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第2章 幼年編
054 閑話 アンナの憂鬱
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村の教会学校(前期)を卒業したというものの、アンナの日常は変わらなかった。
上級生となったが、勉強していることはこれまでと変わらない。
相変わらず計算は苦手だ。
変わらない毎日が悪いわけではない。お腹が空いて眠れないわけでもなく、魔獣や盗賊に怯えるわけでもないからだ。平和な毎日は嬉しい。
ただ、、なぜか少々つまらなかった。
変わったことはもちろんたくさんある。
何より食生活は格段に良くなった。もともと野菜は好きではなかった(茹で芋はまあまあ好きだが)
芋や麦の収穫が増えたのは良かったと思う。
父さんも母さんも、村のみんなも喜んでいるからだ。
それもこれも畠の土が良くなったからたくさん収穫できるようになったからだ。
アレクは「土が‥何とかかんとかで良くなったからだ」と言っていた。
そんな畠を荒らす魔獣のチューラットやアルマジローもずいぶんと数が減った。チューラットのハンバーグが大好きになったアンナにすれば逆に減り過ぎたチューラットが居なくなりはしないかと少々心配にもなる。
これもアレクが「チューラットの硬い肉も‥何とかかんとかで美味しくなるからだ」と言っていた。
家の裏にはアレクが建てた背丈を超える高さの塀もできた。
この塀は村全体を囲っているから、魔獣が入ってくる危険も無くなった。
良くなったことはまだまだたくさんある。
村人もずいぶんと増えて村自体も賑やかになった。
商店もできた。
サンデー商店のシルカさんは同じ山猫の獣人で余計に親しみが湧く。
ニャンタ父さんの後輩だし。
学校の行き帰りがジャンといっしょなのは変わらない。春からはアレクの妹のスザンヌもいっしょだ。アレクが起こしてくれていた朝も今はスザンヌが代わって起こしてくれる。スザンヌは本当の妹みたいでかわいい。ただスザンヌは私よりもしっかりしてるけど。
毎日は楽しい。
だけど‥何か物足りなさも感じているアンナである。
「あ~あ、アレク帰ってこないかなぁ‥」
「アンナお姉ちゃん、また今日も言ってるー。スザンヌと同じだねー」
「ほんとねー」
クスクス
クスクス
こうして、最後はいつも同じ会話になるのもお約束だった。
上級生となったが、勉強していることはこれまでと変わらない。
相変わらず計算は苦手だ。
変わらない毎日が悪いわけではない。お腹が空いて眠れないわけでもなく、魔獣や盗賊に怯えるわけでもないからだ。平和な毎日は嬉しい。
ただ、、なぜか少々つまらなかった。
変わったことはもちろんたくさんある。
何より食生活は格段に良くなった。もともと野菜は好きではなかった(茹で芋はまあまあ好きだが)
芋や麦の収穫が増えたのは良かったと思う。
父さんも母さんも、村のみんなも喜んでいるからだ。
それもこれも畠の土が良くなったからたくさん収穫できるようになったからだ。
アレクは「土が‥何とかかんとかで良くなったからだ」と言っていた。
そんな畠を荒らす魔獣のチューラットやアルマジローもずいぶんと数が減った。チューラットのハンバーグが大好きになったアンナにすれば逆に減り過ぎたチューラットが居なくなりはしないかと少々心配にもなる。
これもアレクが「チューラットの硬い肉も‥何とかかんとかで美味しくなるからだ」と言っていた。
家の裏にはアレクが建てた背丈を超える高さの塀もできた。
この塀は村全体を囲っているから、魔獣が入ってくる危険も無くなった。
良くなったことはまだまだたくさんある。
村人もずいぶんと増えて村自体も賑やかになった。
商店もできた。
サンデー商店のシルカさんは同じ山猫の獣人で余計に親しみが湧く。
ニャンタ父さんの後輩だし。
学校の行き帰りがジャンといっしょなのは変わらない。春からはアレクの妹のスザンヌもいっしょだ。アレクが起こしてくれていた朝も今はスザンヌが代わって起こしてくれる。スザンヌは本当の妹みたいでかわいい。ただスザンヌは私よりもしっかりしてるけど。
毎日は楽しい。
だけど‥何か物足りなさも感じているアンナである。
「あ~あ、アレク帰ってこないかなぁ‥」
「アンナお姉ちゃん、また今日も言ってるー。スザンヌと同じだねー」
「ほんとねー」
クスクス
クスクス
こうして、最後はいつも同じ会話になるのもお約束だった。
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