周回(ループ)令息は断罪お断り致します‼︎

蒼葉

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ループ、7

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 ヤバイ。
 何がヤバイって?
 来ちゃいましたよ、学園へ入学する年が。
 当然、彼らと関わらなければならない。

「やだなぁ」

 独り言にマリウスが反応を見せる。

「どうされました?」

「ん?学園、行きたくないなぁって」

「それは・・・」

「分かってるよ。学園を卒業しないと、貴族として一人前扱いされないよね。でもなぁ・・・」

 多分、彼らとクラスは同じだろう。
 ずーっと、同じだったから。
 と学力を考慮した上での割り振りだから。
 王子が馬鹿だった場合、下手に最下層クラスには入れられないからね。

「極力こっちから近付かずに過ごせばいいか。後は側近候補にならない様に心掛けて・・・」

「リオン様王家の権力に興味を持たれませんね」

「え?要らなくない?下手に大きな力手に入れたら厄介ごと起きるよ。絶対」

 前回がそうだった。
 王家に取り入りたい貴族達には、次に位の高い公爵家ウチは邪魔の何者でもなかった。
 だから、アイツユーリを王子と恋仲にさせて私を蹴落としにかかったのだ。

 跡取りは私だけだし、有りもしない罪をでっち上げて公爵家を潰したのだろう。
 初めの時以外は好きでも何でもなかったんだから、変に関わらないで欲しかったな。

「地味に、目立たず過ごすしかないよね」

「無理かと思います」

「何で?」

「お綺麗ですから」

「ん?何が?」

「リオン様が、です」

「・・・身内の欲目じゃない?」

「いいえ。教会への慰問の際、天使が舞い降りたと噂されておられますよ?」

「いやいやいや。冗談・・・」

「では御座いません」

 本当に、何を言っているんだ?
 平凡な容姿の私が天使って?
 笑うよね。
 誰にもモテた事ないよ?ずーっと。

「不埒な輩の為に、是非防衛術を披露なさって下さい」

 そんな奴、絶対に居ないってばぁ。

 
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