60 / 722
第2章 幼年編
060 テンプレは?
しおりを挟む
冒険者組合は領都の真ん中辺りにある。教会学校からも近い。
木造2階建。入口には剣と盾のロゴのような看板がある、いかにもって感じの建屋だ。
開扉を開けて中に入る。予想通り入口付近は飲酒可能な円卓のテーブルスペース、その奥に掲示板が広がり、最奥に受付があった。解体場と修練場は裏手だ。
(これはあれだよ!まずは変な三下に絡まれるテンプレ展開だな!)
ワクワクしながら周囲を見渡す。
ワクワクしながら周囲を見渡す。
ワクワク‥
誰も相手をしてくれない。てか誰もいないじゃん!
午後2時過ぎ。
冒険者は皆出払っていているみたいだ。
そんな中、受付に向かう俺。
(今度はテンプレ展開来てくれよー!)
受付は若くて猫耳の可愛い看板受付嬢とベテランお姐さんだよなーぜったい!と次の予想してみる。
すると受付にはベテランっぽい受付嬢が1人いるだけだった。うーん、残念!
それでも半分正解ってとこだからヨシとしよう。
「あら、僕なに?」
「あのーすいません。冒険者登録をしたいんですけど」
「若いわねー。いくつ?」
「6歳です」
「お父さんかお母さんの許可は得てきた?」
「はい、教会学校のモンデール神父様から登録をしてこいと言われて来ました」
「ああ、教会の手紙配達の依頼よね」
「たぶんそれだと思います」
「じゃあ登録するからこの羊皮紙に必要事項を書いてから水晶に手をかざして。詳しい説明はそれからするわね」
「はいお姉さん、お願いします」
「お姉さん‥まっ、素直ないい子ね」
(チョロいな‥)
受付嬢はマリナさんという三十路近い女性であった。金髪ストレートの美人さんである。この世界では15歳が成人で10代での結婚がざらにあるだけに‥かなり微妙なお年ごろである。
羊皮紙に冒険者登録を書いて水晶に手をかざす。水晶は指紋みたいに個人を特定できるらしい。これで今後は中原どこの冒険者組合でも本人確認がとれるそうだ。冒険者組合は国やその他団体所属ではなく中立の組織としてどの国にも在る。なので中原内のギルドはどこへでも入れるそうだ。依頼料は預けることもでき、どこのギルドでも引き出しが可能だそうだ。
仕事は冒険者のランクによって受けることが決まっている。
冒険者ランクは最下級の青銅(5級ともいう)から赤銅(4級)・鉄(3級)・銀(2級)・金(1級)・白銀(これより上は特級ともいう)・ダイヤ・アダマンタイトとなる。
金級は一騎当千、最高峰のアダマンタイト級は中原全体でも数人、対国はもちろん対ドラゴンでも単独での戦闘が可能な戦力という。
仕事の内容はギルド内の掲示板で。もちろん該当級でなければ依頼を受けることはできない。
お姉さん(マリナさん)から木札をもらい紐で結んで首からかけてもらった。
この木札があればどこの国や領土でも入国税もかからないそうだ。
最低級の青銅(5級)の俺はお使い、掃除、薬草採取等しかできない。最低ランクのチューラットなどの魔獣でさえその駆除は認められていない。
今は「郵便屋さん」だが、早くレベルを赤銅以上にあげたい。
そのためにも時間をみつけて薬草採りもやりたい。
▼
「アレン君こんにちわ」
(今日こそ隣の綺麗なお姉さんがいるところに行きたかったのに‥)
「マリナお姉さんこんにちは」
「はい、こんにちは。今日もいい挨拶ね。今日は何のご用?」
「常設依頼の薬草採りをしたいんだけど」
「ああ薬草ね。これはいつでもいくつでも制限はないから、採ってきたらそのまま裏の解体場に行くといいわ」
「はい。わかりました」
「アレク君は薬草はわかるの?」
「あー、俺田舎育ちなんでたいていの薬草はわかります」
「そう、えらいわねー」
俺は田舎のデニーホッパー村出身だ。というか今も通っているし。
何が薬草でどう刈り採ればいいのかも充分わかっている。
よし、明日からは薬草採りもするぞ!
目指せ4級赤銅色!
木造2階建。入口には剣と盾のロゴのような看板がある、いかにもって感じの建屋だ。
開扉を開けて中に入る。予想通り入口付近は飲酒可能な円卓のテーブルスペース、その奥に掲示板が広がり、最奥に受付があった。解体場と修練場は裏手だ。
(これはあれだよ!まずは変な三下に絡まれるテンプレ展開だな!)
ワクワクしながら周囲を見渡す。
ワクワクしながら周囲を見渡す。
ワクワク‥
誰も相手をしてくれない。てか誰もいないじゃん!
午後2時過ぎ。
冒険者は皆出払っていているみたいだ。
そんな中、受付に向かう俺。
(今度はテンプレ展開来てくれよー!)
受付は若くて猫耳の可愛い看板受付嬢とベテランお姐さんだよなーぜったい!と次の予想してみる。
すると受付にはベテランっぽい受付嬢が1人いるだけだった。うーん、残念!
それでも半分正解ってとこだからヨシとしよう。
「あら、僕なに?」
「あのーすいません。冒険者登録をしたいんですけど」
「若いわねー。いくつ?」
「6歳です」
「お父さんかお母さんの許可は得てきた?」
「はい、教会学校のモンデール神父様から登録をしてこいと言われて来ました」
「ああ、教会の手紙配達の依頼よね」
「たぶんそれだと思います」
「じゃあ登録するからこの羊皮紙に必要事項を書いてから水晶に手をかざして。詳しい説明はそれからするわね」
「はいお姉さん、お願いします」
「お姉さん‥まっ、素直ないい子ね」
(チョロいな‥)
受付嬢はマリナさんという三十路近い女性であった。金髪ストレートの美人さんである。この世界では15歳が成人で10代での結婚がざらにあるだけに‥かなり微妙なお年ごろである。
羊皮紙に冒険者登録を書いて水晶に手をかざす。水晶は指紋みたいに個人を特定できるらしい。これで今後は中原どこの冒険者組合でも本人確認がとれるそうだ。冒険者組合は国やその他団体所属ではなく中立の組織としてどの国にも在る。なので中原内のギルドはどこへでも入れるそうだ。依頼料は預けることもでき、どこのギルドでも引き出しが可能だそうだ。
仕事は冒険者のランクによって受けることが決まっている。
冒険者ランクは最下級の青銅(5級ともいう)から赤銅(4級)・鉄(3級)・銀(2級)・金(1級)・白銀(これより上は特級ともいう)・ダイヤ・アダマンタイトとなる。
金級は一騎当千、最高峰のアダマンタイト級は中原全体でも数人、対国はもちろん対ドラゴンでも単独での戦闘が可能な戦力という。
仕事の内容はギルド内の掲示板で。もちろん該当級でなければ依頼を受けることはできない。
お姉さん(マリナさん)から木札をもらい紐で結んで首からかけてもらった。
この木札があればどこの国や領土でも入国税もかからないそうだ。
最低級の青銅(5級)の俺はお使い、掃除、薬草採取等しかできない。最低ランクのチューラットなどの魔獣でさえその駆除は認められていない。
今は「郵便屋さん」だが、早くレベルを赤銅以上にあげたい。
そのためにも時間をみつけて薬草採りもやりたい。
▼
「アレン君こんにちわ」
(今日こそ隣の綺麗なお姉さんがいるところに行きたかったのに‥)
「マリナお姉さんこんにちは」
「はい、こんにちは。今日もいい挨拶ね。今日は何のご用?」
「常設依頼の薬草採りをしたいんだけど」
「ああ薬草ね。これはいつでもいくつでも制限はないから、採ってきたらそのまま裏の解体場に行くといいわ」
「はい。わかりました」
「アレク君は薬草はわかるの?」
「あー、俺田舎育ちなんでたいていの薬草はわかります」
「そう、えらいわねー」
俺は田舎のデニーホッパー村出身だ。というか今も通っているし。
何が薬草でどう刈り採ればいいのかも充分わかっている。
よし、明日からは薬草採りもするぞ!
目指せ4級赤銅色!
20
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説

どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。

俺のスキルが無だった件
しょうわな人
ファンタジー
会社から帰宅中に若者に親父狩りされていた俺、神城闘史(かみしろとうじ)。
攻撃してきたのを捌いて、逃れようとしていた時に眩しい光に包まれた。
気がつけば、見知らぬ部屋にいた俺と俺を狩ろうとしていた若者五人。
偉そうな爺さんにステータスオープンと言えと言われて素直に従った。
若者五人はどうやら爺さんを満足させたらしい。が、俺のステータスは爺さんからすればゴミカスと同じだったようだ。
いきなり金貨二枚を持たされて放り出された俺。しかし、スキルの真価を知り人助け(何でも屋)をしながら異世界で生活する事になった。
【お知らせ】
カクヨムで掲載、完結済の当作品を、微修正してこちらで再掲載させて貰います。よろしくお願いします。

異世界に追放されました。二度目の人生は辺境貴族の長男です。
ファンタスティック小説家
ファンタジー
科学者・伊介天成(いかい てんせい)はある日、自分の勤める巨大企業『イセカイテック』が、転移装置開発プロジェクトの遅延を世間にたいして隠蔽していたことを知る。モルモットですら実験をしてないのに「有人転移成功!」とうそぶいていたのだ。急進的にすすむ異世界開発事業において、優位性を保つために、『イセカイテック』は計画を無理に進めようとしていた。たとえ、試験段階の転移装置にいきなり人間を乗せようとも──。
実験の無謀さを指摘した伊介天成は『イセカイテック』に邪魔者とみなされ、転移装置の実験という名目でこの世界から追放されてしまう。
無茶すぎる転移をさせられ死を覚悟する伊介天成。だが、次に目が覚めた時──彼は剣と魔法の異世界に転生していた。
辺境貴族アルドレア家の長男アーカムとして生まれかわった伊介天成は、異世界での二度目の人生をゼロからスタートさせる。
異世界召喚されました……断る!
K1-M
ファンタジー
【第3巻 令和3年12月31日】
【第2巻 令和3年 8月25日】
【書籍化 令和3年 3月25日】
会社を辞めて絶賛無職中のおっさん。気が付いたら知らない空間に。空間の主、女神の説明によると、とある異世界の国の召喚魔法によりおっさんが喚ばれてしまったとの事。お約束通りチートをもらって若返ったおっさんの冒険が今始ま『断るっ!』
※ステータスの毎回表記は序盤のみです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜
大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。
広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。
ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。
彼の名はレッド=カーマイン。
最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。
※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる