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第2章 幼年編
039 剣の修行
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楽しかったバザーも終わり、日常生活が戻ってきた。
そんな中、俺はシスターナターシャに相談をした。
「シスター、俺剣を覚えたいんだけど、誰から習えばいい?」
「剣?たしかにそろそろ学んでもいいころね。え~っと‥アレク君は知らなかったのよねー。あなたのすぐ近くにすごい剣の先生がいるわよ」
「えっ、誰?」
「ほら、あそこよ」
シスターナターシャが指さした先には、草むしりをしているディル神父様(俺たち男の子は親しみをこめて陰で爺さんと呼んでいる)がいた。
(まさかじーさんが‥)
「そのまさかよ」
「え~っ!?(しかも独り言がバレた?)」
シスターナターシャがこっそり教えてくれた。実はディル神父様は若かりし頃王都騎士団に所属していたんだそうだ。しかも副団長として。
王都騎士団。陛下直属、王国の武のエリート集団じゃないか。
「爺さ‥神父様」
「おおアレク君」
「俺に剣を教えてください」
「ふん。教えるのは構わんが、わしの指導はキツいぞ?一切の泣き言も認めん。それでよかったら教えてやるぞ?」
「神父‥師匠、お願いします!俺ぜったいやり遂げますから!」
「よし、その意気やよし!」
「師匠!よろしくお願いします!」
こうして俺はディル神父様から剣を習うことになった。ディル神父様が爺さんから剣の師匠になった。
▼
「「アレクばいばーい」」
「2人ともばいばーい」
教会学校はだいたい午後1時には終わる。今までの俺は、授業が終わったらジャンとアンナの3人で遊びながらのんびり帰っていた。が、この日から帰りは2人と別行動になった。ディル神父様(師匠)から剣の指導を受けるためだ。
「まずは両手剣からじゃ。基本の型が身体にしみこむまで剣を振るんじゃよ」
「はい師匠!」
型はひたすらに反復練習からという。いついかなる時も、攻めも受けも無意識のうちに身体が動くよう、身体が覚えるまで何千回何万回と同じ動作を続けよと師匠は言う。
「たわけ!雑念だらけじゃ。ダラダラした剣は何千回振っても変わらんわ!」
「痛っ!」
小枝で肩をピシッと叩かれる。
「痛っ!」
「もっと腰を落とせ!」
尻を小枝で叩かれる。
ディル神父様は誰にでも優しく穏やかだったが、剣の師匠になると豹変した。
容赦なく鋭い指導だった。
「この広い世界に剣の天才は一握りもおらん。あとの優劣は努力をした者だけじゃ。振った数の多さで強さが決まると思うがよい」
「一振り一振り集中しての。さすれば無我の境地となる。ここからが振った数じゃ」
師匠がいうには型何万回という振りは、この無我の境地になってからのことだと言う。雑念だらけの俺にはまだまだ遥か先だ。
師匠から家での修行用に木刀を貰う。
これからは家でもひたすら剣を振るぞ。
努力あるのみ。
これは魔法(魔力)と同じだ。
▼
起きてすぐ。ドラゴンの魔石の欠けらに魔力を流しこんだあと。外に出てゆっくりと剣を振る。固まっている筋肉が少しずつ解れるのを感じる。
しばらくするとじんわりと汗をかいてくる。
俺は無心に剣を振る。
「アレクちゃん、ごはんよー。アレクちゃーん」
いつのまにかマリア母さんが何度も俺を呼ぶようになった。その何度めかに俺が気づく。少しずつだが集中できている俺がいる。
そんな中、俺はシスターナターシャに相談をした。
「シスター、俺剣を覚えたいんだけど、誰から習えばいい?」
「剣?たしかにそろそろ学んでもいいころね。え~っと‥アレク君は知らなかったのよねー。あなたのすぐ近くにすごい剣の先生がいるわよ」
「えっ、誰?」
「ほら、あそこよ」
シスターナターシャが指さした先には、草むしりをしているディル神父様(俺たち男の子は親しみをこめて陰で爺さんと呼んでいる)がいた。
(まさかじーさんが‥)
「そのまさかよ」
「え~っ!?(しかも独り言がバレた?)」
シスターナターシャがこっそり教えてくれた。実はディル神父様は若かりし頃王都騎士団に所属していたんだそうだ。しかも副団長として。
王都騎士団。陛下直属、王国の武のエリート集団じゃないか。
「爺さ‥神父様」
「おおアレク君」
「俺に剣を教えてください」
「ふん。教えるのは構わんが、わしの指導はキツいぞ?一切の泣き言も認めん。それでよかったら教えてやるぞ?」
「神父‥師匠、お願いします!俺ぜったいやり遂げますから!」
「よし、その意気やよし!」
「師匠!よろしくお願いします!」
こうして俺はディル神父様から剣を習うことになった。ディル神父様が爺さんから剣の師匠になった。
▼
「「アレクばいばーい」」
「2人ともばいばーい」
教会学校はだいたい午後1時には終わる。今までの俺は、授業が終わったらジャンとアンナの3人で遊びながらのんびり帰っていた。が、この日から帰りは2人と別行動になった。ディル神父様(師匠)から剣の指導を受けるためだ。
「まずは両手剣からじゃ。基本の型が身体にしみこむまで剣を振るんじゃよ」
「はい師匠!」
型はひたすらに反復練習からという。いついかなる時も、攻めも受けも無意識のうちに身体が動くよう、身体が覚えるまで何千回何万回と同じ動作を続けよと師匠は言う。
「たわけ!雑念だらけじゃ。ダラダラした剣は何千回振っても変わらんわ!」
「痛っ!」
小枝で肩をピシッと叩かれる。
「痛っ!」
「もっと腰を落とせ!」
尻を小枝で叩かれる。
ディル神父様は誰にでも優しく穏やかだったが、剣の師匠になると豹変した。
容赦なく鋭い指導だった。
「この広い世界に剣の天才は一握りもおらん。あとの優劣は努力をした者だけじゃ。振った数の多さで強さが決まると思うがよい」
「一振り一振り集中しての。さすれば無我の境地となる。ここからが振った数じゃ」
師匠がいうには型何万回という振りは、この無我の境地になってからのことだと言う。雑念だらけの俺にはまだまだ遥か先だ。
師匠から家での修行用に木刀を貰う。
これからは家でもひたすら剣を振るぞ。
努力あるのみ。
これは魔法(魔力)と同じだ。
▼
起きてすぐ。ドラゴンの魔石の欠けらに魔力を流しこんだあと。外に出てゆっくりと剣を振る。固まっている筋肉が少しずつ解れるのを感じる。
しばらくするとじんわりと汗をかいてくる。
俺は無心に剣を振る。
「アレクちゃん、ごはんよー。アレクちゃーん」
いつのまにかマリア母さんが何度も俺を呼ぶようになった。その何度めかに俺が気づく。少しずつだが集中できている俺がいる。
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