アレク・プランタン

かえるまる

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第2章 幼年編

335 違和感

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 「帰リタケレバオレタチヲタオシテミロ!」

 あいつが名乗りをあげたんだ。

 「へぇー案外まともじゃん!でもね‥‥」
 「ああシルフィ。そうだよな‥‥」

シルフィが思わず声に出して言った。俺も案外まともなことを言うじゃんかなって思った。

それでも。
それでもお前のせいでリズ先輩とゲージ先輩は死にかけたんだぞ。てか一歩間違えてたら死んでたんだぞ!
死人までは出さないのが学園ダンジョンの良いところなんだろ?身体に欠損箇所ができたって最後の最後は学園に寄り添ってくれるから学園ダンジョンなんだろ?
あおちゃんと話しててそれはよくわかったよ。ダンジョンの管理者はちゃんと学園生のことを考えててくれてるって。

でも‥‥
あおちゃんが言ったように、イレギュラーのお前はやりすぎた。だからその報いは受けてもらうからな。

 「よーし!」

 パンパンッと俺は自分の頬を叩いて気合いを入れる。

 「正面からあいつを倒すよシルフィ!」
 「フフフ。そうこなくっちゃね!」

 サンダーボウ(雷矢)を全面に発現して闘えばゴブリンたちは圧倒できる。でも俺はあいつの土俵にのって、それでも圧勝してやるんだ。だからサンダーボウ(雷矢)は使わない。あいつはクソ野郎だけど名乗りをあげたんだからただで殲滅はしない。
正々堂々と向かってくるのならこちらもそれに応えて倒してやるよ!


ギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッ‥

数は100体ほど。だけどあいつが指揮するゴブリンたちだ。
一筋縄ではいかないだろうな。

 シュッ!
 ふらふら‥
 シュッ!
 ふらふら‥

距離は依然50メル近く。
矢を構えるゴブリンの中から、あいつの指揮さえ理解できないゴブリンアーチャー数体が矢を射掛けてくる。

 「ハン、ぜんぜん届かねぇぞ!」
 「それでも油断しちゃダメだよオニール」
 「ああ、もちろんだ」

やっぱりゴブリンアーチャーだからな。距離20メルでさえもおぼつかない奴らばかりだ。ゲージ先輩はデカいから的になったんだろ。今度はそうはいかないぞ!

 「タイガーアイツら盾持ってねぇか?」
 「ああ、そう見えるな。キム?」
 「ああ。どうも弓矢のアーチャーと盾役がセットみたいだな」

50メルの距離から盾を持ってるゴブリンと矢を番えるアーチャーが2人1組に見えるんだよ。何か気にななる……。

 「進むよみんな」

ザッザッザッザッザッ‥
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ‥

休憩室の扉まであと30メルとなった。
依然仕掛けてこないゴブリンたち100体。

ギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッギャッ‥

 「ちょっと怖いね」

ビリー先輩が言うのも理解できる。これだけ接近してるのにまだ突撃してこないんだもんな。これだけ近づいてもまだ統制がとれている。
 
 シュッ!
 ふらふら‥
 シュッ!
 ふらふら‥

 それでも。中には馬鹿もいるんだな。届きもしないのにゴブリンアーチャーの矢が飛んでくる。しかも低い威力で。
 こっちはビリー先輩、マリー先輩、俺の3人の矢の射程圏だ。
飛距離は狙っても当たるし、マリー先輩と俺は風の精霊の加護がついている。30メルは余裕だ。

 「ここから3人で射掛けるよ。向かってくる奴らはタイガー、キム、オニール、シャンク君に任せるからね」
 「「「了解!」」」

 「じゃあマリー、アレク君いくよ!」
 「「ええ(はい)!」」

 シュッ!シュッ!
 シュッ!シュッ!
 シュッ!シュッ!

ビリー先輩、マリー先輩、俺の3人が並んで連射する。

 バババババッ!

盾!?盾でガードしてる!

 ガーンッ!
 ガーンッ!
 ガーンッ!
 ギャッ!
 ガーンッ!
 ギャッ!

ゴブリンたちが盾を合わせ鏡のように、亀甲のように合わせたんだ!隙間を抜け出た矢が2本刺さっただけだ。

 「ははは。6本で2本だけか。すごいね!」
 「ほんとね。フフフ」

すごいと言うビリー先輩。なんか嬉しそうだな。あれ?ビリー先輩も戦闘狂だったっけ?

 「これじゃ仕方ないね。そうだなぁ、こんなときはアレク君のおもしろ矢かな」

そう言いながらビリー先輩が亀の甲羅のように丸まったゴブリンに矢を放った。

 シュッ!
 ジュワーーッッ

 「アレク君火をつけて」
 「そうか!それがありましたね!ビリー先輩。ファイアボール!」

 油が広がる盾にファイアボールを投げる俺。

 ギャアーーーッッ!
 ギャアーーーッッ!

 
 
【 お詫び 】

途中でごめんなさい。
忙しくて書けれませんでした(汗)
明日の更新でぜひしっかり続きをお読みください。 
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