自称病弱の姉に婚約者を奪われたけど、もう気にしない

蒼葉

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第3章

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 王国と帝国の最高権力者でないにしても、王族である殿下とリディア皇子のお二人の力が揃えば流石に展開は早いものでした。

 とは言え、まだ解決に至っておりませんが。

 現在の進行状況を言うならば、ターシャ達が現在どこに居るかは把握できたそうです。

 まぁ、わかりきった場所ですが・・・やはり帝国に逃げ込んでいたそうです。

 元々、ノヴァ子息は帝国に懇意にしている貴族がいたそうで、リディア皇子でも安易に手出しできない相手だそうです。

 公爵か侯爵家、或いは高位の官位を持つ相手なのでしょうか?

「まずいな・・・。皇帝とその貴族に手を組まれたら国同士の争いに発展しかねないぞ?」

「いえ、殿下。既に帝国側からの宣戦布告と捉えても良いと考えます」

 殿下とお父様は頭を抱えながらもこれからの相談をなさっておられます。
 が・・・リディア皇子の前で父親である皇帝陛下の事をそんな風に言っても良いのでしょうか?

「お気遣いありがとうございます、リリアローズ嬢。言われて当然の事を行なって目を瞑っているのですから。それを止める為にも私はここに居ます。悪口くらい、ドンと来いです。いえ、寧ろもっと言ってもらっても・・・」

 リディア皇子?お父様なのですよね?

「父ですが、今となっては愚か者の無能者に過ぎません。帝国民を操り、弄び、暇潰しに扱うただの馬鹿です。敬う必要はありません」

 密やかに怒っておられます。
 それは当然なのでしょう。
 リディア皇子は帝国を大切に思っておられますから。
 そこに住む帝国民も大切に思われているからこそ、貴族達が面白おかしく魅了魔法を使う理不尽に嫌悪なさるのでしょうね。

「で、どうする?王国こちら側としては安易に手出しできない。戦争に発展すると困るのは国民達だ。なるべく我々だけで決着つけたい」

「同意見です。私も帝国民を巻き込みたくありません。魔法の使用現行犯で捕らえたい」

 現行犯だと言い逃れが出来ません。
 証拠の品はターミアからの物がありますが、物に魔術を込めている魔術師をターシャ達と共に捕らえられれば、今回の件は収束するでしょう。
 何とかして帝国に逃れた彼等をこちら側に呼び寄せられないのでしょうか?
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