アレク・プランタン

かえるまる

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第2章 幼年編

681 女子と模擬戦

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 ティアラみたいに打ったカチューシャを女子みんなが喜んでくれたんだ。「宝物」とまで言ってくれたよ。

 よし‥‥今なら言っていいかな。

 「じゃあさ、じゃあさ、そのティアラつけて俺とお前らで模擬戦やろうよ?」

 「い、いいけど‥‥」

 「「う、うん(にゃっ)‥‥」」

 「いいんだな?やったやったやったー!」


 久しぶりに女子の10傑仲間と闘ることになったんだ。男子とはこれからいつでも闘れるからね。女子とは1年ぶりだよ。


 「なぁセーラは闘んねぇの?」

 「闘りません。明日は西区の教会でバザーがありますから」

 「えーなんでだよー」

 「戦闘狂のアレクと闘ったら魔力を使い過ぎて明日の祭祀に差し支えます!」

 「なんだよ戦闘狂って!?」

 「「「うん、うん。そりゃそうだ」」」

 「男子!そこ頷かない!」

 「だって事実だろうが!」

 「モーリス違ーう!」

 「フッ、どうだかな。なぁみんな?」

 こくこく
 コクコク
 こくこく

 「クッ、しゃあねぇな。じゃあアリシア、キャロル、シナモンの3人で闘ろうぜ。修練場へレッツラゴー!」

 「「「れっっらごお?」」」









 「狂犬団の皆さんに連絡します。ただいまから修練場において、アレク団長対4年1組10傑女子のアリシアさん、キャロルさん、シナモンさん‥‥」

 「なんで校内放送が流れるんだよ!?」

 わいわいワイワイ
 ざわざわザワザワ
 わいわいワイワイ

 放送を聴いた学園生が修練場にどんどん集まってきたんだ。

 「「団長がいるぞ!」」

 「「私初めて見る!」」

 「「「楽しみーー!」」」

 「なあ、なんでいっぱい観にきてるんだよ!?」

 「なんでって。はぁ、もう諦めなさいよアレク」

 「「そうよアレク」」

 「「そうだぞアレク」」

 「「もうお前は学園で1番の有名人なんなんだよ」」

 わーわーわーわー
 ワーワーワーワー
 わーわーわーわー
 ワーワーワーワー

 「「「来たぞ!団長ー!」」」

 「「「アレク団長ーー!」」」

 「「「アレク団長ー!キャー!」」」

 「‥‥」

































 「諦めろ。そして受け入れろ」

 俺と肩を組んだモーリスがそう言ったんだ。

 「モーリス‥‥」

 「アレク、お前は1年のときからなにも変わらないだろ。なぁ兄弟?」

 「ああモーリス……。ありがとな」

 ふと。マリー先輩が浮かんだんだ。マリー先輩は俺以上に有名人で超人気者だったな。いつも周りの好奇の目の中にいた。

 だからなのか、マリー先輩は1人でいることを好んだし、10傑の仲間といることを好んでた。

 そうだな。周りなんて関係ない。好意的に接してくれたらうれしいけど、気にしないぞ。



 「アリシア、キャロル、シナモン、外野なんか関係なく楽しもうぜ」

 「「「ええ(にゃ)」」」

 「遠慮なく来いよ。全力でいいからな」

 膝屈伸をしながらみんなにそう声をかけたんだ。

 「「わ、わかったわ」」

 アリシアとキャロルがそう言ったんだ。

 「痛くしちゃ嫌にゃ‥‥」

 シナモンが上目遣いでそう言った……。






































 「ムフッ‥‥」

 「なんでそこで鼻を膨らます!この変態め!」

 バシッ!

 「目を覚ましなさい!」

 ゴツン!

 「さーせんアリシアさん、キャロルさん‥‥」

 「でもアレク、アレクは全力出しちゃダメよ。私たちが怪我しないようにしてよね!」

 「キャロル、大丈夫大丈夫。木刀にするし、怪我しても俺の魔法で治してやるから」

 「えっ!?アレク、あんた回復魔法まで使えるようになったの!?」

 「ああ。帝国でハーフエルフの男子の後輩に教えてもらってな」

 「男子?」

 「コウメっていう奴なんだけど、それがめちゃくちゃかわいい男子なんだよ。俺何度も誤解しそうになったもん」

 「(わかんないわよ。アレクが男子って言ってるだけで)」

 「(ホント‥‥)」

 「(わからないにゃ‥‥)」

 「まあ俺の回復魔法は自己流だからな。セーラみたく手を翳すだけのきれいな魔法じゃないぞ。お水やお湯で洗い流すヒール水だ」

 「「ヒール水?」」

 「うんヒール水」

 そう俺の回復魔法はヒール水なんだ。汚れを落としつつ、人体の傷ついた部分に水をあてて回復を促すんだ。
 
 「効果は変わらないからな。だから怪我しても、もちろんバッチリだぞ」

 「それでも目立つような傷がついたらどうするのよ?」

 「いや、つかないって」

 「じゃあもし傷が残ったら責任とってくれるんだよね?」

 「責任?なんだよキャロル?」

 「責任とって、わ、わ、私と付き合ってくれるんだよね?」

 えっ!?なにそれ!?
 それ俺にとっちゃご褒美じゃん!
 じゃあ3人とも傷‥‥‥‥ヤバいヤバいヤバい!
 ナム南無ナム南無ナム南無ナム‥‥

 (アレクはやっぱりハーレムが‥‥)

 (ハーレムでもいいかな‥‥)

 (ダーリンはやっぱりうちが‥‥)

 「ムフッ‥‥」










































 「チッ!目ー覚せよ馬鹿アレク」

 「あはははは。さーせんセーラさん」

 なんか闘る前から変な空気になってしまうところだったよ。

 「じゃあ誰から闘る?」

 「(キャロル、シナモン‥‥‥‥それでいい?)」

 こくこく
 コクコク

 アリシア、きキャロル、シナモンの3人が何かを相談してたんだ。

 「アレク、私たちじゃどうせ勝てないのはわかってるのよ。だから私とキャロル、シナモンの3対1でいい?」

 「ああ、もちろんいいぜ。アリシア、キャロル,シナモン対俺。
 お前らは俺に触るか攻撃が当たったら勝ちだ」

 「よーし、がんばるわよ!」

 「「おおー!」」


―――――――――――


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