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ループ、32

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「一度目は息子の仕出かしの罪の意識から。二度目三度となると意地になってな。回を重ねるたびに何故かお前が愛おしくなってきた」

「親子愛ですか・・・?」

 恐る恐る問うと、いきなりキスされた。

「親子でキスしないだろう?」

「ソウデスネ」

 ヤバ。ちょっと意識しちゃった。
 バレたかな?あ、バレてるね。
 熱の籠った目を向けられます。

「陛下・・・」

「分かっている。これでも我慢している」

「えーっ・・・。本当ですか?」

「・・・部屋に連れ込むぞ?」

「ゴメンナサイ」

「コホン。でだな、前回までは変わらない時間を辿っていたのだが、今回は何故かループから外れる事になった」

「どうしてですか?」

「私達が居たからだね」

 席を外していたはずの父様と母様が戻ってきていた。

「父様」

「実はね、父様達は今回が初めてのループなんだよ」

「は⁉︎」

「前回、失った悲しみから無意識にリオンと同じループを辿る事になったらしく、気付いたらリオンが幼いし、可愛いし・・・」

「フレン」

「あ、すまん。で、何とかリオンを失わずに済む方法を模索していたら、陛下も同じループを辿っている事がわかったんだ。そここらは、協力体勢で今まで起こっていた事を回避してきた」

「だから、王子達の行動が前と違ったんですね」

「まぁ、襲われるなんて想定外の事態が起きてしまったのは失態だ」

「元王弟殿下は聡明な方だったのに、今回はお馬鹿になってたね」

 毒舌発揮してますね、母様。
 国王と父様が微妙なお顔をされてます。

「えーっと・・・事態が少し動いたので陛下に行動を起こしてもらったのだ」

「カルヴァイス様とユーリのホニャララな関係の事ですね」

「調べたら、まぁ出る出る。元王弟もだけど、男爵子息もかなりの男と関係持ってたね。身持ち軽いと性格悪くなるのかな?」

「リヴァイ」

「はいはい。あの子息、学園にいる大人の八割は体で落としてた」

 え~・・・。なんかヤダなぁ、そんな教師に教わるの。

「心配するな。真面目な教師以外は総入れ替え済みだ」

 安心させる為に、肩に回されていた手が軽く撫でた。

「これでリオンを害する者は排除されたけど、まだ不安ある?」

 第2王子は王籍剥奪と廃嫡。
 王弟は王籍剥奪と辺境行き(辺境から出られず)。
 ユーリは魅了魔法使用で貴族籍剥奪及び犯罪者が行く修道院行き。
 男爵家一族は貴族籍剥奪及び取り潰し。

 もう、不安ないよね?

「ないです」

「よかった。後は陛下の事だけだね。私達はフレンの執務室に行くから、ゆっくり答えを出しなさい」
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