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第2章 幼年編
537 潜航
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537 潜航
「団長どこ行ってたんですか?」
「俺?ああジョングに泳ぎを教わってたんだ」
「泳ぎ?」
「うん。ジョングはさすが海人族なんだよ。泳ぎがすごいんだよ。まるで陸上みたいな動きなんだよドン!」
「へぇー(てかいつのまに仲良くなってるんだ団長は)」
「人の子よ。アレクは本当に人族なのか?」
「えっ?団長ですか?もちろん‥‥」
「なに詰まってんだよ!ドン!」
「いやだって俺もたまに思いますから」
「どこから見てもただの人族だよ俺は!」
「あははは」
「細かな動きはまだだが、アレクの水の中の速さは海人族よりも速いぞ」
「団長やっぱり‥‥」
「あはははは。ただの人族な」
▼
「じゃあ作戦はどうするの?」
「俺とジョングが潜航して船底に魔獣寄せの魔石をつけてくるよ。あとはやってくる魔獣次第かな。
ガタロみたいに弱ければ追撃してほしいし、そこそこ強ければある程度待ってから突っ込んでほしいな」
「てかアレク、潜航ってお前潜れるのか?」
「うん、コジローさん。ジョングに教わったから潜ったままいけるよ」
「呼吸はどうすんだよ?お前、鰓ないじゃん」
「大丈夫大丈夫。水の中でも空気を魔力で覆えるから」
「「「えぇー?!」」」
「まっアレクだもんな」
「そうじゃのアレク君だからの」
「そうね狐ちゃんだもん」
「「アレク(団長)だから‥‥」」
なんか変な納得だよなぁ。
「わかったわ。じゃあピーちゃんの出番はあるの?」
「うーんとピーちゃんは食後のデザート?」
「そっ。じゃあ船丸ごと食べてもらっていいのね?」
コワッ!やっぱピーちゃんコワッ!
「アレクなんだピーちゃんって?」
「あのね20メル超える大きな蛇だよ」
「はっ?」
「このくらいの船なんかピーちゃんの身体で粉々にするんだぜ。海賊は丸呑みするし、まぁ化けもんだなピーちゃんは」
「なんだその魔獣は!?」
「うーん魔獣じゃないんだよ。ピーちゃんはただの大きなペットなんだよ」
「はぁ?」
「凶暴だけどあんがいかわいい目してるんだせ」
「そ、そうなのか‥‥」
「まぁピーちゃんの出番はジョングの子どもたちを無事に回収してからでいいんじゃね?」
「そうね。ピーちゃん、狐ちゃんも1度食べてみたいって言ってたわよ」
「コワッ!ピーちゃんコワッ!やっぱ俺だけここで待ってるよ!」
「フフフ。冗談よ」
「冗談に聞こえねぇわ姫!
ああ、でもピーちゃんは水の下で待機しててよ。見つかったらダメだからね」
「シャーーーッッ」
「わかったわって言ってるわよ」
「えっ?船の中の言葉も聞こえんの?」
「もちろんじゃない」
「‥‥ピーちゃん!俺敵じゃないよね?友だちだよね?」
「シャーーーッッ」
「友だちだから1度食べて見たいんだって」
「ううっ‥‥」
わははははは
ワハハハハハ
フフフフフフ
「じゃあみんな行ってくるよ」
「アレクよやり過ぎんなよ?俺らにも残してくれよ」
「もちろんだよコジローさん。だいたい魔獣寄せの効果が効きすぎて俺がヤバくなるかもしんねぇじゃん」
「そのときはアタシが口移しで空気を送ってあげるわ」
「レベちゃん‥‥」
「それじゃあまたあとで」
ザバーーンッッ!
「ドン君‥‥アレクが海人族と一緒に泳いで行ったよ」
「ええデーツさん」
「「やっぱり人族じゃない?」」
【 王国定例会議にて 】
「それでは閣議の最後に。報告のある者はいるか?」
「はい。外事課よりご報告が」
「申せ」
「中洲のグランド。海洋諸国の飛び地ですが、そこにロイズ帝国が大使館を設置する旨の連絡を受けました」
「ふむ。それで?」
「はい。同様にダルク大国からも大使館と未成年者用に魔法学校を設置すると。さらにはエルファニアからはエルフが常駐する診療所を、カザール法国からは神父を新たに派遣すると。」
「なぜだ?中洲とはいえ他国であろう。なぜそんなことを我ら王国に伝えねばならぬのか?」
「はあ国王様、私たち外事課としてもなぜか検討もつかぬのです。
ですが、それらの国のいずれもが早便にて通達をして参りました」
「ふむ。ドクトル、お主は何か聞いておるか?」
「いえ兄上。私は一向に……」
「まぁよい。近いとはいえ他国のことだ。放っておけ」
「はは」
▼
「早くも勘づかれるとはな。少々焦ったかの」
「ですなドクトル様。しかし大事の前の小事ゆえ」
「ふむ‥‥。
あの者どもは少々知り過ぎたな。
よしキザール、騎士団に通達を出せ。王国旗を掲げた盗賊団の船一艘、問答無用で沈めよと」
「ははっ。では早急に‥‥」
――――――――――
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「団長どこ行ってたんですか?」
「俺?ああジョングに泳ぎを教わってたんだ」
「泳ぎ?」
「うん。ジョングはさすが海人族なんだよ。泳ぎがすごいんだよ。まるで陸上みたいな動きなんだよドン!」
「へぇー(てかいつのまに仲良くなってるんだ団長は)」
「人の子よ。アレクは本当に人族なのか?」
「えっ?団長ですか?もちろん‥‥」
「なに詰まってんだよ!ドン!」
「いやだって俺もたまに思いますから」
「どこから見てもただの人族だよ俺は!」
「あははは」
「細かな動きはまだだが、アレクの水の中の速さは海人族よりも速いぞ」
「団長やっぱり‥‥」
「あはははは。ただの人族な」
▼
「じゃあ作戦はどうするの?」
「俺とジョングが潜航して船底に魔獣寄せの魔石をつけてくるよ。あとはやってくる魔獣次第かな。
ガタロみたいに弱ければ追撃してほしいし、そこそこ強ければある程度待ってから突っ込んでほしいな」
「てかアレク、潜航ってお前潜れるのか?」
「うん、コジローさん。ジョングに教わったから潜ったままいけるよ」
「呼吸はどうすんだよ?お前、鰓ないじゃん」
「大丈夫大丈夫。水の中でも空気を魔力で覆えるから」
「「「えぇー?!」」」
「まっアレクだもんな」
「そうじゃのアレク君だからの」
「そうね狐ちゃんだもん」
「「アレク(団長)だから‥‥」」
なんか変な納得だよなぁ。
「わかったわ。じゃあピーちゃんの出番はあるの?」
「うーんとピーちゃんは食後のデザート?」
「そっ。じゃあ船丸ごと食べてもらっていいのね?」
コワッ!やっぱピーちゃんコワッ!
「アレクなんだピーちゃんって?」
「あのね20メル超える大きな蛇だよ」
「はっ?」
「このくらいの船なんかピーちゃんの身体で粉々にするんだぜ。海賊は丸呑みするし、まぁ化けもんだなピーちゃんは」
「なんだその魔獣は!?」
「うーん魔獣じゃないんだよ。ピーちゃんはただの大きなペットなんだよ」
「はぁ?」
「凶暴だけどあんがいかわいい目してるんだせ」
「そ、そうなのか‥‥」
「まぁピーちゃんの出番はジョングの子どもたちを無事に回収してからでいいんじゃね?」
「そうね。ピーちゃん、狐ちゃんも1度食べてみたいって言ってたわよ」
「コワッ!ピーちゃんコワッ!やっぱ俺だけここで待ってるよ!」
「フフフ。冗談よ」
「冗談に聞こえねぇわ姫!
ああ、でもピーちゃんは水の下で待機しててよ。見つかったらダメだからね」
「シャーーーッッ」
「わかったわって言ってるわよ」
「えっ?船の中の言葉も聞こえんの?」
「もちろんじゃない」
「‥‥ピーちゃん!俺敵じゃないよね?友だちだよね?」
「シャーーーッッ」
「友だちだから1度食べて見たいんだって」
「ううっ‥‥」
わははははは
ワハハハハハ
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「じゃあみんな行ってくるよ」
「アレクよやり過ぎんなよ?俺らにも残してくれよ」
「もちろんだよコジローさん。だいたい魔獣寄せの効果が効きすぎて俺がヤバくなるかもしんねぇじゃん」
「そのときはアタシが口移しで空気を送ってあげるわ」
「レベちゃん‥‥」
「それじゃあまたあとで」
ザバーーンッッ!
「ドン君‥‥アレクが海人族と一緒に泳いで行ったよ」
「ええデーツさん」
「「やっぱり人族じゃない?」」
【 王国定例会議にて 】
「それでは閣議の最後に。報告のある者はいるか?」
「はい。外事課よりご報告が」
「申せ」
「中洲のグランド。海洋諸国の飛び地ですが、そこにロイズ帝国が大使館を設置する旨の連絡を受けました」
「ふむ。それで?」
「はい。同様にダルク大国からも大使館と未成年者用に魔法学校を設置すると。さらにはエルファニアからはエルフが常駐する診療所を、カザール法国からは神父を新たに派遣すると。」
「なぜだ?中洲とはいえ他国であろう。なぜそんなことを我ら王国に伝えねばならぬのか?」
「はあ国王様、私たち外事課としてもなぜか検討もつかぬのです。
ですが、それらの国のいずれもが早便にて通達をして参りました」
「ふむ。ドクトル、お主は何か聞いておるか?」
「いえ兄上。私は一向に……」
「まぁよい。近いとはいえ他国のことだ。放っておけ」
「はは」
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「早くも勘づかれるとはな。少々焦ったかの」
「ですなドクトル様。しかし大事の前の小事ゆえ」
「ふむ‥‥。
あの者どもは少々知り過ぎたな。
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