虚しや

何処へ

あぁ、僕は存在がないまま一体何処へ向かいなぜ存在し続けるのか？　
誰も僕を認知などしない。
すり抜けていくのだ。
その瞬間の、寂しさを誰かと分かち合いたい。
僕の声が聞こえていますか？
僕の姿が見えていますか？
叫んでも、風がかき消す慌ただしさと共に。

あぁ…虚しい

虚空を見上げ今日も叫び続ける。

僕は、何もない真っ暗な虚無の世界からある日突然生まれた。
感情はある。だけど、姿がない。
だから誰にも認識されない。
本当は、触れたい。でも、掠めていく。
空振り。

可愛い、綺麗、笑顔、いいなぁ、仲間に入れてよ？

聞こえていない。去っていく。

そんな秋の夕暮れ。

ベンチに腰掛けながら今日も歌うのさ。
誰にも届かない僕だけの唄。