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第2章 幼年編
115 レベッカ活火山
しおりを挟むハイルが憤死した後をうけて。
「レベッカ教官、よろしくお願いします!」
「アレク君お顔が固いわよ。お顔は固くなくてもいいのよ。硬くするのはカ・ラ・ダ」
「ナムナムナム‥」
お経を唱える俺、きっと顔も心も能面のようになっていたと思う‥。
レベッカさんの上に乗る。
うん、やっぱりお花系の香りがします。
「4人め、始め!」
ピーーー!
(金剛!)
マウントポジションの俺もすかさず両手両足を伸ばしてレベッカ教官の迫り上がる噴火のような腹筋に備えた。
「どっせーい!」
ガクンッ!!
まるで直下型大地震による揺れだ。必死に耐える俺。
「どっせーい!」
ガクガク ガクガク
足も手も震える。
これは一瞬でも油断をしたら持っていかれる。
「アレク君いいわー。上手よー」
下からレベッカ教官の声が聞こえてくる。
「はぁーーんっ」
(うん、何も見えない。何も聞こえない。何も考えない‥)
ワニガメの頭もわさわさ動いている。
油断したら噛まれる。
このまま2度3度と直下型地震を耐える。
「どっせーい!」
「どっせーい!」
「どっせーい!」
ピーーー!
「やめ!それまで!」
(やったー耐えきったよ俺!)
「はーい。アレク君合格よー」
「レベッカ教官、ありがとうございました!」
「もう!試験が終わったんだから、教官じゃなくってお・ね・え・さ・ん!」
「あはは‥」
ばちこーんとウインクをするレベッカ寮長だった。
のちに先輩達に聞いたが、レベッカ寮長はヴィヨルド領でも3指にはいる体術の使い手らしい‥。
やっぱり強かったんだ。
1次試験の結果。
俺を含めて5人が合格した。俺以外、みな獣人だ。
「では2次試験に移る。1人の不戦勝を含めて戦う順もくじ引きだ」
くじ引きは1から5まで。1回めが不戦勝となるのは5。試合は1対2、次いで3対4。3対4の勝者が5と戦う。その後決勝だ。
休憩もほぼなく連続しての試合のため、1、2、5が体力的に有利には違いない。もちろんここには体重別階級もない、無差別オンリーだ。
俺は3をひいた。
第1試合、おれの相手は山猫獣人と決まった。
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