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第3章

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 物事は何でも突然やってくるのだと痛感しました。
 何故って?
 それを聞きたいのは私です。

 時期外れの留学生が学園にやって来ました。
 その人物は、本当に帝国の第二皇子なのですから。

「リディア・ロイルです。時期外れで申し訳ない。学園では身分は関係ないと聞いています。仲良くしてもらえると嬉しいです」

 ニコリと微笑まれますが、クラスの皆様は複雑な顔をなさっておられます。
 あんな事があって、犯人は帝国に逃げたのですから・・・関係者が王国に偵察か調査をする為に来たのでは?と勘繰るのは当然です。
 しかも、第二皇子。
 ご本人が身分関係なくと仰っておられましたが、そうはいきません。

「リディア皇子はフレン殿下の隣でよろしくお願い致します」

 教師という身分ではありますが、先生が恐縮しながら皇子を空いている席へと促します。
 空いているというか、事前に使っていたクラスメイトに席移動をさせていたのですが。

「では、授業を始めます」

 先生の一言で緊張していた空気が一気に解けました。
 大人って、妙に安心感があって凄いです。





 皇子は積極的にクラスに馴染もうと努力をなさっておられるようです。
 運動がお得意なのか、授業でもないのによく汗だくで教室に御子息達と帰ってくる事がしばしば。
 今日など、模擬用の剣で先生の立ち合いの元、試合をされていたそうです。
 ・・・あれ?殿下もご一緒ですね。

「やぁ、リリア」

「お疲れ様です、殿下」

たまには力一杯運動するのも悪くはないね」

 チラリと隣を見る殿下の視線の先には皇子。
 私達二人の視線を受け止めて皇子がいい笑顔で同意なさいます。

「フレン殿下はお強いですね。今日の試合で僕は指南役に世辞で誉められていたのだとわかりました」

 本気で教えるのなら、お世辞で誉めるのは得策ではありません。
 厳しくても、本気で言わなければ身になりませんから。

「リディア皇子の剣の筋は良い。練習を積めば、もっとレベルが上がるはずです」

「そうでしょうか?さっきも言いましたが、指南役でさえ本気で教えてくれていませんでした。他に習うとなると・・・」

「時々でいいなら、今日のように皆で集まって模擬戦をしましょうか?」

「宜しいのですか?嬉しいです‼︎」

 運動と言うよりかは剣術がお好きなご様子。
 キラキラと笑顔を弾けさせて殿下にお願いなさってました。
 その笑顔は破壊力抜群だったらしく、教室にいた御令嬢達が真っ赤になりながらも小さな悲鳴を起こしてました。
 顔面破壊力、凄まじいです。
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