15 / 47
ループ、14
しおりを挟む
「息子は御遠慮下さい」
父様が王子に待ったを掛けた。
「前から思っていたが・・・宰相、何故そこまで私達とリオンとの接触を阻む?」
「我が公爵家は王家に与しない事を条件に宰相職を担っております。息子リオンが殿下方の代で宰相に就くなら何も言いませんが、嫁入りは許可出来ません」
「リオン本人がよいと言ったら?」
「言えばよいですね」
フフフと王子に向ける不敵な笑みの父様・・・素敵です。
勿論、言いませんよ。
公爵家は中立ですからね。
「では、アプローチは良いのだな?」
「息子を相手にするより、他の子息とお見合いをなさった方が後々殿下にとって有益になりますよ」
「リオン以上に優秀な者が居るか?」
「さぁ?直接お調べになられては?」
二人の間で火花が散り出しているにも関わらず、国王はこちらを見てニコニコ微笑む。
父様の不敬ギリギリに、そんな私の内心冷や汗が止まらない。
私はそこまで期待される程優秀ではないのだけれど。
「あの、国王陛下・・・」
「どうした?」
「止めなくて宜しいのですか?」
「いつもの事だ」
「えっ⁉︎いつも?」
父様、本当に不敬罪で捕まりますよ‼︎
「話は変わるが、先日の茶会の事は気にしない様に。当事者のオズワルドとカルヴァイスにはキツい罰を与えておく」
あれ?また過去にはない話に進んでるぞ。
この時点で第2王子との接点は消えた?
じゃあ、ユーリは?
「あの例の子息はどうなったのですか?」
「例の?嗚呼。男爵子息は、教養は皆無に礼儀知らず、身分関係なく王族に馴れ馴れしい・・・との苦情が昨日殺到してきた。その処理で疲弊している所だ」
「男爵家には?」
「通達はした。改善が見られなければ、処罰もありううる」
だから、今日のお茶会なんだね。
第2王子と関係で、ユーリの態度がデカくなっているんだろう。
学園でも教師達に苦情が来ていて困り果てているのを知っている。
過去を重ねる度にユーリを見ていて、何故か彼は自分は王妃になるんだと思い込んでいた事に驚いた。
第2王子はあの時王太子ではなかった。
なのに王妃。
誰かに唆されてでもいるのだろうか。
いや、あり得ない。
王弟と手を組んだならまだしも、お茶会の時を思えば王弟はユーリをよく思ってはいない様だった。
王弟を敵に回せば、カルヴァイスの側から遠のく事になる。
では、誰だ?
父様が王子に待ったを掛けた。
「前から思っていたが・・・宰相、何故そこまで私達とリオンとの接触を阻む?」
「我が公爵家は王家に与しない事を条件に宰相職を担っております。息子リオンが殿下方の代で宰相に就くなら何も言いませんが、嫁入りは許可出来ません」
「リオン本人がよいと言ったら?」
「言えばよいですね」
フフフと王子に向ける不敵な笑みの父様・・・素敵です。
勿論、言いませんよ。
公爵家は中立ですからね。
「では、アプローチは良いのだな?」
「息子を相手にするより、他の子息とお見合いをなさった方が後々殿下にとって有益になりますよ」
「リオン以上に優秀な者が居るか?」
「さぁ?直接お調べになられては?」
二人の間で火花が散り出しているにも関わらず、国王はこちらを見てニコニコ微笑む。
父様の不敬ギリギリに、そんな私の内心冷や汗が止まらない。
私はそこまで期待される程優秀ではないのだけれど。
「あの、国王陛下・・・」
「どうした?」
「止めなくて宜しいのですか?」
「いつもの事だ」
「えっ⁉︎いつも?」
父様、本当に不敬罪で捕まりますよ‼︎
「話は変わるが、先日の茶会の事は気にしない様に。当事者のオズワルドとカルヴァイスにはキツい罰を与えておく」
あれ?また過去にはない話に進んでるぞ。
この時点で第2王子との接点は消えた?
じゃあ、ユーリは?
「あの例の子息はどうなったのですか?」
「例の?嗚呼。男爵子息は、教養は皆無に礼儀知らず、身分関係なく王族に馴れ馴れしい・・・との苦情が昨日殺到してきた。その処理で疲弊している所だ」
「男爵家には?」
「通達はした。改善が見られなければ、処罰もありううる」
だから、今日のお茶会なんだね。
第2王子と関係で、ユーリの態度がデカくなっているんだろう。
学園でも教師達に苦情が来ていて困り果てているのを知っている。
過去を重ねる度にユーリを見ていて、何故か彼は自分は王妃になるんだと思い込んでいた事に驚いた。
第2王子はあの時王太子ではなかった。
なのに王妃。
誰かに唆されてでもいるのだろうか。
いや、あり得ない。
王弟と手を組んだならまだしも、お茶会の時を思えば王弟はユーリをよく思ってはいない様だった。
王弟を敵に回せば、カルヴァイスの側から遠のく事になる。
では、誰だ?
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
君と秘密の部屋
325号室の住人
BL
☆全3話 完結致しました。
「いつから知っていたの?」
今、廊下の突き当りにある第3書庫準備室で僕を壁ドンしてる1歳年上の先輩は、乙女ゲームの攻略対象者の1人だ。
対して僕はただのモブ。
この世界があのゲームの舞台であると知ってしまった僕は、この第3書庫準備室の片隅でこっそりと2次創作のBLを書いていた。
それが、この目の前の人に、主人公のモデルが彼であるとバレてしまったのだ。
筆頭攻略対象者第2王子✕モブヲタ腐男子
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【旧作】美貌の冒険者は、憧れの騎士の側にいたい
市川パナ
BL
優美な憧れの騎士のようになりたい。けれどいつも魔法が暴走してしまう。
魔法を制御する銀のペンダントを着けてもらったけれど、それでもコントロールできない。
そんな日々の中、勇者と名乗る少年が現れて――。
不器用な美貌の冒険者と、麗しい騎士から始まるお話。
旧タイトル「銀色ペンダントを離さない」です。
第3話から急展開していきます。
悪役令嬢は修道院を目指しますーなのに、過剰な溺愛が止まりません
藤原遊
恋愛
『運命をやり直す悪役令嬢は、やがて愛されすぎる』
「君がどんな道を選ぼうとも、俺は君を信じ続ける。」
処刑された悪役令嬢――それがリリアナ・ヴァレンシュタインの最期だった。
しかし、神の気まぐれで人生をやり直すチャンスを得た彼女は、自らの罪を悔い、穏やかに生きる道を選ぶ。修道女として婚約を解消する未来を望んだはずが、彼女の変化を見た周囲は「何が彼女をそこまで追い詰めたのか」と深く誤解し、過保護と溺愛を隠さなくなっていく。
「俺が守る。君が守りたいものすべてを、俺も守る。」
そんな中、婚約者のルシアン殿下もまた彼女を見守り続ける。冷静沈着な王太子だった彼は、いつしか彼女のために剣を振るい、共に未来を築きたいと願うようになっていた。
やがてリリアナは、王国を揺るがす陰謀に巻き込まれながらも、それを乗り越える力を得る。そして最後に殿下から告げられた言葉――。
「リリアナ、俺と結婚してくれ。」
「わたくしでよろしければ、喜んでお受けします。」
繰り返される困難を経て、彼女が辿り着いたのは溺愛たっぷりのハッピーエンドだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる