ったほうの言うことをきくと5年の先輩たちが約束してくれたからな。そうですよね先輩方?」
「「「あたりめぇだー!」」」
「「「俺らが勝つ!」」」
「あり得ねぇがもし負けたら、俺ら卒業までお前の犬になってやるよ!」
「「「おおよ!」」」
「いやいや、犬はいいです。ちゃんと狂犬団に入団してくれたら」
「「「狂犬団でもアレク団でも構わなねぇ。とっとと闘るぞ!」」」
「今日の模擬戦は、狂犬団顧問でもあるサミュエル学園長先生も観戦されてますからねー。
それでは始めますよー!」
「いざ‥‥‥‥始め!」
開始と同時。
スーーーーーッッ‥‥‥‥!
‥‥‥‥
‥‥
‥
20人の先輩方の魔力と同期。そのまま視線の先から「消え」たんだ。
「「どこだ?」」
「「どこにいる?」」
「「どこいった?」」
「「なにやってんだアイツら?」」
「「バカじゃねぇか?」」
「「「そこにいるじゃねぇか!!」」」
「シナモン‥‥」
「アリシア‥‥」
「キャロル‥‥」
「「「私たち(うちら)と同じよ‥‥」」」
「モーリス君」
「はい学園長」
「わかるかい?」
「学園長、アレクは魔力を使ってるんですよね?」
「そうだよ。さすがはモーリス君だね」
「いえ‥‥」
「なぜアレク君が僕の横に座るように言ったかわかりますか?」
「いえ、わかりません。ただ‥‥学園長先生から何かいい助言を得られるのものかと‥‥」
「うんうん。アレク君は僕から君への助言を求められていると思うんだよね。
だから僕からモーリス君へちゃんと話をさせてもらうよ」
「はい。学園長よろしくお願いします」
今ごろモーリスはサミュエル学園長からアドバイスをもらってるかな。あいつは俺よりはるかに天才だから、理解さえすればすぐに俺くらいできるはずだよ。
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