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番外編

ループ、? ⑥

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 快く面会に応じてくれた両親は、並んで執務室のソファで寛いでいた。
 恐らく義母リオンは呼びに行かれたのだろう。

「父上、義母上、お忙しい中申し訳ございません」

「いや、構わない。で、どうしたのだ?見合いの最中だろう?」

「その前に、義母上にお聞きしたい事が」

「何ですか?」

 キョトンと目を丸くして驚く義母リオン

ループまでの私の婚約者は、ノヴァ王子ではないですか?」

「・・・そうです」

「ノヴァ王子。貴方の話が夢でない事が少し証明された。父上、私とノヴァ王子の婚約の話はご存知だったはずですよね?何故今回は成さなかったのですか?」

「お前の婚約はユーノからの打診で決まる事になっていた。歴史が変わる恐れがあるからこちらから打診は出来なかった。それに何故か、今回に限って打診がなかったから、お前の婚約者は今居ない状態となっている」

 父達が義母リオンの歴史を変えた事により、ノヴァ王子の歴史が変わってしまったのか。

「ノヴァ王子、申し訳ない」

「え?リチャード殿下が謝罪される事ではありませんよ?むしろ、理由が分かってホッとしています」

「ホッとして・・・?」

「あ!い、いえ、あの・・・婚約者をお決めになっていらっしゃらないから・・・」

 段々赤くなる顔。
 両手で頬を押さえて隠す仕草が可愛く見える。
 いや、コレはやばいでしょ。

「あー・・・。え~っと・・・」

「話はそれだけか?」

「え?あ、はい」

「なら見合いに戻れ。終わってはいないのだろう?」

 ニヤニヤ笑う父と微笑ましく笑う義母リオン
 恐らく、芽生えた本心は筒抜けだろう。

「ちゃんと告白しろ」

 小さく笑いながら叱咤され、観念してノヴァ王子に向き直る。

「ノヴァ王子、見合いの仕切り直しをしよう」

「・・・はい」

 手を出し、繋ぎ、両親に礼を述べて二人で並んで部屋を後にした。
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