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第2章 幼年編
167 自己紹介①
しおりを挟む長机正面に座るマリー先輩、タイガー先輩から自己紹介が始まった。
「6年1組マリー・エランドル。エルフ族よ。
エルフの里からヴィヨルド学園に留学してる。私は精霊魔法を発現だできるわ。精霊魔法はエルフやドワーフは発現できるんだけと、ヒューマンや獣人族は存在も知らない人が多いわ。
火水土金風の5大魔法とされるものすべてを発現できるわ。あと、回復魔法はキュア、ああヒールね。ヒールを少し。
格闘や体術はダメ。ぜんぜん役に立たないわ。弓はそこそこ。料理は普通かな」
マリー先輩の自己紹介だ。
エルフのマリー先輩は相変わらずスレンダーで綺麗だなあ。あの尖った耳も‥俺1度でいいから触ってくんかくんかしたい(変態じゃないよ)
マリー先輩のお母さんの、双子の兄弟の弟が俺のホーク師匠だ。
マリー先輩に憑く風の精霊シンディは俺に憑くシルフィの友だちだ。
でもエルフの里って本当にあるんだなあ。
なんかメルヘンだよなあ。
「6年1組タイガーだ。生まれも育ちもヴィンランドの虎獣人だ。
獣人差別もないこの領が好きだ。魔法は一切できない。体術、格闘術だけ。
隊では斥候から前衛、後衛からポーターまで何でもやるからな。料理はまったくダメ。次に話すゲージと同じレベルだ」
筋骨隆々のタイガー先輩。
猫科でも最強格は虎と獅子だもんな。
こないだ闘った、シナモンの先輩、獅子獣人女子のライラ先輩もすごいしなやかな筋肉だったもんな‥
あっ!いかんいかん、変なことも思い出してしまったよ。てへっ。
長机、俺たちの対面に座るのはゲージ先輩、リズ先輩、オニール先輩、ビリー先輩だ。
「オイは6年1組鰐獣人のゲージだ。みんな仲良く楽しくやろうギャハハ。
オイも体術と格闘術の近接戦、あと鰐だから水中戦もいけるぞ。
魔法はぜんぜんダメ。皮が硬いからな、盾役も任せろよ。もちろんポーターもだ。
料理はさっきのタイガーと同じ。タイガーや俺が料理当番をやるようになったら魔獣の生肉や焼いたくらいで勘弁してくれよ。ギャハハ。
まあリズよりはマシだがな、ギャハハ」
クククッ
ワハハハ
ウフフフ
ギャハハ
うん?
6年の先輩たちがなぜか大笑いしだした。
でもゲージ先輩の豪放磊落、底抜けの明るさはいいなぁ。全体のムードもよくなるよ‥‥
って何?!
さっきの幼女がゲージ先輩の尻尾をガジガジ噛んでるよ!マジか?
「痛い、痛い、リズ痛いぞ!ギャハハ」
「オニール、人族。法国モンク僧見習いだ。よろしく。
アレク、俺はお前のクラスメイトのセロの先輩だよ。
普段は棍だが、ダンジョンでは槍でいくと思う。
魔法は使えない。近接戦からポーターまでだいたいできると思う。
料理は冒険者レベルだからあまり期待しないでくれよ」
オニール先輩はセロの先輩だと言った。
セロ同様にモンク僧だな。
モンク僧は、宗教、この場合は女神教の教会が抱える武装兵だ。
昔の日本でいう、僧兵みたいなもんだな。
オニール先輩。なんか個性的な面々が揃う中で、珍しく普通の人みたいに見えるよ。
おっ、次は幼女だな。
「6年1組人族、自治領魔女の里から来たリズなの。
4年の夏に転校してきたの。
私は、聖魔法、重力魔法、火魔法を発現できるトリプルなの。
あと、契約魔法も使えるの。
趣味はお料理なの。でもマリーが私にはお料理禁止だっていうの」
幼女はリズ先輩と言った。
でも本当に6年生(15歳)なの?どう見ても妹のスザンヌくらい、7歳くらいに見えるよ!
しかもお料理禁止って何?意味わかんないよ!
「当たり前じゃない。リズが食事を作ったら、深層階に行く前に全滅よ!」
マリー先輩が何やらすごく不吉なことを発した。全滅?何なの?
ぷっ、ワハハハハ
ギャハハハ
あ、また先輩たちが腹を抱えて笑ってるよ!
「リズ先輩‥」
あっ。セーラが立ち上がり、リズ先輩の下に駆け寄ったよ。リズ先輩の小さな身体を後ろからひしっと抱きしめている。
ん?
意味がわからない。
「僕は6年1組ビリー・ジョーダン。人族だ」
長身痩躯。
対面に座る最後は、ビリー先輩だ。
なんか柔和な雰囲気もカッコいいんだよね、この先輩。
ぜんぜん偉そうじゃないし、こういう貴族もいるんだな。
「王都からヴィンランド学園に留学している。僕は主が弓だから長距離戦が得意かな。
魔法は生活魔法の水が使えるだけだよ。過去に出現した魔獣とその対処法は覚えているから、指示も出せると思うよ。料理は‥(チラッ)普通かな」
ビリー先輩の弓は、たしかにすごいんだよな。風の精霊シルフィでさえ感心するくらいだから。
でも‥‥ビリー先輩もなぜリズ先輩の方をチラッと見るんだろう?
対面に座る先輩たちの自己紹介が終わった。
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