アレク・プランタン

かえるまる

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第2章 幼年編

561 みんなからの手紙

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 ◯  セーラからの手紙

 アレク元気でやってますか?私は変わらず元気です。
 3年1組の仲間もみんな元気ですよ。

 先日、今年の学園武闘祭が終わりました。

 アレクがいなかったから私が1位になりましたよ。1位といってもアレクが知ってるように私は聖壁しか発現できませんけど。

 決勝は帝国からの留学生、マルコ先輩でした。

 マルコ先輩の剣はとても重かったです。運良く私が勝ちましたけど、マルコ先輩が最初に油断してくれなければ私の聖壁は破られていたと思います。

 仲間の結果はみんなからの手紙でわかるから私からは言いませんね。みんな本当に頑張ったんですよ。

 そうそう父からの手紙で知りましたが、帝国発のクリスマスという祭事をジン・マッカーシー様と2人で発見されたそうですね。

 女神様のご意向に繋がる世界平和の実現を、ヴィヨルドから私も祈念しますね。

 では今年のダンジョンを頑張ってきます。

 アレクに負けないぞってモーリスが張り切ってましたよ。
 ではアレクも元気で頑張ってくださいね。
              セーラ



 ◯  モーリスからの手紙

 アレク元気にやってるよな。俺は元気だよ。

 お前の帝国での噂はいろいろ聞いてるぞ。
 お前の活躍は友としてうれしい限りだよ。

 ただ、お前のあの癖がでないことを心から祈っているよ。俺もお前も人には言えない趣味だからな。

 頼むから出血多量で帰ってこれないなんてことにはなるなよ。

 俺も今年はようやく10傑に入れたよ。
 それも毎日のように手合わせしてくれたマルコ殿のおかげなんだけどな。

 今年のダンジョン、頑張ってくるから期待しててくれよ。

       アレクの友 モーリス

 

 ◯  セロからの手紙

 元気かアレク。
 学園武闘祭はセーラが1位だったよ。

 あの聖壁の硬さはすごいとしかいいようがないな。それもこれもセーラの努力の証なんだよな。

 俺もまだまだ努力が足りてないと痛感してるよ。

 もっと速く、もっと鋭い棍を放てるように、卒業したら即戦力のモンク僧になりたいって思ってるよ。

 3年の仲間ではセーラとモーリスの2人が学園ダンジョンに参加が決まったよ。

 おれも来年は参加できるように修練にはげむな。じゃあまたな。

            セロニアス



 ◯  ハンスからの手紙

 アレク元気か。俺は今日も元気いっぱいだぞ。

 お前が帝国に留学してから、気落ちしがちな仲間(特にシナモン)の士気を高めるのに気を遣ってるんだぞ。

 帰ったらトールの食堂でうまいものを食わせろよ。

 武闘祭。
 俺は今年もダメだった。正直悔しいよ。

 だからお前みたいにふだんからの修練にも集中してるんだ。来年こそはって思ってるよ。

 それとな、アリシアとキャロルも武器の稽古を始めたんだぞ。

 あいつらも魔法の発現だけじゃなく、武器も使えるようになりたいって。

 6年になる前に10傑に入るんだって意気込んでるよ。

 俺も体術だけはアレクに負けないように修練してるからな。じゃあ早く帰ってこいよ。  

              ハンス



 ◯  トールからの手紙

 アレク君元気してますか?僕は元気だよ。

 父ちゃんが死んだとき、僕は悲しくてぜんぜん気づかなかったけど、アレク君が毎晩店の包丁を研いでいてくれたんだってね。ありがとう。

 母ちゃんも僕が気づくまで黙ってたんだ。

 お礼が遅くなってごめんね。あのときは落ち込んだけど、でももう大丈夫だよ。

 ステファンとステファニーも早くアレク君に会いたいって。

 (2人ともお腹の匂いを嗅がれるのはくすぐったいから嫌だって言ってたよ)

 僕はどんくさいから武闘祭は6年になるまでは無理だって思うけど、毎日努力はし続けているよ。

 いつか1度くらいはアレク君の横で闘えるようになりたい。

 じゃあ春まで頑張ってください。
     
              トール



 ◯  セバスからの手紙

 拝啓 アレク様
 モーリス様の忠実な臣下のセバスチャンだ。アレクは俺のこと忘れてないよな?

 モーリス様はついに3年にして武闘祭10傑に入ったんだぞ。素晴らしくないか。

 モーリス様のお力だけのことはあるけど、マルコ・ディスパイス様との毎日の厳しい修行の成果も付加されたんだよ。

 でも俺は学園ダンジョンでモーリス様をお支えできない。

 だから、来年の学園武闘祭は俺も10傑になれるようにがんばるよ。じゃあまた。

 お身体に気をつけてお励みください。

     モーリス様の忠臣
     セバスチャン・ジャンリー



 ◯  シナモンからの手紙
 
 ダーリン元気?シナモンだよ。

 シナモンはダーリンが居なくて淋しいけど学園生活はみんなと仲良くやってるから安心してね。

 今年の武闘祭はライラ先輩とあたらなかったのは残念だったよ。

 だってライラ先輩に勝てたら獣人女子No. 1だもんね。

 ウチはふだんからハンスやトールと修練してるからほかの獣人にはもう負けない自信はあるよ。

 でも今年の武闘祭にダーリンはいないから、シナモンはあんまりやる気がでなかったの。

 来年はダーリンと一緒に学園ダンジョンに行きたいからがんばるね。

 早くダーリン帰ってこないかな。春がとっても待ち遠しいな。

             シナモン



 ◯  アリシアからの手紙

 アレクどう?
 帝都学園でも1番なんだってね。

 狂犬団だっけ?なんかとんでもない集団作ったんだって?

 学園長がお腹抱えて笑いながら教えてくれたわ。

 私もね、3年になってもこのままじゃいけないってわかったんだ。だから毎日修練を一生懸命やってるわよ。

 火の色もね、ようやく安定した青色まで発現できるようになったわ。あとは戦闘中に魔力が尽きたりしないように毎日魔石を握ってるわ。

 キャロルと2人でみんなの力も借りて対人戦の修練も始めたんだ。

 6年1組になってから10傑になればいいやって甘い考えは捨てて、1年でも早く武闘祭で10傑になりたいって思ってるわ。

 春に帰ってきたらまた私に魔法の手解きをしてね。じゃあね。

             アリシア



 ◯  キャロルからの手紙

 アレク元気?私は元気よ。

 夏休みの寮合宿。今年はアレクがいなかったから少し寂しかったわ。

 そうそう、アレクの同室のハイルがね、また女湯を覗こうとしてレベッカ寮長に捕まってね。あとはもう‥‥想像どおりよ。

 アリシアと2人、魔法職の私たちも気持ちを強く持って毎日頑張ってるからね。

 私の風魔法も攻撃のエアカッターは少しでも長く発現し続けられるように毎日修練してるんだ。

 あとエアガードもここぞというときに発現できるように少しずつ防御力も上がってるわ。

 私とアリシアが魔力枯渇してみんなに迷惑をかけないように、魔力量を増やすことや体力を上げることを目標にしてやってるよ。
 ハンスやシナモンに手伝ってもらいながらね。

 アレク、帝国からいろんな噂が聞こえてくるけど‥‥

 あんたまさか帝国の女の子に変態って言われてないでしょうね?

 あんまり女の子と話したり仲良くなったらダメなんだからね!

 帰ったらどんな生活してたか教えてね。

             キャロル



 ◯  ハイルからの手紙

 よーアレク。どうだ?

 おれ様のじきれいになっただろ。毎日はあくいしばつてじのれんしゆうしたからな。

 あとけいさんのれんしゆうもしたからさいきんは1,000Gはらっておつりがいくらになるかわかるのうにもなったんだぜ。

 やっぱおれしんどーだよな。

 ことしのぶとー祭はかみひとえだったぜ。だって初戦から帝国のマルコだぜ。

 らい年はおれ様が1位になってやるからな。じゃあな。

              ハイル
 


 【  マルコside  】

 帝都学園の2位以下は俺でさえ敵でなかったからな。

 だからアレクは問題なく1位になれるって思ってたけど。
 まさか最初の挨拶で学園生全員にケンカを売るとはな。

 クックック。
 アレク、やっぱりお前はおもしろい男だよ。

 来年こそ刀を交えたいぞ好敵手(アレク)。
















































 【   ●●●●side  】

 「フルカスどうじゃ?」
 
 「フルフル様、此度の者はなかなかに甘美な果汁を垂れ流しておりますぞ」

 「其はよいのぉ。永らく吾はひもじかったでおじゃるからの。
 汝は吾を愉しませてくれるでおじゃるかの?」

 「フルフル様の御心に叶いますれば‥‥」

 「それにしてもダンテの奴は良い果実を育てておじゃることよ」

 「フルフル様、まさか北の荒地に甘き果実がおりますとはな」

 「ホッホッホ。吾は帝国こそと思うておったのじゃがな。ほんにわからぬものよ」

 「此度の果実に期待ですな」

 「そうでおじゃる。種が芽を生やし、果実となるまで。永く永く
愉しませてもらうかの」


―――――――――――――――


 「アレク君こう?」

 「そうだフリージア」

 (あれ?アレク坊じゃねぇじゃん?)


―――――――――――――――


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