アレク・プランタン

かえるまる

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第2章 幼年編

126 帰り道

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「トール、おじさんとおばさんにお礼を言っといてな」

「うん、わかった」

家が近いハンス、トール、シナモンとは、ここでお別れだ。

「アリシアとキャロルは女子寮だよな。一緒に帰るか」

「「うん」」

「やーいシナモン、ウッシシ」
(最後の最後に勝ったわ)

「ムキー、アリシアめー」

なぜかシナモンとアリシアが張り合っていた。

「じゃあまた明日。ばいばーい」

「「ばいばーい」」



「楽しかったねー」

「本当だよなー」

「トールのお家のご飯もとっても美味しかったし」

「ホント、ホント」


【  アリシアside  】

楽しい時間はあっという間だ。今日一日で一気にみんなと仲良くなれた。こんな素敵な仲間たちと素晴らしい時間が過ごせるなんて思っても見なかった。
頑張って領都まで来て良かったな。
しかも最後の最後でアリシアに勝てたし。さあ、あとは私もアレク君と腕を組んで「ダーリン」って呼ぼうかな。キャー私って大胆かもー!


【  キャロルside  】

あー楽しかったわ。とくにトールの双子の弟妹。めちゃくちゃ可愛かったな。家の弟たちは今ごろ元気かな。って、、私にはもう言う資格は無いか‥。



寮が見えてきた。
ごくんと唾を飲んだアリシアが勇気を振り絞って口を開けた。

「ア、アレク‥私もダ、ダーリンって‥」

「アレク?」

「あっ、マリー先輩!」

そこには寮に戻るところだったエルフのマリーがいた。
まるで仔犬が駆け寄るみたいにマリーの元に駆け寄るアレク。

「アレク君、お出かけだったの?」

「はい、クラスメイトに連れられてこっちの教会の子どもたちと遊んできました」

(あーマリー先輩‥やっぱいーよなー)

「そう。アレク君も両手に花で良かったわねー」

「違いますよー。こいつらもクラスメイトです。マリー先輩はどこ行って来たんですかー?」

(あーめっちゃいい匂いだ‥)

そこにはアレクの惚けた姿があった。まるでアレクに甘えて尻尾を振るシナモンのデレた姿とリンクするアリシアがいた。


寮に戻ったキャロルはアリシアにこう告げたという。

「私にはヒューマンのアレクに、見えるはずのない尻尾がぶるぶると高速で動くのが見えた」と。

呆然としたアリシアは一言だけ返したと言う。

「私も同じよ。シナモンに勝ったと思ったのに。負けたわ‥」





マリー先輩を加えて4人で帰る寮の前で、茫然とこちらを見ているハイルに会った。

「あう、あう、あう‥」

なぜか俺を憎々しげに見つめながら、あうあうと奇妙な言葉を連呼しているハイルがいた。

「おい、ハイル。どうした?」

「アレク、きたねーぞ」

ダッ!

なぜか突貫で部屋に駆け戻るハイルの姿を、不思議に見続けるアレクだった。


部屋に戻ったハイルは、強く理解した。
1組になればアレクのように女子が群がるようになるんだと。

『このままじゃあかんやろ‥せめて字ぐらいちゃんと読めへんと‥』

机に座り勉強を開始するハンス。秋には絶対アレクとクラスメイトになる、俺もハーレム野郎になると心に誓うハイルだった。

「でも‥字が1個も読めへん‥」
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