35 / 722
第2章 幼年編
035 土魔法
しおりを挟む
土の生活魔法。
これは金の生活魔法と親和性が高い。人によっては土と金を同じ魔法として扱うこともある。
(火・水・風・土を4大魔法とする考えだ)
いずれにしても土魔法から、土や石の創造ができる。土や岩で出来たゴーレムなんて夢があるよな。
大きいものでは地面から直接隆起させた土塀、土を固めた焼きもの窯やピザ釜はもちろん、建物や橋など煉瓦を作ってから重ね上げれば綺麗にいろいろできるんじゃなかろうか。
盗賊団などの敵から村や町を守るのに、ぐるっと高い城壁で囲うのもお約束だし。
あと、土鍋は粘土を捏ねる要領でできるはず。芸術的に作れはしないが、生活の形本位であれば、これは金属よりは簡単じゃなかろうか。
ジャンのおかげで金の生活魔法を修得した直後。
ジャンの言葉から触発された「できるもんはできる!」式で金と親和性の高い土魔法も修得しよう。
よし。
俺は家の裏の畠に座る。手のひらを畠の土に向けて。できた物体そのもののイメージをしっかりと頭に浮かべてから言う。
(できる、俺はできる!)
「レンガ!」
ゴロン。
まんま煉瓦ができた。
おぉー!できたよ!
「土塀!」
ズズ~~ッ。
段ボール箱1箱ほど。2、30㎝ほどの高さの土塀ができた。
「土鍋!」
ゴロン。
これも土鍋がゴロンと完成するした。
煉瓦といっしょで、たぶん火で焼きつければ硬くなるはずだ。
できる!できるぞ!
内心ワクワク感が止まらない。
金魔法と融合させて、土魔法で砂や石を、型を作って金属を流し込めば鋳造ができるな。
鋳造の利点は同じ製品がたくさん作れることだったと思う。
刀鍛冶が作る強度重視の金属単体の鍛造に、数量重視の鋳造。
用途に合わせて。これは家の生活向上につながる。
いつかはゴーレムも作りたい。岩ゴーレムと金ゴーレムを並べて戦わせてみたり‥。夢は広がる。
こうして俺は金の生活魔法、次いで土の生活魔法を手に入れた。
さっそく変わったことがある。わが家の食器は俺が作った食器が中心となったことだ。
大皿以外に家族個人用のうつわやお皿を作ったが、みんなが喜んでくれた。特に妹のスザンヌの喜びようといったらなかった。
それは大人用と子ども用に、食器の大きさも持ち手も変えたからだ。
スザンヌは特にスプーンを気に入ってくれた。スザンヌ用に小さくて持ちやすいスプーン。持ち手にはお花を縁取ってあるのだ。
おままごとの泥団子を掬うのも使い出したので、慌てておままごと用のスプーンまで作ったくらいだ。
火・金・土と良いペースで生活魔法も発現できている。
あとは水と風だ。
これは金の生活魔法と親和性が高い。人によっては土と金を同じ魔法として扱うこともある。
(火・水・風・土を4大魔法とする考えだ)
いずれにしても土魔法から、土や石の創造ができる。土や岩で出来たゴーレムなんて夢があるよな。
大きいものでは地面から直接隆起させた土塀、土を固めた焼きもの窯やピザ釜はもちろん、建物や橋など煉瓦を作ってから重ね上げれば綺麗にいろいろできるんじゃなかろうか。
盗賊団などの敵から村や町を守るのに、ぐるっと高い城壁で囲うのもお約束だし。
あと、土鍋は粘土を捏ねる要領でできるはず。芸術的に作れはしないが、生活の形本位であれば、これは金属よりは簡単じゃなかろうか。
ジャンのおかげで金の生活魔法を修得した直後。
ジャンの言葉から触発された「できるもんはできる!」式で金と親和性の高い土魔法も修得しよう。
よし。
俺は家の裏の畠に座る。手のひらを畠の土に向けて。できた物体そのもののイメージをしっかりと頭に浮かべてから言う。
(できる、俺はできる!)
「レンガ!」
ゴロン。
まんま煉瓦ができた。
おぉー!できたよ!
「土塀!」
ズズ~~ッ。
段ボール箱1箱ほど。2、30㎝ほどの高さの土塀ができた。
「土鍋!」
ゴロン。
これも土鍋がゴロンと完成するした。
煉瓦といっしょで、たぶん火で焼きつければ硬くなるはずだ。
できる!できるぞ!
内心ワクワク感が止まらない。
金魔法と融合させて、土魔法で砂や石を、型を作って金属を流し込めば鋳造ができるな。
鋳造の利点は同じ製品がたくさん作れることだったと思う。
刀鍛冶が作る強度重視の金属単体の鍛造に、数量重視の鋳造。
用途に合わせて。これは家の生活向上につながる。
いつかはゴーレムも作りたい。岩ゴーレムと金ゴーレムを並べて戦わせてみたり‥。夢は広がる。
こうして俺は金の生活魔法、次いで土の生活魔法を手に入れた。
さっそく変わったことがある。わが家の食器は俺が作った食器が中心となったことだ。
大皿以外に家族個人用のうつわやお皿を作ったが、みんなが喜んでくれた。特に妹のスザンヌの喜びようといったらなかった。
それは大人用と子ども用に、食器の大きさも持ち手も変えたからだ。
スザンヌは特にスプーンを気に入ってくれた。スザンヌ用に小さくて持ちやすいスプーン。持ち手にはお花を縁取ってあるのだ。
おままごとの泥団子を掬うのも使い出したので、慌てておままごと用のスプーンまで作ったくらいだ。
火・金・土と良いペースで生活魔法も発現できている。
あとは水と風だ。
20
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説

どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。

生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】
雪乃カナ
ファンタジー
世界が退屈でしかなかった1人の少年〝稗月倖真〟──彼は生まれつきチート級の身体能力と力を持っていた。だが同時に生まれた現代世界ではその力を持て余す退屈な日々を送っていた。
そんなある日いつものように孤児院の自室で起床し「退屈だな」と、呟いたその瞬間、突如現れた〝光の渦〟に吸い込まれてしまう!
気づくと辺りは白く光る見た事の無い部屋に!?
するとそこに女神アルテナが現れて「取り敢えず異世界で魔王を倒してきてもらえませんか♪」と頼まれる。
だが、異世界に着くと前途多難なことばかり、思わず「おい、アルテナ、聞いてないぞ!」と、叫びたくなるような事態も発覚したり──
でも、何はともあれ、女神様に異世界召喚されることになり、生まれた世界では持て余したチート級の力を使い、異世界へと魔王を倒しに行く主人公の、異世界ファンタジー物語!!

クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。


加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる