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第2章 幼年編
628 祭りのあと
しおりを挟む「「「‥‥」」」
地中から頭だけが出ている7人を見下ろしながら声をかける。
「お互い、見てみろよ」
ズズズーーッッ
お互いを見えなくしていた、真ん中の土壁を外したんだ。
「「お前ら‥‥?」」
「「あなたたち‥‥?」」
「「「えっ?」」」
地中から頭だけが出る6人と7人が互いを見たんだ。
「お前らはまだ土魔法を馬鹿にする気か?」
ぶるんぶるん
ぶるんぶるん
「まだルシウスのおっさんにヒソヒソと軽口を叩くか?」
ぶるんぶるん
ぶるんぶるん
「まだ俺の妹に声かける気か?」
ぶるんぶるん
ぶるんぶるん
「これからはまじめに魔法軍の魔法士になるか?」
コクコク
コクコク
「約束できるな?」
コクコク
コクコク
ズズズーーッッ
土を隆起させて埋まっている13人を元に戻したよ。みんな腰が抜けたみたいでへたりこんでたけど。
「それとな、お前らもっと痩せろよ。これだけはルシウス軍団長の真似はすんなよ。
あと魔力尽きたらどうするよ?せめて自分の身くらい自分で守れ。わかったな?」
「「「‥‥」」」
「返事は?」
ダダダッ
「「「はいっ!わかりました!」」」
直立不動で応える13人。
ああそれと、さっきアリサに触ろうとしたやつらには言っておかないとな。
「おいお前、名前は?」
「ヴィッセルです!」
「お前は?」
「クープです!」
「今後帝都内で、もし俺の妹になんかあったら‥‥‥‥お前らのせいだからな。ただじゃ済まさないぞ」
(((なんかって関係ないのに!団長‥‥なんて鬼畜なの‥‥)))
「「はい!」」
ちなみにこのヴィッセル君とクープ君はのちに魔法軍軍団長と副軍団長になるんだ。魔法軍の歴史上、最も体育会的な魔法士と言われるんだ……。
「アレク、おもしろかったぞ」
「あざーすサムさん」
「んじゃラーメン屋に行くか。アレク、お前の奢りだぞ。なぁランディ?」
「わははは。アレクゴチになるぞ!(えっ?サム師匠マジでアレクに奢らせるのかよ?)」
陸軍大将のサムさんに言ったんだ。
「ラーメンくらいはもちろんっすよ。
お酒は自分で出してくださいね」
「あぁ~‥‥」
「(師匠‥‥セコい‥‥)」
「僕たちもご一緒していいかい?」
「メイズさん、ジャックさん!もちろんです」
「俺らもいくぞ。なぁおやじ」
「テーラーさん、タムラさん!」
「もちろんわしもいくぞ」
「ルシウスのおっさん!」
「俺らもないくぞ。なぁおやっさん」
「おやじ!3男!」
「そこは3男じゃねぇだろ!皇帝陛下だ!オラオラオラ‥‥」
「痛い痛い痛い痛い‥‥」
▼
「アレク君」
貸切にしてもらったラーメン屋さんで。
みんなでワイワイと楽しいひとときを過ごしたんだ。
冒険者ギルドのテーラー顧問が言ったんだ。
「メイズから証拠の魔石をもらったよ」
「えっ?」
「バンダルスコーピオンの魔石じゃよ」
目があったメイズさんがウインクしてた。
「おめでとう。アレク君。君は中原で最年少の銀級冒険者だよ」
「よかったなアレク」
中原屈指の冒険者タムラさんもそう言って俺の背中を叩いてくれた。
この日、俺は最年少の銀級冒険者になった。
楽しかったロイズ帝国での留学の日々がもうすぐ終わろうとしていたんだ。
――――――――――
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