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第2章 幼年編
426 3人めの‥‥
しおりを挟む「おっさん、ミランダさんあのさ‥‥」
「ん?どうした?」
「なにアレク君?」
「実はね‥‥」
ロジャーのおっさんとミランダさんの間に生まれたメロンちゃん。めちゃくちゃかわいい赤ちゃんなんだ。
大人になったら絶対に美人になる!
そんなメロンちゃんにメロメロなのはもちろん親のロジャーのおっさんと俺。
でも俺にとってメロンちゃんはなんだろう?妹や弟と一緒で他人って気がしないんだよな。
そんなかわいいメロンちゃんを毎日毎日メロン吸いしてたからだろうか。シルフィに言われたんだ。
「アレクあんたが触りまくってるからいろんな精霊が寄ってきたじゃない。このままだったら弟君みたいに確実に精霊が憑くことになるわよ」
「マジか?」
「うんマジ」
▼
「2人には謝らなきゃならないことがあるんだ」
「「なんだ(なに)?」」
「メロンちゃんのことなんだけど」
「「??」」
「俺が毎日触ってたから精霊が憑くと思う。
このままだったら1、2年のうちにメロンちゃんに精霊が憑くみたいなんだ」
「がはははは。マジかアレク?」
「うんマジ」
「ガハハハハ。ミランダ傑作だぞ!俺らの子どもが精霊憑きになるってよ!王国だけじゃないぞ。中原全体でも10人といないぞ人族の精霊憑きは!」
「ん?それってなんなの?」
「ミランダさん精霊って聞いたことあるよね?」
「ええ。エルフは風の精霊に愛されてるから弓矢に優れているとか、ドワーフは火の精霊や土の精霊に愛されているから鍛治や採掘が得意っていう話よね?」
「そう。それで間違いないと思うよ」
「あなた精霊憑きは中原に10人もいないって?」
「ああ。エルフやドワーフを除いて精霊憑きの人族はかれこれ100年は居なくなったって言われてるな。
昔は人族に憑く精霊もエルフやドワーフと一緒で普通にいたらしいがな」
「へぇー。それじゃあダメなことはあるの?」
「ないよなアレク?」
「うん。たぶん困ることはないと思うよ。自分だけの親友以上の親友だからね精霊は」
「へぇーなんか素敵ね」
「うん」
「精霊憑きって種類があるの?」
「うん。俺に憑いてのはエルフと同じ風の精霊。
あと一般には水の精霊、火の精霊、土の精霊なんかがいるよ」
「そう。じゃあアレク君には風の精霊が憑いてるのよね?」
「うん。今も俺の肩に座ってミランダさんに手を振ってるよ」
「へぇー。でもぜんぜん見えないわ」
「そうだよね。精霊が憑くと普通の人族には見えない精霊が見えてくるよ。そして憑いて精霊が友だちになってくれるんだ。その人が生きている限りはね」
「へぇーそうなのねー。でもごめんね、私には精霊はぜんぜん見えないわ」
「仕方ないよ。俺も前はぜんぜん見えなかったから。
でね俺に憑いてくれてる風の精霊が言うんだけど人族も赤ちゃんのうちは精霊が見えるらしいんだ」
「今のメロンも?」
「うん。今のメロンちゃんもよく見えてるよ。でも普通の人族は成長するにつれてだんだん見えなくなるんだって。
メロンちゃんは精霊憑きの俺の魔力がずっと触れてるせいで精霊たちには居心地がいいらしいんだよね。だからこのまま大きくなっても精霊が憑くんだって」
「それって危ないことに巻き込まれたりしない?」
「うーんとね、普通の人より断然強くなるから逆に危ないことが起きても精霊が守ってくれると思うよ」
「そっ。じゃあ良いんじゃない。ねっあなた?」
「ああ良いんじゃねぇか」
「じゃあメロンちゃんが大きくなるまでは俺がアドバイスとかするよ」
「「ああ(ええ)」」
こうして王国では俺、弟に続き人族3人めの精霊憑きが現れることになるんだ。
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