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ループ、3

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 勉強は好きだ。
 頭でっかちになるつもりはないけれど、知らない事を吸収して損はない。

 教本だけでなく、辞書や図鑑を何気に読むのもいい。
 新しい発見(主にループから外れる為のもの)は試してみたい。

「ふむ」

 勉強の時間が終わると、前世まえの時に習得しなかった剣術を習おうと公爵家専属の護衛に手解きを乞う・・・と思ったら鍛錬中でした。
 邪魔をしてはいけないので離れて見ていると、流石に気付いていた様だ。
 目線がチラリとかち合う。

 綺麗な型が決まった。
 無駄がなく見惚れる程の流れる動きは最小限で対象者を護る。
 しかも、ほぼ同レベルの実力者を結構な人数雇えているのは有難い。
 ん?自慢じゃないよ?事実だし。
 しかも、雇ってるのは私ではなく公爵家だし。
 うん。

 護衛隊長のキールは合った目線をそのままに、静かに動きを止めると持っていた剣を仕舞いながらこちらに寄って来た。

嗚呼あぁ・・・。終わらなくても良かったのに」

「そういう訳にもいきません。如何どうなさったのです?この様な場所に」

 危ないですよ?と言わんばかりに見学場所から離れさせようとする。
 此方こちらも未来に左右するのだ。
 ここから動かないぞ。

「キールに頼みがあるんだ」

「私に?」

「そう。私に自衛剣術を教えて欲しい」

「・・・我々がお護り致しますが?」

「うんと・・・。自分でも身を護るすべを得たいんだ」

「危険な事をする予定でも?」

「そんな訳ないでしょ。習って損はないかな?と思っただけだよ」

「成る程」

 一言発した後、キールは少し考え込む。駄目かな?

「公爵様の許可は?」

「まだ」

「では、で許可を得て下さい。でなければお教え出来ません」

 やっぱり、簡単にはいかないか。

「分かった。父様に聞いてみる。許可が出たら、ちゃんとキールが教えてね」

「承知致しました」

 腰から折り曲げて礼をするキールに父様の許可を得たらまた来ると告げて別れた。
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