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現実の私
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朝、目覚めると最初に聞こえたのは親の喧嘩する声だった…
私は兄に揺さぶられ目を覚ます。
「おはよう」
2つ上の兄、和都はなんでも出来る…そして、私は何も出来ない。
中学受験でさえ危うく失敗する所だった私と、現役生徒会長の兄では違いすぎる…
私は知らずと、比べられるストレスにうんざりしていた。
「おはよう…」
『なんでっ!!あなたはそんな自分勝手なの??だいたい、莉鈴の時も、勝手に名前決めて』
そんな母のヒステリックに暴走し、喚き散らかす声が2階の私の部屋と私の心に響いた。
時刻はもう7時だ。早くご飯を食べて、支度して学校に行かねば…だけど、行きづらい。また、先生に兄と比べられるかもしれない。
『お前だって、いつも喚いてっ!その話は13年前のはなしだろ、グチグチと!!もう奏美って呼んでやれよ』
そう…私には2つ名前がある。母が希望した兄の性別がわかる前、兄に付けるはずだった名前が莉鈴で、だが、…兄は男の子で生まれてきた。その時、父が付けたがっていた名前を兄に付け、その2年後母の妊娠が分かった。
性別が分かると母は莉鈴とつけたがった。だが、父と揉めに揉め夫婦間の仲は最悪。そして我慢の限界に達した父が勝手に名前を届けた、それが奏美。
母は改名を望んでいる、…父は改名を望んでいない。
「んーご飯食うか」
そんなことを頭の中で考えながら私は肩まで伸びたうねりの強い髪を校則ギリギリの位置、両耳の間の延長線上に結んだ。前髪はいつも通り、黒ピンでおでこが見えるように止めた。そして、度が強めの黒いメガネをかけリビングに降りる。
「おはよう」
「おはよう、莉鈴」
「おはよう、奏美」
そう2人は私に朝の挨拶をする。
兄は共働きで忙しいと言い張る母の代わりに毎朝キッチンでご飯を作る。
私はイスに座ると兄の料理を待った。
「さっさと食べて家出ろよ?奏美」
兄はそう言うとエプロンを畳み、キッチンの棚についたストッパーにかける。そして、早起きが苦手な、不登校気味な妹を起こしに行く。ちなみにこれが3回目だ。6時に1度起こしたが、妹は寝た。6時半に起こしに行ったっきり、妹は姿を表さない。その姿に兄はプチ怒らしい。
『起きろっ!!って、…はぁ』
そう言って兄はトイレのドアを開ける。するとそこにはトイレで座ったまま眠る妹の姿があった。
「起きろっ!!」
「ふぇ、ふぁい!」
ピピピピー
兄は「莉鈴~そろそろ家から出ろよ?もう7時半だぞ?」と私を急かす。
私は中高一貫校に進学し、中等部の制服にまだまだ着せられている中学一年生だ。理由は最近流行りの感染症により休校になったからだ。そして最近また通常通り始まった。
水色のセーラー襟に2本の白い線、真ん中には白の少し大きめなリボン。膝下が目安の水色スカート。新品で、私が着られてる感半端ないこいつ(制服)を慣れない手つきで私は着て家を出る。
いやぁ~今日もあちぃ
学校に着くと、私は教室に入り自分の席に着く。特にやる事といえば無い、そのため本を読む。
だが、毎朝厄介な事に私の清々し(くはな)い朝を邪魔をする女がいる。
「あっれぇ~奏美ちゃん今日は学校来たんだ~」
このいかにも中心に居そうな女は千秋、私の兄狙いで近づき遊びに誘おうとしてくるが、断っている。そんな状況に痺れを切らした千秋は私に嫌がらせをしてくるようになった。だが、それはもうイジメと化している。
「おはよう千秋ちゃん」
「おはようございます、だろ」
そう嫌な目つきで見られたのをタイミングにチャイムが鳴る。
1限目は少し苦手な数学…
いかにも暑い、、、と言うような雰囲気を漂わせた厳しめの数学の下田先生の授業は直ぐに始まる。
方程式・・・苦手だな
「では…奏美さん、問五を言って」
私はまだ出来てもない問題を書いたノートを見つめ、答えられないまま立ち上がる。
今年はここに進学したのが私だけで知り合いもいない…。隣の子に聞けない
「わ、分かりません…」
そういうと下田先生は若干、怒な顔をして私に言う。
「和都は、この問題応用まで解いてた。兄弟なのにここまで違うのか。分かる人!挙手」
私は座った。そして千秋は元気良く、いかにも教師が好きそうな意欲的な生徒らしく手を挙げる。
「x=-9です!」
ハキハキと聞きやすい声で発言する千秋が羨ましい…
「ねぇ、莉鈴~?一緒に食おうぜぇ(^q^)」
いかにもバカ丸出しのこれは近所でよく自然と公園に集まるメンツだ。小学校は別のだったが、幸運にも2人とも受験に受かった。
男子だが、女子より接しやすく意外にもモテる。そして千秋の好きな人だ…。当然よく思われてない。
そう思えば、千秋が来た
「ねぇ、敬人君、私も一緒にお弁当食べていい?」
上目遣いでこてんと可愛い顔して敬人を見る千秋はまさに守りたくなるような女の子だ。
「いや、俺は奏美と食べたいし今日もごめんね~それに勝手に連れてったら和都さん取り巻きが怖い。」
そう敬人は言い、生徒会室に向かう。
なぜ生徒会室かって?、、そう私達は生徒会にタダ働きさせられている…。兄の周りにはなぜか頭がいい人があつまる、そしてもれなく生徒会執行部役員。敬人が1回兄を昼休みに手伝ったのがきっかけで、ことある事に兄が毎日毎日毎日手伝ってと言ってくる。敬人は好きでやっているようだったが、生徒会の公式お手伝いさんに私もセットで名を連ねさせられた…ぴ、ぴえん。
生徒会室で弁当を食べ、そのままタダ働きしてチャイムがなる前に帰る。敬人は頭がいいため、私より仕事が早く、、ゆ、優秀だ…。
のでクソ兄貴に比べられた挙句遅いとダメだしされる。
ぅううううもう砂(スナイパーライフルの略)で抜きたい(キルしたい)。もうワンパン(ヘッドショット)したい。
そんな毎日を過ごす、過労気味な私は家に帰る。
「莉鈴、おかえり。」
「早いねお母さん」
「まぁね、それよりお茶入れて?」
母はリビングでテレビを見る。
あたち、入れる気ないの、、1番理不尽で怒りっぽい体育の先生に6限目走らされてたからだ…足が張って痛い。
「ごめん、無理」
そういうと机を叩き母はヒステリックババア化した。
もうそろ部屋に行ってゲームしたい。
私は兄に揺さぶられ目を覚ます。
「おはよう」
2つ上の兄、和都はなんでも出来る…そして、私は何も出来ない。
中学受験でさえ危うく失敗する所だった私と、現役生徒会長の兄では違いすぎる…
私は知らずと、比べられるストレスにうんざりしていた。
「おはよう…」
『なんでっ!!あなたはそんな自分勝手なの??だいたい、莉鈴の時も、勝手に名前決めて』
そんな母のヒステリックに暴走し、喚き散らかす声が2階の私の部屋と私の心に響いた。
時刻はもう7時だ。早くご飯を食べて、支度して学校に行かねば…だけど、行きづらい。また、先生に兄と比べられるかもしれない。
『お前だって、いつも喚いてっ!その話は13年前のはなしだろ、グチグチと!!もう奏美って呼んでやれよ』
そう…私には2つ名前がある。母が希望した兄の性別がわかる前、兄に付けるはずだった名前が莉鈴で、だが、…兄は男の子で生まれてきた。その時、父が付けたがっていた名前を兄に付け、その2年後母の妊娠が分かった。
性別が分かると母は莉鈴とつけたがった。だが、父と揉めに揉め夫婦間の仲は最悪。そして我慢の限界に達した父が勝手に名前を届けた、それが奏美。
母は改名を望んでいる、…父は改名を望んでいない。
「んーご飯食うか」
そんなことを頭の中で考えながら私は肩まで伸びたうねりの強い髪を校則ギリギリの位置、両耳の間の延長線上に結んだ。前髪はいつも通り、黒ピンでおでこが見えるように止めた。そして、度が強めの黒いメガネをかけリビングに降りる。
「おはよう」
「おはよう、莉鈴」
「おはよう、奏美」
そう2人は私に朝の挨拶をする。
兄は共働きで忙しいと言い張る母の代わりに毎朝キッチンでご飯を作る。
私はイスに座ると兄の料理を待った。
「さっさと食べて家出ろよ?奏美」
兄はそう言うとエプロンを畳み、キッチンの棚についたストッパーにかける。そして、早起きが苦手な、不登校気味な妹を起こしに行く。ちなみにこれが3回目だ。6時に1度起こしたが、妹は寝た。6時半に起こしに行ったっきり、妹は姿を表さない。その姿に兄はプチ怒らしい。
『起きろっ!!って、…はぁ』
そう言って兄はトイレのドアを開ける。するとそこにはトイレで座ったまま眠る妹の姿があった。
「起きろっ!!」
「ふぇ、ふぁい!」
ピピピピー
兄は「莉鈴~そろそろ家から出ろよ?もう7時半だぞ?」と私を急かす。
私は中高一貫校に進学し、中等部の制服にまだまだ着せられている中学一年生だ。理由は最近流行りの感染症により休校になったからだ。そして最近また通常通り始まった。
水色のセーラー襟に2本の白い線、真ん中には白の少し大きめなリボン。膝下が目安の水色スカート。新品で、私が着られてる感半端ないこいつ(制服)を慣れない手つきで私は着て家を出る。
いやぁ~今日もあちぃ
学校に着くと、私は教室に入り自分の席に着く。特にやる事といえば無い、そのため本を読む。
だが、毎朝厄介な事に私の清々し(くはな)い朝を邪魔をする女がいる。
「あっれぇ~奏美ちゃん今日は学校来たんだ~」
このいかにも中心に居そうな女は千秋、私の兄狙いで近づき遊びに誘おうとしてくるが、断っている。そんな状況に痺れを切らした千秋は私に嫌がらせをしてくるようになった。だが、それはもうイジメと化している。
「おはよう千秋ちゃん」
「おはようございます、だろ」
そう嫌な目つきで見られたのをタイミングにチャイムが鳴る。
1限目は少し苦手な数学…
いかにも暑い、、、と言うような雰囲気を漂わせた厳しめの数学の下田先生の授業は直ぐに始まる。
方程式・・・苦手だな
「では…奏美さん、問五を言って」
私はまだ出来てもない問題を書いたノートを見つめ、答えられないまま立ち上がる。
今年はここに進学したのが私だけで知り合いもいない…。隣の子に聞けない
「わ、分かりません…」
そういうと下田先生は若干、怒な顔をして私に言う。
「和都は、この問題応用まで解いてた。兄弟なのにここまで違うのか。分かる人!挙手」
私は座った。そして千秋は元気良く、いかにも教師が好きそうな意欲的な生徒らしく手を挙げる。
「x=-9です!」
ハキハキと聞きやすい声で発言する千秋が羨ましい…
「ねぇ、莉鈴~?一緒に食おうぜぇ(^q^)」
いかにもバカ丸出しのこれは近所でよく自然と公園に集まるメンツだ。小学校は別のだったが、幸運にも2人とも受験に受かった。
男子だが、女子より接しやすく意外にもモテる。そして千秋の好きな人だ…。当然よく思われてない。
そう思えば、千秋が来た
「ねぇ、敬人君、私も一緒にお弁当食べていい?」
上目遣いでこてんと可愛い顔して敬人を見る千秋はまさに守りたくなるような女の子だ。
「いや、俺は奏美と食べたいし今日もごめんね~それに勝手に連れてったら和都さん取り巻きが怖い。」
そう敬人は言い、生徒会室に向かう。
なぜ生徒会室かって?、、そう私達は生徒会にタダ働きさせられている…。兄の周りにはなぜか頭がいい人があつまる、そしてもれなく生徒会執行部役員。敬人が1回兄を昼休みに手伝ったのがきっかけで、ことある事に兄が毎日毎日毎日手伝ってと言ってくる。敬人は好きでやっているようだったが、生徒会の公式お手伝いさんに私もセットで名を連ねさせられた…ぴ、ぴえん。
生徒会室で弁当を食べ、そのままタダ働きしてチャイムがなる前に帰る。敬人は頭がいいため、私より仕事が早く、、ゆ、優秀だ…。
のでクソ兄貴に比べられた挙句遅いとダメだしされる。
ぅううううもう砂(スナイパーライフルの略)で抜きたい(キルしたい)。もうワンパン(ヘッドショット)したい。
そんな毎日を過ごす、過労気味な私は家に帰る。
「莉鈴、おかえり。」
「早いねお母さん」
「まぁね、それよりお茶入れて?」
母はリビングでテレビを見る。
あたち、入れる気ないの、、1番理不尽で怒りっぽい体育の先生に6限目走らされてたからだ…足が張って痛い。
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