43 / 722
第2章 幼年編
043 風魔法
しおりを挟む
残る1つの生活魔法が風魔法だ。学校では1人、ベンクック(ベン)だけが風魔法を使える。
バザーではベンが発現した風魔法「ドライ(乾燥)」でシリアルバーに入れる果物を乾燥してくれた。
ベンは小柄で穏和な大人しい子どもだ。
「ベンおはよー」
「アレンおはよー」
「ベンは風魔法が使えるじゃん」
「うん」
「ベンのお父さんも使えるのか?」
「うん。父ちゃんと母ちゃんの2人とも使えるよ」
「すげぇな。何に使ってる?」
「収穫に便利だよ。麦や粟なんかの穀物の収穫は鎌要らずさ」
「なるほど!それは楽だなー」
「あとは?」
「こないだみたいな食べものを乾燥するには便利だよ」
「うんうん、あとは?」
「届かない上のほうの木の実も風で採れるし」
「それは便利だなー。あとは?あとは?」
(これはいろいろ生活が楽になるなあ)
「水の上で竜巻を起こしてやれば魚も捕れるよ」
「へーすげぇな。そんな使い方があるんだ。あとは、あとは?」
すごい、風魔法すごいぞ。
「うーん、そんなとこかなあ。あっ、母ちゃんが髪を洗って濡らしたら、父ちゃんが乾かすのを手伝わされてる」
(えっ、人間ドライヤーじゃんそれ)
「はは。それは‥微妙だな‥」
風魔法の魅力はなんといっても攻撃魔法だろう。
コピーもいっぱいできる忍者の◯◯◯先生のアレとか、真空波を飛ばして「エアカッター!」とか「風刃!」とか叫んだらカッコいいだろうなあ。
孫◯◯のカメ◯メ波も一種の風魔法かなー。
あと足元に風を纏わせて「ドロン!」と消えたらまんま忍者じゃん。
カエルの服着てやってみたい!
夢が広がるなあー。
「ベンはどうやって練習してる?俺も風の生活魔法を使いたいんだけど。いい方法があったら教えてほしいな」
「アレクはすごいよな。スキルがないところから覚えてるんだから。本当にすごいよな」
「そんなことないよ。できない俺にみんなが教えてくれたからさ」
「アレクがどこまで強くなるのか俺も期待してるぞ!」
「あはは、でも努力はするよ。俺努力しかできないから」
「その努力がすごいんだよ。俺も含めてみんな最初は努力するんだけどそのうち飽きちゃったり嫌になってできないんだよ。なのにずーっと努力をやり続けるアレンがすごいのさ」
「「「うんうん」」」
聞き耳をたてていた教室のみんながうなづいている。
「俺の練習だけど、鶏の羽根があるだろ。最初は羽根を机や手に置いて動かすところから入ったらどうかな。
雛鳥の軽い羽根のほうが取っつき易いぞ。でだんだん慣れたら羽根を空中に浮かべたり、遠くに飛ばして戻したりするのさ」
「ありがとうベン。さっそく今夜からやってみるよ」
こうして俺は目標としていた最後の生活魔法風の修練を始めた。
◎ベン式風魔法練習法
鳥の羽根を机の上に置いて練習する。
雛鳥などの軽い羽根から始める。
まずは机の上で動かすことから。
羽根は5日めから少し動き始めた。シスターナターシャにも報告したら、毎日やっているドラゴンの魔石の欠けらへ魔力をこめる練習が活きているからよと教えてくれた。
すべての魔法の発現には体内魔力が必要不可欠なんだと。
「アレク君、体内の魔力量をもっともっと増やしなさい。魔力量の大きさが今後のアレク君の人生を変えるわ」
「はい!シスターナターシャ」
魔力量は見えない。それでも俺は今日も努力あるのみだ。
バザーではベンが発現した風魔法「ドライ(乾燥)」でシリアルバーに入れる果物を乾燥してくれた。
ベンは小柄で穏和な大人しい子どもだ。
「ベンおはよー」
「アレンおはよー」
「ベンは風魔法が使えるじゃん」
「うん」
「ベンのお父さんも使えるのか?」
「うん。父ちゃんと母ちゃんの2人とも使えるよ」
「すげぇな。何に使ってる?」
「収穫に便利だよ。麦や粟なんかの穀物の収穫は鎌要らずさ」
「なるほど!それは楽だなー」
「あとは?」
「こないだみたいな食べものを乾燥するには便利だよ」
「うんうん、あとは?」
「届かない上のほうの木の実も風で採れるし」
「それは便利だなー。あとは?あとは?」
(これはいろいろ生活が楽になるなあ)
「水の上で竜巻を起こしてやれば魚も捕れるよ」
「へーすげぇな。そんな使い方があるんだ。あとは、あとは?」
すごい、風魔法すごいぞ。
「うーん、そんなとこかなあ。あっ、母ちゃんが髪を洗って濡らしたら、父ちゃんが乾かすのを手伝わされてる」
(えっ、人間ドライヤーじゃんそれ)
「はは。それは‥微妙だな‥」
風魔法の魅力はなんといっても攻撃魔法だろう。
コピーもいっぱいできる忍者の◯◯◯先生のアレとか、真空波を飛ばして「エアカッター!」とか「風刃!」とか叫んだらカッコいいだろうなあ。
孫◯◯のカメ◯メ波も一種の風魔法かなー。
あと足元に風を纏わせて「ドロン!」と消えたらまんま忍者じゃん。
カエルの服着てやってみたい!
夢が広がるなあー。
「ベンはどうやって練習してる?俺も風の生活魔法を使いたいんだけど。いい方法があったら教えてほしいな」
「アレクはすごいよな。スキルがないところから覚えてるんだから。本当にすごいよな」
「そんなことないよ。できない俺にみんなが教えてくれたからさ」
「アレクがどこまで強くなるのか俺も期待してるぞ!」
「あはは、でも努力はするよ。俺努力しかできないから」
「その努力がすごいんだよ。俺も含めてみんな最初は努力するんだけどそのうち飽きちゃったり嫌になってできないんだよ。なのにずーっと努力をやり続けるアレンがすごいのさ」
「「「うんうん」」」
聞き耳をたてていた教室のみんながうなづいている。
「俺の練習だけど、鶏の羽根があるだろ。最初は羽根を机や手に置いて動かすところから入ったらどうかな。
雛鳥の軽い羽根のほうが取っつき易いぞ。でだんだん慣れたら羽根を空中に浮かべたり、遠くに飛ばして戻したりするのさ」
「ありがとうベン。さっそく今夜からやってみるよ」
こうして俺は目標としていた最後の生活魔法風の修練を始めた。
◎ベン式風魔法練習法
鳥の羽根を机の上に置いて練習する。
雛鳥などの軽い羽根から始める。
まずは机の上で動かすことから。
羽根は5日めから少し動き始めた。シスターナターシャにも報告したら、毎日やっているドラゴンの魔石の欠けらへ魔力をこめる練習が活きているからよと教えてくれた。
すべての魔法の発現には体内魔力が必要不可欠なんだと。
「アレク君、体内の魔力量をもっともっと増やしなさい。魔力量の大きさが今後のアレク君の人生を変えるわ」
「はい!シスターナターシャ」
魔力量は見えない。それでも俺は今日も努力あるのみだ。
21
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説

なんか黄金とかいう馬鹿みたいなスキルを得たのでダラダラ欲望のままに金稼いで人生を楽しもうと思う
ちょす氏
ファンタジー
今の時代においてもっとも平凡な大学生の一人の俺。
卒業を間近に控え、周りの学生たちは冒険者としてのキャリアを選ぶ中、俺の夢はただひとつ、「悠々自適な生活」を送ること。
金も欲しいし、時間も欲しい。
程々に働いて程々に寝る……そんな生活だ。
しかし、それも容易ではなかった。100年前の事件によって。
そのせいで現代の世界は冒険者が主役の時代となっていた。
ある日、半ば興味本位で冒険者登録をしてみた俺は、予想外のスキル「黄金」を手に入れる。
「はぁ?」
俺が望んだのは平和な日常を送るためだが!?
悠々自適な生活とは程遠い、忙しない日々を送ることになる。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる