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第2章
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貴族の当主は暇を持て余す時間はないので、お父様は朝食が済むと執務室に篭られます。
王都での仕事に加え、領地の運営を領民の為に疎かにする事は出来ませんから。
領主代理からの報告書に目を通し、順調に運営されている事、天候での災害がないかなどの事細かな確認、次の細かい指示を出した後、ちょうど殿下がいらっしゃいました。
「お疲れではないですか?」
連日の件で、あまり休んでいないであろうお父様のお体が心配で思わず声を掛けてしまいます。
「大丈夫だ。リリアローズも無理をしてはいけないよ」
「はい」
反対に心配されてしまいました。
後で体に良いものを作って差し上げましょう。
先に応接室に案内されている殿下の元に顔を出します。
「やぁ、リリアローズ」
パッと両腕を広げて殿下が駆け寄って来られますが、お父様という壁が私の前で聳え立ちました。
「公爵・・・」
「何でしょう?」
「小舅は嫌われるよ」
「生憎、私は小舅ではなく父親なので嫌われる心配ありません」
「娘は父親を嫌うものだよ」
「公爵家では、それに当てはまらないかと」
「構いすぎなんじゃない?」
「殿下程ではありません」
えーっと・・・。
何のやり取りですか?
娘・・・という事は私のことですよね?
私はお父様を嫌ったりはしませんよ?
「ご機嫌よう、殿下」
「リリアローズ、君にプレゼントがあるんだ」
後ろで控えていたマット様が隙なく大きな花束を殿下に差し出されます。
気を取り直し、それを受け取った殿下はそのまま私へと渡されました。
花は好きです。
今までは造花で飾っていた部屋が、お父様の許可を得て温室に咲いている色とりどりの花へと変わり、更に華やいでいます。
「まだ装飾品は早いかと思ってね。花ならいつでも部屋に飾っておけるだろう?」
そうですが、造花と違い手入れをしないと直ぐに枯れてしまいます。
でも、手入れは嫌いではないので、やり甲斐があります。
「ありがとうございます、殿下。早速飾らせていただきます」
「喜んでもらえて嬉しいよ。また珍しい花が咲いたらプレゼントするから、楽しみにしておいて」
「はい」
厄介ごとばかりが続いて疲弊していた心が、少しだけ浮上しました。
殿下、心遣いに感謝いたします。
王都での仕事に加え、領地の運営を領民の為に疎かにする事は出来ませんから。
領主代理からの報告書に目を通し、順調に運営されている事、天候での災害がないかなどの事細かな確認、次の細かい指示を出した後、ちょうど殿下がいらっしゃいました。
「お疲れではないですか?」
連日の件で、あまり休んでいないであろうお父様のお体が心配で思わず声を掛けてしまいます。
「大丈夫だ。リリアローズも無理をしてはいけないよ」
「はい」
反対に心配されてしまいました。
後で体に良いものを作って差し上げましょう。
先に応接室に案内されている殿下の元に顔を出します。
「やぁ、リリアローズ」
パッと両腕を広げて殿下が駆け寄って来られますが、お父様という壁が私の前で聳え立ちました。
「公爵・・・」
「何でしょう?」
「小舅は嫌われるよ」
「生憎、私は小舅ではなく父親なので嫌われる心配ありません」
「娘は父親を嫌うものだよ」
「公爵家では、それに当てはまらないかと」
「構いすぎなんじゃない?」
「殿下程ではありません」
えーっと・・・。
何のやり取りですか?
娘・・・という事は私のことですよね?
私はお父様を嫌ったりはしませんよ?
「ご機嫌よう、殿下」
「リリアローズ、君にプレゼントがあるんだ」
後ろで控えていたマット様が隙なく大きな花束を殿下に差し出されます。
気を取り直し、それを受け取った殿下はそのまま私へと渡されました。
花は好きです。
今までは造花で飾っていた部屋が、お父様の許可を得て温室に咲いている色とりどりの花へと変わり、更に華やいでいます。
「まだ装飾品は早いかと思ってね。花ならいつでも部屋に飾っておけるだろう?」
そうですが、造花と違い手入れをしないと直ぐに枯れてしまいます。
でも、手入れは嫌いではないので、やり甲斐があります。
「ありがとうございます、殿下。早速飾らせていただきます」
「喜んでもらえて嬉しいよ。また珍しい花が咲いたらプレゼントするから、楽しみにしておいて」
「はい」
厄介ごとばかりが続いて疲弊していた心が、少しだけ浮上しました。
殿下、心遣いに感謝いたします。
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