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第2章 幼年編
288 41階層にむけて(中)
しおりを挟む「ここから先はゆっくりご飯を食べられないかもしれないんですよね?だいたい次の休憩室に行けるのかさえもわからないんですよね‥‥」
泣きだしそうな不安いっぱいの顔をしたシャンク先輩から食事面での提案があった。
シャンク先輩のその顔を見て思わずセーラと目が合った。そして激しく意識が通じ合った俺たち。
(えー心配してるけどシャンク先輩のほうがぜったいぜったい俺よりも強いって思うんですけど!
ダンジョンの初戦、噛みついたワーウルフを素手で八つ裂きにしたあの恐ろしいシャンク先輩の顔はセーラも俺も忘れないもんね!)
「ビリー先輩、ここからは余裕がなかったらご飯を食べてる暇もないのかもしれませんよね」
「そうだね。その可能性はけっこうあると思うよ」
「だから僕、前にアレク君が作った『えなじーどりんく』みたいな移動しながらでも食べたり飲んだりできるものを作ろうかなって思うんですけど」
「ああそれはとってもありがたいね。とくにあの『えなじーどりんく』はおいしかったみたいだしね」
当初作ったエナジードリンク・リンゴー味はとっくにない。
それでも一角山羊の胆嚢は丸薬にしてあるから、干してある回復効果のある草とあわせて液状に溶かしてパウチにしたらそこそこのものは作れるよな。甘味はメイプルシロップでつけてドライフルーツで香りを補えばいいし。回復効果はふつうのポーション並だけど、まあ飲まないよりは飲んだほうがはるかにいいよ。
「えなじーどりんく、あれけっこう切り傷にも効くの。味もおいしいの」
「ああそうだったね」
「えっ、何それ?いつのまに?リズとビリーだけ飲んだのかよ。お前ら卑怯だぞ!」
「私は飲んでないの」
「僕も飲んでないよ」
「だってお前ら‥‥」
「ひょっとして‥‥」
「「うんうん」」
「俺かよ!」
「「そうオニールだよ」」
「あーあのときのあれか!」
それはオニールがスケルトンに足を少し斬られたときビリーとリズから勧められたあのアレク製パウチに入ったドリンクだ。
「『えなじーどりんく』はもうオニールで人体実験済みなの」
「ははは、そうだね」
「お前ら、人体実験言うな!」
「じゃあシャンク君には携帯食をお願いするよ。アレク君と協力して作ってくれるかい?」
「「はい」」
「これまではアレク君の圧倒的な魔力の恩恵でダンジョン探索は進んでこれたけど、ここからはおそらくダンジョンも学習してるはずだよ」
「だからどうなるのかはまったくわからないからね」
「俺からも提案がある」
キム先輩が言った。
すいません。ちょっといろいろ忙しくて‥‥
文章量が少ないです(謝)
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