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ループ、18

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 噂というのは恐ろしいもので。
 半日もあれば、ほぼ広まるという謎の現象が発生する。
 そこまで嫌われているのは、ある意味すごい事だ。

 付けてもらった護衛騎士はわからない様に物陰にいる。
 何故わかるって?顔見せの段階で言われたから。

「姿は見えないかと思いますが、お側で必ずお守り致しますので御安心を」

 てさ。
 見えないのに側にいるの?どうやって?
 
 昼食。食堂は噂の事で行きにくくランチボックスを買って中庭に出た。
 暖かな日差しがちょうどいい気温で、設置されているベンチは満員御礼。座るところ無し。

「え~・・・。どうしようかなぁ」

 このままだと食べずに午後の授業に出ないとならない。
 どこか空いている場所はないかとキョロキョロ見回していると、軽く肩を叩かれた。

「リオン?」

 振り返ると、第1王子が同じ様にランチボックスを片手に立っていた。

「殿下」

 学園内では軽い挨拶だけで許されるので、軽く腰を折る・・・のを止められた。

「今からか?」

「はい」

「では、ついて来るといい」

「え?」

「場所が無いのだろう?」

「えぇ、まぁ・・・」

「では、おいで」

 王子に手を取られ、迷いなく歩き出す後をついて行くと、少し奥ばった場所に綺麗な花壇に囲まれた東屋が現れた。

「ここは王族専用だ。誰も来ないから遠慮なく使え」

「いえ、それはちょっと・・・」

「今のリオンなら、誰も文句は言わないはずだ」

 まぁ、ねぇ。
 だからと言って、太々ふてぶてしく使えない。
 困って立ち竦んでいると、王子は軽く溜息をくと私の手を引いて椅子に座らせた。

「一人で使えないと言うのなら、明日から共に昼食を取ろう」

「・・・ご迷惑では?」

「迷惑なら、初めから声など掛けない」

「では、状況が落ち着くまでお願い致します」

「フフ。では、いただこうか」

 二人で手を合わせ、ランチボックスを開けた。
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