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逃げるが勝ち?
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「日曜の佃間中との練習試合のメンバーを発表する。GK高崎、DF三村・・・・・FWワントップは榊原。勢太、お前が点とればチームも勝利だ」
榊原勢太は、北島中学校サッカー部のエースストライカーで、これまでも彼の得点で勝利した試合がたくさんあった。仲間たちも彼の力を認めていて、頼りにしている。そのことは、勢太自身が一番よく知っている。まさに〝チーム勢太〟だ。
そんなサッカーでは無双な勢太だが、普段の学校生活は、お世辞にも模範生とは言えない。登校がいつもぎりぎりな時間であったり、提出物が滞ったりと、注意を受けることが度々だ。
「勢太、何寝てんだ」
授業中に教師から注意されても、気にする素振りも見せずと、とても明るい性格から、勢太が仲間から省かれることはなく、彼の回りはいつも笑い声で包まれている。
朝から、母の淳子はかなりおかんむり。よほど溜まってたことがあったのだろう。
「勢太、昨日先生から電話があったって、あんた校外学習の申込書出してないんだって、まだ母さんに見せてないでしょ。毎回毎回いい加減にしなさい!」
「あっそうだっけ。そんなの関係ないハハハ」
こんな調子で全く意に介していない。
「そんなことより、晩ご飯はビビンバにしてくれよな。頼むよ」
そういう言うと、学校へダッシュ。
勢太の家は、走れば五分もかからない学校の並びにあり、学校開始のチャイムが聞こえるほどの超近距離の所にある。
♬ キーンコーンカンコーン ♬
「セーフ、間に合った。いや全然間に合ってないか」
「勢太君、アウト!」
担任の先生のしゃれた一言に、教室内にどっと笑いが起きる。そしてそこからというものは、勢太にとって長くて退屈な授業の始まりだ。
「勢太、部活行こうぜ」
放課後、キャプテンでデフェンスリーダーの三村辰美が、勢太を部活の誘いに来た。
「先に行ってくれ。数学の宿題出さなきゃ部へは行けない」
サッカー部の鉄則、それは〝学業最優先〟。宿題すら出せないようじゃ、練習に参加すらさせてもらえない。勢太にとっては、サッカーをするために学校に来てるようなものなので、早く終えてサッカーをやりたいのは、やまやまだ。
そこに水本愛桜が近寄ってきた。
「愛桜、答えを教えてくれ、それだけでいいから」
愛桜は同じクラスの女子生徒で、勢太のお目付役。放課後の補習をするときは、誰か〝先生役〟となり、許しを得なければ部活へ行けないというルールがある。勢太は、幼なじみで成績優秀な愛桜に、いつも頼んでいた。優れているのは頭脳だけでなく、美貌も性格も抜群なので、男女問わず人気者だ。
「そんな気持ちだからいつも居残りなのよ。今日は徹底的にやるから、覚悟しなさい」
「もう、勘弁してよ」
気合いが入ってしまった愛桜のお陰で、勢太が部活に行けたのは1時間経ってからだった。
「勢太があそこでシュートを決めないから」
佃間中学校との練習試合が終わってのコーチからの第一声がこれだった。
何だよ、俺のせいで負けたとでも言うのか?
こんなとき批判の矛先はどうしてもエースとなる。分かっちゃいるけれど、その責任を誰よりも感じていただけに、よけいにショックとなる。
「気にすんな、負けたのお前のせいじゃないから」
ミーティング後に、常田辰美が声を掛けてきたが、勢太の気持ちはここにあらず。
どうせ俺がやればいいんだろ?次は入れてやっからな
勢太は一人で、試合会場を後にした。
そんな決意とは裏腹に、勢太の部活動での練習態度は日増しにひどくなっていった。練習開始時間には遅れる、仲間のミスは大声で怒鳴りつけるなどで、みんなが徐々に引いていくのがよく分かる。そしてついには、辰美しか話しかける相手がいなくなってしまった。
「勢太、どうしたんだ?何かいつもイラついているようだけど」
「別に。でも分かってんのか?今まで誰のおかげで勝てたんだ?」
「そりゃ勢太がいたからに決まってるじゃん。本当にありがたいって」
「ほ~、そりゃ初耳だ。そんなら態度で示してほしいよ。まったく」
勢太の心は、しだいに荒れていく。
次の日の部活で、来週に迫った都大会地区予選のメンバーが発表された。
「GK高崎、DF三村・・・・・FWワントップは高嶋。陽太は初の公式戦だけどいいな、期待してるぞ」
「何で俺じゃないんだ、それも陽太だなんて」
最後まで勢太は名前を呼ばれなかった。そして下級生の高嶋陽太にレギュラーの定位置を奪われただけでなく、ベンチにも入れなかった。
悔しがっている勢太を、コーチが呼び止めた。
「なぜ外されたか分かるかよく考えてみろ・・・このまま出すとチームのためにならん。何か勘違いしてるんじゃないか?お前程度の実力では、他校では補欠だぞ」
そんなの勢太も分かっているけど、素直になれるわけがない。それどころか、
おもしろいんじゃん?俺を外して勝てるものならやってみな!
と、心の中では強がってみせる。
それから数日後に行われた地区大会で、勢太の期待通り、北島中学校サッカー部はは大差で敗れた。当然のごとく勢太は、うれしそうだ。
だろ?!俺を外すから。そんなの結果は見え見えじゃん
ところがチームの様子は明らかに変だ。確かに負けたのに、みんな笑顔でしゃべり合い、どこか和やかな雰囲気が漂っている。
そしてコーチが、
「試合に負けたのは残念だったけどよくやった。次に生かしていくぞ!」
とまで話すありさま。
勢太の立つ瀬は完全に無くなり、気持ちがしだいに部活動から離れていった。それは焦りの表れであり、もう元に戻ることなくなってしまう。
さらに勢太に追い打ちを掛けるような出来事が起こってしまう。
「勢太、最近部活に来ないけど、今日あたり行ってみないか?」
辰美は勢太を部活動に呼び戻そうと、しきりに声を掛けてきてくれる。
「そりゃ俺だった反省してる。そもそも自分の性格が嫌になったっていうか、部へはそろそろ行くつもりだったんだ。だから誘ってくれてサンキューな」
勢太には、久しぶりの部活となる。始めは緊張したが、思いの他にチームメイトが暖かく声を掛けてくれたので、内心ホッとした。コーチも何もなかったかのように迎えてくれたが、次の一言で事態が一変してしまう。
「前崎中の井川君が、うちに転校してくる」
井川俊朗は、前崎中サッカー部のFWで、東京都選抜にも選ばれるほどの実力の持ち主だ。むろん勢太なんか足下にも及ばない。
「さっそく明日の練習から来る。みんな仲良くしてやれ。これで北島中も全国大会を目指せる」
コーチの声がやけに弾んで聞こえる。勢太を快く迎え入れてくれたのも、こんなカラクリがあったからなのかと勘ぐってしまう。
練習後、辰美が駆けつけてきた。
「やったな、これで勢太と井川の夢のツートップが完成。北中しか勝たん」
そんな気休めに、勢太が納得するはずがない。何せ北島中は、代々ワントップのフォーメーションをとってきた。となると勢太が外されることは、確実の事実。
程なくして、部の名簿から榊原勢太の名前が消えた。そう、辞めてしまったのだ。
「ちょうどサッカーに飽きてきたところ。バスケの方が好きだし」
哀れとも取れる勢太の強がりを、真面目に聞いてくれる友は、もういない。それからというもの、勢太は他の部活には所属せず、放課後を教室でブラブラと過ごす日々が続いた。
そんなある日、愛桜が勢太を呼び止め、突き詰めた。
「こんなとこで何してんの?サッカーやんなさいよ!」
「お前みたいな優等生に、俺の気持ちなんか分かるもんか」
「そんな泣き言を言ったら、誰かが救ってくるとでも思ってんの?あんたって、都合悪くなったらいつも逃げるじゃん。きちんと現実を受け止めなさい」
勢太自身も、大事な場面になると逃げる自分に、薄々気づいていいただけに、痛いところを突かれたと感じた。
「この前も、私たち付き合おうってなったとき、肝心なところであんんた逃げたよね」
かつて愛桜から逃げたという過去を、ぶり返されてしまう始末だ。
人は困難に出会ったとき、次の2つのうちのどちらかを選択する。
挑むか、それとも逃げるか
榊原勢太は、北島中学校サッカー部のエースストライカーで、これまでも彼の得点で勝利した試合がたくさんあった。仲間たちも彼の力を認めていて、頼りにしている。そのことは、勢太自身が一番よく知っている。まさに〝チーム勢太〟だ。
そんなサッカーでは無双な勢太だが、普段の学校生活は、お世辞にも模範生とは言えない。登校がいつもぎりぎりな時間であったり、提出物が滞ったりと、注意を受けることが度々だ。
「勢太、何寝てんだ」
授業中に教師から注意されても、気にする素振りも見せずと、とても明るい性格から、勢太が仲間から省かれることはなく、彼の回りはいつも笑い声で包まれている。
朝から、母の淳子はかなりおかんむり。よほど溜まってたことがあったのだろう。
「勢太、昨日先生から電話があったって、あんた校外学習の申込書出してないんだって、まだ母さんに見せてないでしょ。毎回毎回いい加減にしなさい!」
「あっそうだっけ。そんなの関係ないハハハ」
こんな調子で全く意に介していない。
「そんなことより、晩ご飯はビビンバにしてくれよな。頼むよ」
そういう言うと、学校へダッシュ。
勢太の家は、走れば五分もかからない学校の並びにあり、学校開始のチャイムが聞こえるほどの超近距離の所にある。
♬ キーンコーンカンコーン ♬
「セーフ、間に合った。いや全然間に合ってないか」
「勢太君、アウト!」
担任の先生のしゃれた一言に、教室内にどっと笑いが起きる。そしてそこからというものは、勢太にとって長くて退屈な授業の始まりだ。
「勢太、部活行こうぜ」
放課後、キャプテンでデフェンスリーダーの三村辰美が、勢太を部活の誘いに来た。
「先に行ってくれ。数学の宿題出さなきゃ部へは行けない」
サッカー部の鉄則、それは〝学業最優先〟。宿題すら出せないようじゃ、練習に参加すらさせてもらえない。勢太にとっては、サッカーをするために学校に来てるようなものなので、早く終えてサッカーをやりたいのは、やまやまだ。
そこに水本愛桜が近寄ってきた。
「愛桜、答えを教えてくれ、それだけでいいから」
愛桜は同じクラスの女子生徒で、勢太のお目付役。放課後の補習をするときは、誰か〝先生役〟となり、許しを得なければ部活へ行けないというルールがある。勢太は、幼なじみで成績優秀な愛桜に、いつも頼んでいた。優れているのは頭脳だけでなく、美貌も性格も抜群なので、男女問わず人気者だ。
「そんな気持ちだからいつも居残りなのよ。今日は徹底的にやるから、覚悟しなさい」
「もう、勘弁してよ」
気合いが入ってしまった愛桜のお陰で、勢太が部活に行けたのは1時間経ってからだった。
「勢太があそこでシュートを決めないから」
佃間中学校との練習試合が終わってのコーチからの第一声がこれだった。
何だよ、俺のせいで負けたとでも言うのか?
こんなとき批判の矛先はどうしてもエースとなる。分かっちゃいるけれど、その責任を誰よりも感じていただけに、よけいにショックとなる。
「気にすんな、負けたのお前のせいじゃないから」
ミーティング後に、常田辰美が声を掛けてきたが、勢太の気持ちはここにあらず。
どうせ俺がやればいいんだろ?次は入れてやっからな
勢太は一人で、試合会場を後にした。
そんな決意とは裏腹に、勢太の部活動での練習態度は日増しにひどくなっていった。練習開始時間には遅れる、仲間のミスは大声で怒鳴りつけるなどで、みんなが徐々に引いていくのがよく分かる。そしてついには、辰美しか話しかける相手がいなくなってしまった。
「勢太、どうしたんだ?何かいつもイラついているようだけど」
「別に。でも分かってんのか?今まで誰のおかげで勝てたんだ?」
「そりゃ勢太がいたからに決まってるじゃん。本当にありがたいって」
「ほ~、そりゃ初耳だ。そんなら態度で示してほしいよ。まったく」
勢太の心は、しだいに荒れていく。
次の日の部活で、来週に迫った都大会地区予選のメンバーが発表された。
「GK高崎、DF三村・・・・・FWワントップは高嶋。陽太は初の公式戦だけどいいな、期待してるぞ」
「何で俺じゃないんだ、それも陽太だなんて」
最後まで勢太は名前を呼ばれなかった。そして下級生の高嶋陽太にレギュラーの定位置を奪われただけでなく、ベンチにも入れなかった。
悔しがっている勢太を、コーチが呼び止めた。
「なぜ外されたか分かるかよく考えてみろ・・・このまま出すとチームのためにならん。何か勘違いしてるんじゃないか?お前程度の実力では、他校では補欠だぞ」
そんなの勢太も分かっているけど、素直になれるわけがない。それどころか、
おもしろいんじゃん?俺を外して勝てるものならやってみな!
と、心の中では強がってみせる。
それから数日後に行われた地区大会で、勢太の期待通り、北島中学校サッカー部はは大差で敗れた。当然のごとく勢太は、うれしそうだ。
だろ?!俺を外すから。そんなの結果は見え見えじゃん
ところがチームの様子は明らかに変だ。確かに負けたのに、みんな笑顔でしゃべり合い、どこか和やかな雰囲気が漂っている。
そしてコーチが、
「試合に負けたのは残念だったけどよくやった。次に生かしていくぞ!」
とまで話すありさま。
勢太の立つ瀬は完全に無くなり、気持ちがしだいに部活動から離れていった。それは焦りの表れであり、もう元に戻ることなくなってしまう。
さらに勢太に追い打ちを掛けるような出来事が起こってしまう。
「勢太、最近部活に来ないけど、今日あたり行ってみないか?」
辰美は勢太を部活動に呼び戻そうと、しきりに声を掛けてきてくれる。
「そりゃ俺だった反省してる。そもそも自分の性格が嫌になったっていうか、部へはそろそろ行くつもりだったんだ。だから誘ってくれてサンキューな」
勢太には、久しぶりの部活となる。始めは緊張したが、思いの他にチームメイトが暖かく声を掛けてくれたので、内心ホッとした。コーチも何もなかったかのように迎えてくれたが、次の一言で事態が一変してしまう。
「前崎中の井川君が、うちに転校してくる」
井川俊朗は、前崎中サッカー部のFWで、東京都選抜にも選ばれるほどの実力の持ち主だ。むろん勢太なんか足下にも及ばない。
「さっそく明日の練習から来る。みんな仲良くしてやれ。これで北島中も全国大会を目指せる」
コーチの声がやけに弾んで聞こえる。勢太を快く迎え入れてくれたのも、こんなカラクリがあったからなのかと勘ぐってしまう。
練習後、辰美が駆けつけてきた。
「やったな、これで勢太と井川の夢のツートップが完成。北中しか勝たん」
そんな気休めに、勢太が納得するはずがない。何せ北島中は、代々ワントップのフォーメーションをとってきた。となると勢太が外されることは、確実の事実。
程なくして、部の名簿から榊原勢太の名前が消えた。そう、辞めてしまったのだ。
「ちょうどサッカーに飽きてきたところ。バスケの方が好きだし」
哀れとも取れる勢太の強がりを、真面目に聞いてくれる友は、もういない。それからというもの、勢太は他の部活には所属せず、放課後を教室でブラブラと過ごす日々が続いた。
そんなある日、愛桜が勢太を呼び止め、突き詰めた。
「こんなとこで何してんの?サッカーやんなさいよ!」
「お前みたいな優等生に、俺の気持ちなんか分かるもんか」
「そんな泣き言を言ったら、誰かが救ってくるとでも思ってんの?あんたって、都合悪くなったらいつも逃げるじゃん。きちんと現実を受け止めなさい」
勢太自身も、大事な場面になると逃げる自分に、薄々気づいていいただけに、痛いところを突かれたと感じた。
「この前も、私たち付き合おうってなったとき、肝心なところであんんた逃げたよね」
かつて愛桜から逃げたという過去を、ぶり返されてしまう始末だ。
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