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ループ、37

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 あの後は怒涛どとうの展開で、何となくこうなるだろうと予想していた父様が私達用の婚約証明書を用意していた。

 使う事がないなら、ないで破棄をすればいいものだったと明後日を見つめて語っていた。
 
 御免なさい、親の苦労知らずで。
 でも、幸せです。
 今までは、ここまで生きられなかったから。

 自分だけの力ではなく、カイル様や父様母様の協力があったからこそ、あの断罪が起きずに済んだ。
 その後の幸せも体験できる。
 諦めなくて良かった。

「で。公爵家ウチの跡取りの件はどうしてくれやがるんですかね?」

「分家に居ないのか?」

「居ません。皆、跡取りですので」

「そうか・・・」

「もしもの時は、リオンの息子を公爵家ウチの跡取りに・・・」

「それは断る。絶対やらんぞ」

「では、リオンを跡取りに戻します。婚約はなかった事になりますね~」

 ハハハと笑う父様。
 あの日は始終母様のペースだったのに、ここに来て今度は父様の独走(?)が炸裂中。

「駄目だ。リオンは私の妻だ」

「まだ、婚約前の恋人です」

 恋人なのは認めてくれるんだ。優しい。

「早く婚約証明書を受理させろ」

「無理に決まってますよね?公式発表を兼ねたお披露目パーティー。その後に教会での婚約式です。それが済んで、初めて婚約者です。まだまだ先ですね」

「くっ・・・。早くリオンを夫婦の居室に住まわせたいっ‼︎」

 そうすれば、いつでも会えますからね。
 今は公爵家に帰ってますよ、当然。

「父様」

「何かな?」

「もし・・・」

「うん?」

「もし、私が妊娠してたら・・・どうなりますか?」

「あー・・・」

「リオン⁉︎子が出来たのか⁉︎」

「カイル様⁉︎トチ狂わないで下さい‼︎数日前ですよ?できる訳ないですよね⁉︎もしもの話です‼︎」

 そんな直ぐに身籠ったら奇跡だよ。びっくり。

「私達の我儘で夫婦になる事を認めてくれたのですから、一人目は公爵家にませんか?だけですよ?だけ。公爵家を無くすわけにはいきませんから。だから、跡取りとしてんです。親はです。それは譲れません」

「リオン・・・。預ける預ける連呼しないでおくれ」

「間違えてもらっては困るからですよ、父様。あくまで預けるだけですから。あげません。公爵家に籍を置いても、私とカイル様の子です」

「わかっているよ。陛下が許して下さるなら二人の子として公爵家が全責任を持ってお預かりする」

「カイル様。駄目ですか?」

 ギュウギュウ抱き締めてくる愛おしい人を見上げる。
 苦悶の表情を見せ、ウンウンうなり、やがて父様を見る。

「一週間に一度は絶対私達に合わせる事。教育が始まるまではリオンの側に居させる事。両親は私達だと告げる事。これらが守られなければリオンと子に二度と会えないと思え」

「・・・リヴァイがどう言うか分かりませんが、了承しました。リオンと子に会えないのは大変困りますので」

 と言うか・・・まだ身籠った訳ではないのに話が飛躍して遥か遠くまで行ってしまってます。
 気が早い‼︎
 
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